投稿元:
レビューを見る
6人の女性作家による青春を描いたアンソロジー。窪美澄さんや柚木麻子さんの本は今まで読んでいたし、短篇もいいと確信。アンソロは新しい作家さんに出会えるのもいい…そして、どの作品もいい。ドラマにしてもいいのでは。母校の女子は優秀なのも確信。
瀧羽麻子さんの「ぱりぱり」のラストがむちゃ素晴らしい…あの言葉がひらがなである事で本当に優しい気持ちになる。そして、日本語の奥深さを感じた。
投稿元:
レビューを見る
期待していた以上。好きな作家さんが多かったので手にとったんですが、わたしが好きな作家さんたちの作品はいまいちで、初めて読んだ作家さん二名の出来が素晴らしかった。
瀧羽麻子さんと、吉野万理子さん。
とくに吉野さんの作品は胸が熱くなるのにざーっと鳥肌がたった。私小説なのかな。
あのころの、わたしが、このアンソロジーのどこかにいるはず。
投稿元:
レビューを見る
6人の女性作家が描く、女子高生たちの心の痛み。
それぞれの中に、あのころの自分がいて。懐かしさとともにざわざわとあふれる何かに包まれる。
巻頭、窪美澄著『リーメンビューゲル』はリアル女子高生がオトナになる前に絶対に読んで欲しい。
投稿元:
レビューを見る
六者六様、感想をまとめきれません。 「いまを全力で駆け抜ける現役女子高校生と、かつて女子高生だったすべての大人の女性たちに贈る、珠玉の青春アンソロジー」 公式のこの文章がいいですね。僕には縁のない女子高生の記憶。それを垣間見せてもらった心地です。
投稿元:
レビューを見る
センチメンタル、だけじゃない。全体をまとうトホホ感。これが実物大の「あのころ」だったのだなあと思う。どうしたいわけでもないどうにもならない、あのラストの感じ。柚木麻子さんの「終わりを待つ季節」は収録されているそれまでの作品の皮肉のようで、だけどもラストを飾るにぴったりだと思った。
投稿元:
レビューを見る
瀧羽麻子めあてで、他の作家さんも最近読み始めたところだったので購入。
期待以上に良かった!
女子高生に焦点を絞った短編集。
まさに、「あのころの、」苦みや甘みが詰まっていた。
お目当てだった瀧羽さんのがやっぱり一番好きだったかな。
投稿元:
レビューを見る
女子高生の友達、恋愛、家族
そして、自分の物語
それがすべてだったような感覚
自分の居場所を探し続けているような
自信と不安のアンバランスな感じ
あのころの、って言葉が
しっくりくるような
懐かしのような気持ちになりました
懐かしいな高校生の頃
投稿元:
レビューを見る
一番好きだったのは瀧羽麻子さんの『ぱりぱり』。明るい未来を連想させる終わり方が素敵。
加藤千恵さんの『耳の中の水』はもうちょっと続きが読みたかったかなぁ。
投稿元:
レビューを見る
注目されている女性作家6名による高校生を主人公とするテーマの作品をいきなり文庫化。
6名の作家たちもかつて女子高生だったわけで、それぞれの記憶に創作を交えながら工夫を凝らした作品群となっている。
小説的な作品完成度は、巻頭に置かれた窪美澄さんの「リーメンビューゲル」が一番だけれど、自分自身の過去と正面から向かい合った吉野万里子さんの「約束は今も届かなくて」はノンフィクショナルで感動的。
あこがれ、友情、それ以上に悲痛なまでの過去への思いが、今現在作家としてある自分を成り立たせているのだという自覚が溢れている。後から気付いても取り返しのつかないことってあるのだよな。
ラスト・センテンスにやられたのは「ぱりぱり」(瀧羽麻子)。
柚木麻子さんの「終わりを待つ季節」は、なかなか巧い。高校三年の学園祭の時期から卒業までのあわただしくも心騒がしい時期を捉えて、女子高ならでは特殊な人間関係を特徴的に描く。
ぽっとしていて冴えなかった女子高生が、いつしか女子大生となり大人の目線で過去を振り返る、その落差がいかにも女性の成長という感じ。
投稿元:
レビューを見る
『ふがいない僕は空を見た』の窪美澄や、『白雪堂化粧品マーケティング部峰村幸子の仕事と恋』の瀧羽麻子、ほかの人はあまり読んだことがないけど、イマドキの旬の作家6人が「女子高生時代」という「あのころ」をそれぞれ書いたアンソロジー。「読む~?」と貸してもらって、読んだ。
家族のこと、きょうだいのこと、同級生たちのこと… こういう気持ちになったことがあったような気がする、と思い出すような短編集。瀧羽麻子の「ぱりぱり」がよかった。
