紙の本
こんな方が日本にいらっしゃるとは
2015/11/02 05:17
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:シンジー - この投稿者のレビュー一覧を見る
恥ずかしながら、日経の訃報欄を読むまで存じ上げなかった。この方のような、気概を持ってリーダーシップを発揮してくださる指導者が、今の日本に必要だと改めて感じた。
投稿元:
レビューを見る
評伝というには、あまりに良い評価しか書いていないのでちょっと首を傾げざるを得ませんが、私が入社した1985年4月のときには、51歳で社長7年目というまさに乗りにのったときでして、かっこよかったのは確かです。
この本には書かれていませんが、とにかくクリーンな仕事をすることで有名で、本書のサブタイトルにある“「性善説」の経営者”というのはその通りだと思います。「世の中それほど甘くはありません」といくら周りから言われても「性善説」を貫き通した人で、その点は尊敬しています。
小林陽太郎からは、正しいことをしていけば企業は反映するという信念のようなものを常に感じていました。
★★★
本書にもありますし、以前も書いたのですが、
相互信頼と追求心のベースは、違うアイデアに寛容な「謙虚さ」
謙虚ということは、自分以外にもいいアイデアがあるということを素直に認めることです。あるいは、人の話も謙虚に聞こうということは新しい、違うアイデアに寛容である、オープンである。だから、新しいものをクリエイトしていく創造性が出てくる。
といったのも小林陽太郎です。
経営者には珍しく?傾聴するすることができる人です。
本書では、富士フイルムの古森社長と自身を比較したコメントがありました。
古森さんは非常に個性の強い方だと思います。でも、物事を決めるまでは、相当緻密に考えられている。そして、実行の段階では、強く表に出すし、揺るがせにすることもありません。僕の場合は、わりといろんな人の意見を生かして、決めていくスタイルです。バチッと決めて、バチッとやっていく手法とは違う。何回も言うようだけれど、お祭り騒ぎ的に周りを乗せてやっていくのが、富士ゼロックスだったから
これは、二人の違いが良く表れていると思います。
★★★
本書では、TQCの話がかなり多く語られています。朝香先生と土屋、小林の会話とか。
半分くらいは伝え聞いていましたが、半分くらいは知らない話でまぁ面白かったです。
(といっても週刊誌的な面白さであり、評伝というかんじではありませんでしたが)
小林、宮原、坂本、有馬、山本と続く社長たちが何を考えてきたかについてざっくり分かるという意味で、FX社員は読んでも損はないかと思います。
ただ、小林陽太郎の生き方から何かを学ぼうとするにはちょっと掘り下げが浅いかなと思いました。
投稿元:
レビューを見る
「小林陽太郎氏に関する本」というより、ほとんど「富士ゼロックスに関するの本」だった。
ゼロックス関係者以外の人が読んで、どこまで面白いと思えるのかは疑問だけど、個人的には面白かった。
(経営層から見た)富士ゼロックス誕生から現在までがわかる。
経営層が考えることはなかなか現場の社員まで届かないものなので、経営層目線で書かれたこういう本があることは現場で働く平社員としては有難い。
---
メモ:
P257
プロダクト・アウトからマーケット・インへ。更にはソサエティ・インへ。
ゼロックスの複写機の誕生もソサエティ・インだ。
カーボン用紙を使って手書きで複写するという辛い労働から人間を解放させた。
占有されてた情報を共有できるようにした。(情報の民主化)
投稿元:
レビューを見る
単純に、小林陽太郎氏と直接会話をして経営哲学に触れたことが大切な財産になっている事実を再確認できました。
素晴らしい経営者の旬な時期に出会えた事に感謝します。
私の様な者では、アスペン研究所のセミナーに参加する機会は無いと思いますが、リベラル・アーツを大切にして、社外の様々な人との対話を大切にしたいと思います。
「利益は、人間にとっての健康みたいなものです。健康はとっても大事ですが、健康が人生の目的ではない。人は、健康で何かをやりたい。つまり、健康は、人生の目的を達成するために必要なもの、手段だと思います。利益は、会社にとっての健康みたいなものです。とても大切なものではあるが、それが最終目的ではない。個々の人間にそれぞれの人生の目的があるように、個々の企業にもそれぞれの目的があり、社会への役立ち方いろいろだと思います。」
心に響きました。
投稿元:
レビューを見る
経営者を目指す自分にとって何か糧になるものはないかという問題意識のもと読むことにした。
迫力ある面構え、高学歴、スポーツマン、国際派という姿からカリスマ的な経営者と思いきや、筆者はこれを否定する。ぐいぐい引っ張るタイプでなく、積極的に部下へ仕事を任せ、謙虚に下位の者の意見に耳を傾ける、どちらかというと日本的な経営者像が描かれている。あえて性善説でいこうなど、坊ちゃん的と言えばそれまでだが、考えに考えた結果、経営者に求められる一番の資質は正直さであり、これが信頼につながるという一貫的な姿勢だからこそ多くの人が惚れたのだろう。ほんの数行だが、リーダーは自分から挨拶する人とあった。至言だと思う。もう少し抽象的に表現すると自分から歩み寄る人がリーダーなのだろう。私に置き換えて言えば、社内では比較的それができているが社外ではどうだろうか。まだまだ内弁慶な気がする。また新しいものを生み出すにはより社外に目を向けることが必須なのだから今から心がけていく必要があるだろう。
会社体質を変えるためにTQCなどが話題にあがっていたがその本質は、トップ自らが積極的に関わること、そして部門間を繋げることにあるのだろう。ゴーン氏のクロスファンクショナルのアプローチと重なった。
企業経営者が企業においてあるていどの役目を果たすと国政に関わっていくのは、国から求められたのが一番の理由と思うが国を良くしたいという大局観が生まれるからだろうか。もちろん、その背景には企業のプレゼンスが上がったり、国が良くなれば利益も向上しやすくなるという思惑も強くあるからだろうが。
投稿元:
レビューを見る
財界・経済界での知名度が高い。英語が上手く社員からも一目を置かれる存在を感じる。働く人達を主に据えた変革を行っていた様子が思い浮かぶ一冊である。
投稿元:
レビューを見る
今では当たり前となっている働き方を30年前くらいから提唱している名経営者。過去の経営を時系列で回顧しているもので良い面も悪い面も正直に書かれている印象。ご本人の語り以上に周りの関連者こらの言葉が多く、特に後半の経営を後任に譲ってからは富士ゼロックスそのものの話ごメインとなっている点はそこじゃない感が残った。