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≪目次≫
序章 若者を取り巻く状況は深刻だ
第1章 偏差値より怖い就職差別
第2章 「コミュニケーション能力」がないと就職できない?
第3章 「グローバルな人材」になれないと生き残れない?
第4章 まじめに講義に出れば就職できる?
第5章 「大卒無職」にならないための大学選び
第6章 大学には行っちゃった君が、生き残る方法
第7章 我が子が22歳で路頭に迷わないための親の生き方
≪内容≫
大学研究家による今の大学生の様子とそうした中での就職に向けての心構え、また大学の中でそうした状況に対応している学校の例(著者は、全国の大学を回り、実態を見てきている)などが書かれている。
≪備忘録≫
○就職意欲がない学生の多くは、推薦入試、AO入試などで入学している。 彼らは「勉強を嫌がり、早く大学に合格したいため、勉強しなくても入れる レベルの低い大学の「内定」を早く取りたがる高校生である。
○「今のマクドナルドの店員は、おばちゃんが目立っている。それは、若い 人が時間を守らず、すぐ遅刻・早退・無断欠勤をし、責任を感じていない ので、見た目で若いアルバイトを雇うよりも、おばちゃんのほうがきちんと 働くから採用する。
○無名大学生が就活で失敗しているのは「自分で何とか知る力」がないか らである。これは、「地頭の差だけでなく、効率的に勉強する、最適解を 迅速につかむ 力に優れている」からである。それは、大学入学後にさら に開く。
○だめな学生のタイプは、「異なる世代・異なる価値観との接触が少ない。 学生時代に力を注いだことがあまりない。自身で問い続けて答えを出す のではなく、依存する傾向。」(明治大学の就職キャリア支援部による)
○スチューデント・イノベーション・カレッジ(Sカレ)は、実際に企業と一緒に 商品開発をする授業(ではなく、イベント的なものだが)。流通科学大、同 志社大、法政大、明治大など17大学25ゼミがやっている。参加は、おも に商学部、経営学部のゼミの3年生。
○都立戸山高校は、文理分けをしない。理由は、国立大志向のためと同時 に、多様な進路やバランスの取れた人材育成を目的としている。1,2年 生は、自習時間1日3時間を目標としている(部活後も夜8時まで校内で 自習している)。
○リベラルアーツ=教養
○関西大学の「それいけ関大生」という授業…学生が企画提案する授業 で、科目提案学生委員会が立ち上げ、異なる学部・学年の集合体として の授業である。内容は、1.ゲスト講師の講演 2.グループディスカッショ ン 3.全体討論とまとめ の繰り返しで半期15回の授業。
○甲南大学の「基礎リテラシー」という授業。2か月×3ステージで作られて いる。最初の2か月は、読む・書く・議論するの基礎能力の育成。次の2 か月は、各クラス6チームに分け、テーマごとのプレゼン。準備後、最後 の2週間で発表するが、各クラスの1チームが必ず他のクラスでプレゼン をする。残りは、他のクラスのプレゼンを聴く(他流試合で新鮮味を出す 仕組み)。最後にクラス代表を選出し、プレゼンテー��ョン大会を実施。
○大学の偏差値と学生の「行動格差」が比例している。…著者の講演後に 連絡があるのは偏差値の高い大学の学生が多い。→就職がうまくいか ない学生に共通しているのが、楽なほうに逃げる癖が付いている。
○自分で問題を発見する、質問する力をつけるにはどうしたらいいか→大 学の講義で、毎回授業で必ず質問すること。
○企業が求める「コミュニケーション能力」は、「相手の気持ちを察する力」
○企業の求める「課題解決能力」は、問題・課題の発見→解決→将来活用 の能力。つまり、目的意識が明確か。なので、1.働くとはどういうことか 2.当社を希望した理由は明確か(同業他社との比較) 3.入社希望者 の中で、なぜ自分でなければならないのか?(自己PR) 4.自分が入社 したら、企業はどう変わるのか?(やりがいや夢の実現)
○核となる正社員の3つのC(中央大山田昌弘教授)…クリエーティブ(新し いもの創造してみせるという気概→教養を高めることから始まる)・コミュ ニケーション(嫌な人とでも仲よくする力であり、人が何をしてもらいたい のか察知する力)・クール(何が良いか、何か違うと思うものを見分ける 力)
○就活の前に、普段の勉強で身に付く、社会に出てから活躍す力を確実に 身につけること。熟考して進路を選択する。
