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世界の食経済の仕組みとその問題点について述べた本。
最大のメッセージは、現在の食経済をこのまま続行するのは不可能という予測。
数値に対して価値ニュートラルではなく、
明確に現在のシステムに対する批判の眼差しを持っている。
分析の正否は判断できないので、うーん、そうなんですかーとしか言いようがない。
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人類のあるべき姿を現在の食のグローバル化に投影すると、かなりヤバい状況なことを思い知らされる。著者はそれでもこの危機的状況を乗り切る術はあると楽観的だが、根本的な部分で人類が進化しないといけないようにも思う。
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読み応え満点!なだけに読むのにチョット苦労した。訳者・神保さんのあとがきを読めば大まかな本の内容はつかめるかも。
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広範で綿密な取材から投げかけられる問題提起に、食べるということの価値観や罪深さを突き付けられる。もう一度読み返そう。
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経済を構成するひとつのアイテムとなってしまった食べ物の今と将来についての話。安い食べ物、安定供給される食べ物の裏に、添加物や農薬、土壌崩壊などの背景がある。化学肥料で土地はやせるし、オーガニックなものの多くは実は循環型になってはいない。そんな世界に、肥満と飢餓で苦しむ人数が同じぐらいいる。
この背景にはどんな理由があるのか? 人口増? 生産者の怠慢? 食品会社の利益のため?
一番の黒幕は、それらの背景で、「もっと安いものを安定供給しろ」と圧力をかける消費者たる僕たち…
いいものをより安く、なんてやっていると、そのツケが溜まっていくことを、これでもかと紹介されてしまいました。
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訳者の神保さんは自分の信頼するジャーナリストの一人。
かなりのボリュームで読了に一ヶ月。
崩壊する食のメカニズムの一番の原因は自分自身ということ。
その自分の欲望から派生する様々なメカニズム。
何とかしなきゃ、と思う前に、自分を何とか変えないといけない。
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誰も幸せにしないシステム、というものを生活と一番身近な食から捉えた良書。何気なく買っている食品、レストランの食事、全てに背景がある事を感じざるを得ない。だからと言って、何をしたら良いのかは簡単に答えがでないが(お金持ちではないから、食を選び放題にはならない)、一つ一つの食品を知り、自分に与える影響を考えていきたい。
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ジャーナリズムとしては一級品。だけど読むのはちとつらい。経済合理性のあくなき追求と、人間の本能の間には何かないのかという思いにかられる。そこにギャップがないと、こういった類の問題は解決に向かう気がしない。肉を食べるの気が引ける
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食を取り巻く多くの不安材料。人類が初めて経験している広範囲の過剰カロリー摂取社会は持続可能なのでしょうか。勿論、同時に飢餓状態のエリアも多く存在したままなのですが。
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食べ過ぎによりダブついたウエストは大量生産モデルによる安価な食がもたらした意図せぬ結果のひとつにすぎない
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経済のグローバル化がもたらした、食の危機的状況をレポートした本。
消費者としては、世界中から一番安いものが供給される巨大サプライチェーンの恩恵を享受しているわけだが、その安さを実現するために農場から食品メーカーまで大変なことになっている。その付けは、最終的には商品を選択した消費者に回ってくるわけだが。
食料自給率の低い日本にとって、今は何とか食料を確保できているが、産地が集約化されつつある現在、そこが不作だった場合、自国民を犠牲にしてまで輸出してくれるわけはなく、市況も高騰し、また円安に振れるリスクもあり、TPPがどうのこうの言っている場合ではない。そのような事態にも対処できるよう農業政策のビジョンが必要。
また食品の中身についても、安全・安心なものを実現するには、それなりにコストがかかることを理解し、商品を選択していく必要がある。消費者も勉強が必要と思う。
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破綻に向かう現代の「食」について書き上げた大著。
人類の食の歴史から、現代の食はいかにいて築かれてきたか、何が問題になっているのか、これからどんな問題がやってこようとしているのか、未来はあるのか。最悪のシナリオは?
著者は結局のところ「あるべき姿を考えた結果」ではなく、「緊急事態への対処」を繰り返した結果にしか期待できないのではないかと述べる。それは、解説で訳者である神保哲生さんが言うように色んな問題をずっと辿っていくと、最後には自分自身を見つけてしまうから。そしてそのことを自覚し、食を自分の手に取り戻すことからしか始められない。
3.11のあと、スーパーに何もないような毎日が少しの間、あった。いま自分がスーパーに行って食材を選べる、外食はお金さえあればできる、そんな環境がものすごく薄い氷面でしかないことを突きつける、こわーい本。
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圧倒的な取材力のもとに、現在の「食」をめぐる様々な事象に多角的かつ深く切り込んだ本。
かなり読み応えのある本。
内容も濃いし、政治的な議題に関しても双方の意見を出して偏りをなくしつつ、自分のスタンスをきっちり表明できているのは見事。
悲観的な予想が並ぶけど、それが的外れかと言えばそうではなく、むしろ現実に即しているように思える。
その悲観的なシナリオを後押しする食のサプライチェーンでは、訳者の言葉にもあったけど、結局は「消費者」という実態の掴みにくい大きなモノが支配してるんやなーと実感。
ここでも「システム」の大きさに圧倒される。
やっぱりフードシステムの変換を促すのは、消費者一人一人の自覚を促していくしかないんかなー?
果たしてそんな時間が残されているのかどうか。。。
ひとまず、これまでのシステムの成り立ちを把握できたのがよかったと思います。
『食物生産を他者に任せたことや、自分が食べるものの特性や優先事項やそれについての思いを、遠く離れた経済モデルによって決められてもかまわないと思ったがゆえに、私たちは食の衰退を加速させ、それと同時に、人生にとって重要な何かを失ったのではないかということだ。』
(P522 エピローグより)
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膨大なインタビュー、事実を基に世界の食糧、農業に関する問題についてまとめた良著。もっとも俯瞰的に諸問題を理解し、今後世界が進む方向性について考える上での必読図書
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500ページ以上の超盛り沢山&濃い内容。スーパーには当たり前ように食材が溢れているけど、それが簡単に崩れ去る日が来る可能性が高いことを実感。