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2012.05.17読了
大学の講義でたまに出会う「恐ろしくバカバカしいが、それなりに真面目に研究されているニッチな分野」を思い出させてくれる。なんとなく知識人になったような気になれる一冊。
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テレ東の本気。「自分大好き文明」、「頑張ってる奴すべってる文明」、「友達いないと不安文明」など、社会制度とのかかわりという横軸と、各テーマの有史以来の変遷の歴史という縦軸から平成日本を分析。童貞史が白眉。
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外国人の日本のカルチャーを研究するという体で作られたTV番組「ジョージ・ポッドマンの平成史」の書籍版。
あの情報量の多いTVをうまく紙媒体に落とし込んでいる。
意外と資料的価値として、優れた1冊かも???
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平成になってもう24年も経過しているんだなあと改めて実感した。
小学生の頃にファミコンが出て今では一人一台携帯電話。改めて平成史と名をつけてみると色々なことが変わってきたんだなと実感した。面白かったです。
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C0095 スポーツ紙を高級紙としているので、wikiで調べてみました。ジョージ・ポットマンとか架空の設定だったのですね。あと、テレビ放映エピソードを全話収録していないのですね。岡本麻弥さん、「ナデシコ」でもセクシー担当でしたね。って、いくつよ。
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テレビ東京で深夜放送されていた『カノッサの屈辱』、『お厚いのがお好き?』を彷彿とさせるサブカル教養お笑い擬似ドキュメント番組のまとめ本。平成という特異な時代をサブカルチャーから分析する。ファミコン史、マンガの汗史、人妻史、童貞史、友達いないと不安史、路チュー史などのサブカル事象分析によって導かれるのは、長期的経済不況が、若者文化に多大な影響を及ぼしているという点である。
<マンガの汗史>
高度成長期のスポコンマンガは、主人公たちがたくさん汗をかいていたが、最近人気のスポーツマンガでは、どんなに激しい運動をしていても、登場人物は汗をかいていないという。何故汗が減ったのか。肉食主流になって、日本人の体臭が臭くなったことも一因だが、汗をかいてがんばっても、成功する確率が減少した、つまり努力しても報われない経済・社会構造になったことがその原因だと分析される。ちょっとした発想の転換やチャンスを掴んだ人が大儲けする一方、頑張る人はいくら頑張っても報われない。これでは汗の価値がなくなる。
<ブログ、ツイッター史>
世界で日本語を話す人は少ないが、ブログの投稿言語における日本語の率は、英語についで第2位の37%である。何故日本人は、諸外国に比べて、どうでもいいことをブログやツイッターに書き続けるのか。かつての日本人は遠慮深く自己批判心が強かったが、1996年を境に「自分大好き文明」が隆盛したという。「あゆ」など自分の名前一人称でしゃべる人気芸能人たち、プリクラの流行、「自分らしく」、「自分を信じて」と歌う歌詞が異常に多くなったJ-POP。個性尊重+ポジティブシンキングブームによって誕生したのが、「自分大好き文明」である。何故「自分大好き文明」が流行したのか。平成不況期の企業は、社員の人件費を削って非正規雇用を増やしたし、国は借金と税収減で弱体化した。企業や国、社会の公的絆に頼れなくなった個人は、自分で自分を肯定し、励ます必要が生じた。このため、自己愛の肥大化=どうでもいいことをつぶやく自作自演文化が発達したと推測される。
<童貞史>
かつて童貞は価値あるものとされてきたが、60年代から70年代にかけて、女性の処女率が下がったことによって、童貞の価値が相対的に低下した。80年代バブル、いわゆるデート産業は、男女がデートに出ることを奨励し、童貞を批判する広告戦略を展開した80年代の恋愛=消費至上主義は、バブル崩壊とともに影をひそめ、代わりに「平成童貞礼賛文明」が誕生する。男も女も仕事がなく、金もない。女性は節約上手な男性を求める。これでは産業界や広告界が困る。デートで豪遊する男女が減った結果、売上の減った産業界は、リアルな女性と縁がない童貞男子をマーケティングターゲットに選定した。これによって巨大な二次元萌え産業が勃興したのが、現代の高度消費社会である。
<友達いないと不安史>
一人で学食で食事するのが嫌なため、トイレで一人ランチする「便所飯」というスタイルが最近大学で流行しているという。平成時代の若者は、友達がいないと異常に不安になってしまう。何故か。かつて日本は農村型社会で、人の移動も少なく、友達がいないこと��不安に思う必要がなかった。現代社会は人の移動が多いし、核家族化が進み、地域社会が機能しなくなった。また、平成に行われた新学力観に基づく教育では、友人関係の良好さなども成績評価の対象となったので、平成時代の子どもたちは、異常に人目を気にするようになった。また、ITの普及によって、友達が数値化されるようになり、友達の数が少ないと不安を感じる社会になった。ケータイの電話帳登録件数が競われ、ミクシなどSNSでのマイミクの数、コメントの数が競われ、ツイッターではフォロワー数が競われ、フェイスブックでは「いいね!」の数が競われる。「いいね!」押さなきゃ不安&押してもらわなきゃしょうがない症候群は、ソーシャルネットワーク化が進む地球上のあらゆる社会で流行しているが、日本もその例外ではない。