柚木麻子の「終わりを待つ季節」では、「ジェンダー」や「ヘテロ」という言葉が出てきた。こういう言葉が小説に出てくるのは初めて見たかもしれない。生まれ年でいえば、私のひとまわり下になる柚木麻子の世代では、高校で「ジェンダー」とか「ヘテロ」は、あるいは教科書などで出てくる言葉だったのだろうか、とも考える。
真澄のことを好きな千香子が、真澄とフケようとする琴子に大声で言うのだ。
▼「ずるいよお! 私の方がずっと前から真澄のこと見てたのに! なんで卒業直前であんたなんかにかっさらわなきゃいけないのよお。ジェンダーの問題なんてちゃんと考えたこともないハチダイなんかに進む頭からっぽ女のくせに。こんなのって、ないよお。どうせ真澄の気まぐれなんだから。卒業までのつなぎなんだから!」(p.261)
真澄は噴き出して、琴子にこう言う。
▼「さっきの見た? 超、自分に酔ってたね。ジェンダーだって! 言ってるうちに自分でどんどん興奮しちゃうんだろうね。昼ドラみたいだった。超ウケる。泡吹いちゃって本当に蟹みたい」(p.262)
そして、そんな言い方ないよという琴子に、真澄は分析してみせる。
▼「だからさあ、自分で自分をレズだと思い込みたいだけなんだって。かけても良いけど、あの子はヘテロだよ。あと半年もして大学に入って男の彼氏が出来たら、私のことなんて忘れるんだって。変人なのは今だけ。普通に就職して、普通に結婚するタイプだって。あの子の気持ちは一過性。私を好きな振りをしてれば、クラスで浮いていることの言い訳にもなるし、他の子とは違うんだっていう優越感にもつながるでしょ。あの子はあの子で私を利用してるの。だったら、どうして私があの子を利用しちゃいけないのよ」(p.263)
「ジェンダーの問題なんて」と千香子が口にするからには、ひとまわり下の世代ではそういう問題が授業中に扱われることもあったのだろうか。あるいは、今の高校や中学で、そういうのは出てくるものなのか。ジェンダーフリーバッシングの時代にはかぶっていないのだろうか。そんなことを考えてしまうのだった。
(3/18了)
投稿元:
レビューを見る
窪美澄さんの『リーメンビューゲル』を読みたくて購入。他の作家さんは初めて読むが、なかなかの読書体験に。というのは作家さんを開拓するという意味で読む楽しさを感じたため。
一方、昔読んだ小説に出てきた“S”という概念を思い出す(実業之日本社刊行なだけはあるという感じか)。同性同士の交流を描く作品が多くて共感するには難しいものがあったが、自分とは違う高校生活を垣間見れたのは良かった。
お気に入りは瀧羽麻子さんの『ぱりぱり』、文章がつややかで惚れこんだのは彩瀬まるさんの『傘下の花』。この方の作品はもっと読んでみたい。
(彩瀬まるさんの文章に“急に、花をまいたような賑やかさが駅舎に満ちた。 (176頁) ”というのがあり、もうそこでKO負けでした。この艶やかな文章! 花をまいたような賑やかさにはじまる例えのうつくしさ、凛々しさがもう「たまらん!」と言う感じです。)
投稿元:
レビューを見る
柚木麻子さん、綾瀬まるさんの両名は「文藝あねもね」から気になっていて、本書でもとても良かったです。女子高生ならではの大人、同性、異性への憧れと嫉妬とか擬似恋心とか。自意識とか親子関係とか。二人の作品のどちらとも女子校のお話で本来はあまり好きなジャンルじゃないんですが…。その他の作品はすらっと読んでしまった。
投稿元:
レビューを見る
好きな作家さんだけに、瀧羽さんの『パリパリ』は良かった。
遥か彼方の女子高生達の世界、自分のときはこんなにセンシティブではかったよなぁと苦笑しつつも、新鮮なようないつの時代も変わらないような・・・懐かしさとともに読んだ。
彩瀬まるさんも衝撃的で良かった。
そっと肩を抱いて、大丈夫よ…と言ってあげたくなる1冊。
投稿元:
レビューを見る
短篇集。同じテーマで書かれているので、
テイストが似通っている印象を受けた。(
家庭環境、登場人物の性格など)
彩瀬まるさん、吉野万理子さんの作品が
特に良いと感じた。
投稿元:
レビューを見る
吉野万里子さん、加藤千恵さんめあてで手に取りましたが、収録されているすべての作家さんは、今をときめく方々ばかりです。
どの物語も女子高生が主人公であり、タイトル同様あのころの、なにかを思い出させてくれます。
どの物語も脆く、こわれてしまいそうなんだけど、あのころの、なにかがたくさん詰まっています。
私も5年前までは高校生だったんだけどな。
どんどん遠のいていく中でも、あのころ特有の感じ方だったり、思いだったりを忘れてしまいたくはないですね。