投稿元:
レビューを見る
日本経済新聞の書評欄で、
金森修先生が書評していた。
読みたくなる書評。
やっぱり、金森さんは素敵だ。
(2012年04月22日)
投稿元:
レビューを見る
"モダンライフは二〇世紀最大の神話である。そして、白物家電は、モダンライフ神話を成立させた強力なイデオロギー装置である。"
という前書で始まる。ここにガッチリ心を掴まれてしまいました。
主婦のモダンライフ指向を擽り、白くはなかった冷蔵函に対して、白物家電の王たる冷蔵庫が家庭に食い込んでいく様。
「ピアノのような」「陶器皿のような」、そして白い琺瑯による美しさが、規範となって攻めてくるのだ、と。
僕らは白い家電に侵略されたことに気づかない子羊で、でも気づいても抗うことが出来ないのか。
うまく説明できない。なんと面白い本なのか。
投稿元:
レビューを見る
確認先:稲城市立中央図書館
筆者が語りたいのものは明白である。「私たちが家電に対して抱く欲望と真正面から向き合うことはできるのか」という問いである。この問いを設定した筆者は白物家電、とりわけ冷凍冷蔵庫がいかにしてフォーティズム社会のなかで受容され、イメージが膨らまされていったのかについて見当を試みている。
書きかけ。
投稿元:
レビューを見る
電気と家電製品の普及で便利になった私たちの生活。しかし便利さと引き替えに、私たちの生活は「モダンライフ神話」へ惑溺することにもなってしまった。家電抜きの生活はもはや想像することが不可能である。
本書は、手法としてバルトの神話学を念頭に置きながら、モノとして「白物」家電の変遷とそれが触発する生活世界の意義を解き明かす記号論となっている。
例えば冷蔵庫に注目してみよう。もともと冷蔵庫は「冷蔵函」。それに外付けの冷却装置が付き、徐々に冷蔵庫になっていく。興味深いのは、もともとは、家具調の仕立てだったということ。これが「清潔」や「寒さ」、そして科学者の白衣をイメージする「白」に取って代わっていく。
記号論?と聞くと本書を手に取ることに躊躇を覚える方もいよう。しかし、文化と社会、そして政治的含意が交差するのは、人間の生活である。その意味の変遷を丁寧に追跡する本書は、時代史・生活史としても抜群に面白い。