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浮世絵=芸術という見方をしてしまいがちだけれど、版元と絵師、彫氏、摺氏の連携で感性される商業であるという側面に改めて気づかせてもらえる1冊。眺めているだけで楽しい。
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私は景色ばかりが好きなのだが、よく知らなかった歌川国芳のくじらさんとどくろさんがじっくり観られて良かった。広重の近江や冬鴨もあるし、個人的には司馬江漢のコンパスが観られたのがうれしい!ウエイト版みたいでモロ好み!
…とまあ好き好きは置いといて、浮世絵の見方をハードソフト双方でわかりやすく解説してくれる本です。
嗚呼、本物が観に行きたい。
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浮世絵とは何か、発祥と変遷、1枚の作品に対し詳細な背景を記す。版元の資料も。浮世絵の見方として1枚に盛り込まれている作者、版元の見方、また実際の摺り方を説明。
メモ
1枚の絵には、題名、シリーズ題名、絵師名、版元印、検閲印、など。また狂歌なども摺ってある場合は狂歌とその狂歌師名などが刷り込まれている。
誰が、何を、いつ頃、何のために、どんな風に描いたのか、を絵から読み解くとより深く鑑賞できる。
<浮世絵は版元が作る注文作品である>
・江戸時代の浮世絵、浮世絵師は現代のような芸術ではない。版元が何を描くかを決定し、それを絵師、彫師、摺師に注文する。この三者は制作に携わる職人である。
錦絵が開発されて間もない明和5年1768に勝川春章は画期的な役者絵を発表。似顔訳者絵はスターのブロマイド。
美人画は絵師の理想の美人像
検閲制度は感性3年1791に始まった。
著者の松井英男氏は1930生まれのお医者さん。杏林大学医学部教授を退官後、1998年小石川に浮世絵美術館を開く。2013年12月亡。美術館は閉館。
2012.8.30発行 図書館