(所感)
企業も国もお金がない。人件費をカットすることによって何とか企業は収益を確保しているけれど、個人にお金が行き渡っていない。平成では、努力しても報われると限らないから、頑張らない人が賞賛され、誰も自分を認めてくれないから、自分で自分を肯定し、節約せざるを得ないから、二次元のキャラに萌え(同時にキャラクタービジネスで企業は収益を上げ)、地域コミュニティや公的援助が不足しているから、SNSでの友達の数を増やすことが、個人を守るセーフティーネットになった。これが平成時代の前提だとして、この時代にいかに変革をもたらすのか。ヒントは、<ファミコン史>である。
任天堂の品質チェックを潜り抜けて発売されたクソゲーの不条理を楽しんだファミコン世代は、問題解決能力が高く、不条理を受け入れる準備ができており、課題をクリアすることで自信を獲得できることを知っているという。今の日本が「たけしの挑戦状」なみのクソゲーならば、そのクソゲーっぷりを自ら楽しみ、「裏技」を駆使して、社会を渡り歩くしなやかさが必要になるだろう。
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ふざけた本のコーナーにおいてあるのだが、中身はいたってまじめ。とても勉強になるという品物だった。なんだか男目線で研究しているので男向けだろう。
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ちょっと品のない「カノッサの屈辱」かな。
二番手は味付けを大きく変えることで、先発組を超えることがあるけど
90年代にあまり興味ないこともあり、今一つ響かなかった。
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ある時テレ東で発見‼何これおもしろーい!しかし次週最終回という悲しい事実。が、本が発売したということで手に取りました。
いやその言葉の選び方…とか、それ飛躍がすぎやしないだろうか…ってとこはあったけど、楽しめました。
文体、テレビほとんどまんまだし‼
お気に入りは2章。私もその中にいるのね…と思うとなんだか切ないが。
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[作品]
2012年出版。 大和書房。
ヨークシャ州立大学歴史学部教授 ジョージ・ポットマン 著
日本語版著者 高橋 弘樹
伊藤 正宏
[内容・感想]
現代日本の研究家である、ジョージ・ポットマン博士による“平成時代”の研究と調査結果がまとめられた一冊。元は、イギリスのテレビ局CBBで放送された番組だったそうだが、テレビ東京が番組の日本国内での放送をオファーしポットマン博士が快諾。日本国内で放送するための番組としてテレビ東京の手によりあらたに収録され、バラエティ番組として放送。その放送をまとめたいわば番組本。
通常、番組本というとお気楽な内容が多いが本書はバラエティ番組の気楽さを残しつつ、かなりまじめに現代日本について考察している。しかし、取り上げている内容が、「ファミコン」「ブログ・ツイッター」「マンガの汗」「人妻」「童貞」「路チュー」「ブルマー」等一見するとくだらないものばかりなので読む人によっては社会学的な価値を認められないかもしれない。ただ、こういったカテゴリーは意外と私達の生活に密接に関わっていると思われるが、残念ながら真面目に研究している人が少ないせいかその本質が隠れがちである。本書はそんな知りたくてもしれない社会の実態を取り上げてくれている。
読み物としても単純に面白い。先ほど、番組本の気楽さと書いたが、テレビ東京を日本最大級のテレビ局(いや、間違ってはないが)といってみたり、つぶやきシローを評論家、芸人のヒロシを詩人と紹介したりなど全体を通して日本のバラエティのノリで書かれており、外国人の視点から見える日本人には少しずれて感じる日本感なども感じられて面白い。日本で用いられている英語表記が日本語の直訳になっているところなんかも笑い所だろう。本書の様な本がもっと増えれば、私の生活も今よりもう少し面白くなるに違いない。
個人的には「童貞史」と、いつのまにかボーイズラブ史に変わっていた「友達いないと不安史」が秀逸だった。
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旬をすぎたタレント(ヒロシ)を小馬鹿にしたような言い回しが面白い。童貞じゃなくても「童貞史」は必読!あと「友達いないと不安史」も興味深い。
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長年積読にしていて、令和の暮れからゆるーく読み始めました。
くどめの筆致にちょっとうんざりしたりもしたけど、書いてあることはどの章もとても興味深く、時折感嘆の声をあげつつ読み進めていました。
一番すごいと思ったのは第6章の「友達いないと不安史」。
前章の「童貞史」からの流れでの章展開、ちょっとあれこれ混乱。