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2012 6/7読了。図書館総合展in仙台のイベント会場でいただいた。
同イベント中、配布資料の中に仕掛けがしてあって、当たった方だけもらえる・・・という賞品になっていた本。
一部、当選者が名乗り出なかったものについて、「欲しい人!」と募られた瞬間に「はい!」と手を挙げていただいてきた。
少しずつ読み進んでやっと今日、読み終えたが、これは貰ってきて本当に良い本だった。
多くの人に手にとって見て欲しい。
東北大学で教員・学生ら有志が始めた、東北大関係者(学生、教員、職員、留学生はもちろん出入りの業者や当時、たまたま東北大に出てきていた方まで)に、2011.3.11の震災直後からしばらくの間の経験について話を聞く・・・というプロジェクトの成果をまとめた本。
内容を大きく編集することなく、各々の話した(あるいは当人が自分の語りに一部、記述を加えた)内容がそのまま記されている。加えていくつかのコラムも。
学生だけじゃなく留学生や出張中だった人、それに職員の体験記まで含まれていて、本書中でも述べられているが、震災時の経験は、似ている部分はあったとしても、人によってぜんぜん違うんだ、ということがよくわかるし、引き込まれる。
自分だったらどうするだろうと思うのはもちろん、当時、別の形で(当時自分は仙台ほどではないにせよ被災し混乱している東京⇒つくばにいて一時は帰宅難民になっていた)震災と向きあっていた自分の経験をもう一度、思い出したりもした。
しかしさすがに1年以上前、ということでかなり忘れている部分もあってTwilogを見て「あー、そうだった」とか思ったり・・・そうやって少しずつ忘れていく前に、あるいは何か語りたいものがあったり語って楽になれたりもするであろう時期に、これだけの人からの聞き語りをまとめられた、というのは本当に凄いと思うし、今後(考えたくないことではあるけれど)同種の災害・事件があった場合にできることの一例の提示としても素晴らしいと思う。