○しっかり教育する大学を見分けるには…大学内で授業の空き時間を過ご せる場所が充実しているか。または課外授業が充実してるか。
○大学図書館に「ラーニング・コモンズ」(しゃべれる図書館)がある。
○丸の内朝大学と慶応MCC、立教セカンドステージ大学…勉強もそうだが、課外活動が充実している(させている)。
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チームでプロジェクトに取り組んでいると、学生たちは失敗しても仲間同士で支えあい、励ましあって立ちあがってくる。=「コミュニケーション能力」の本質。社会のほとんどの職業はサービス業、自分は常に他者に見られているし、他者からの評価が自分の評価になる。人脈とは「してもらう人」ではなく、「してあげる人」のこと 。共感。
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大学研究家による、大学・大学生の実態についての解説本。
グローバル人材と社会人基礎力についての見解は、興味深い。
社会人基礎力とは会社でこき使われるための能力でしかなく、それをこき使うために育成されているのがグローバル人材であるという考え方である。
学生よりは、保護者や高校教員向けの本。
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日本中の大学を見てきた大学研究家が語る大学の今の姿が紹介されている。
今年大学生になった人もこれから就活が待っている学生も、
受験勉強に励んでいる高校生も、保護者も、
大学関係者も読んでほしい一冊。
社会人は、大学がいかに多様な存在になったかに気付けると思う。
また、これから大学で頑張ろうと思っている人には是非読んでほしい。
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ややふざけた感じの題名から内容には期待せず、軽い読み物のつもりで読んだのだが、中身はまっとうな主張ばかりだった。今後の大学のあり方を考えるうえでも参考になる。
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ただの就活本かと思いきや、後半に日本の個々の大学の教育としての差別化戦略が記載されてた。就活の話よりそっちの方が面白かった(^_^;)
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普段から著者の山内太地氏が言っていることをまとめた集大成のようなもの.
それだけに目新しい発見はあまり無いが,普段の彼を知らない大学関係者には大きな刺激となるだろう.
中途半端な大学は生き残れないし,無理して生き残ろうとすることは社会に対する背信であるということを更に再認識した.
やはり大学の数をある程度の強制力を持って減らさないといけないのだろうな.自然淘汰を待っていられない.
もしそうなったらどこで給料を貰えばよいのかという個人的には切実な問題もあるのだが,現状の問題は多くの大学関係者がそこを優先するから解決しないのだろうな.
非常に難しい問題だが・・・
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p.99 ここで重要なことは、真の国際化、グローバル化というのは、英語ができてビジネスがバリバリできるということだけでなく、異なる価値観を認め、他者と理解し合える関係が築けるということです。これは、本書でこれまで語ってきた、コミュニケーション力や就職の話とも無関係ではありません。
p.150 楽な法に逃げる癖がついていないか
「うまくいかないタイプの大学生に共通しているのは、楽な法に逃げる癖が付いていることです。」
「私が常々不思議で仕方がないのは、なぜか偏差値に比例して学生の「行動力格差」があることです。」
p.152 もし危機感を覚えたら、付き合う人間を変える
「もし、自分の人間関係を見直したときに、「これではダメだ」と思ったならば、意識的に付き合う人を変えてみましょう。それだけで見える世界が変わってくるはずです。」
p.161 一人でまじめにやっている君へ
略
2.「自分が偉い」「自分はダメだ」と思わないこと
3.人脈とは、「してもらう人」ではなく、「してあげる人」のこと
4.自分を否定するつらさと、乗り越えなくてはいけない壁
5.困っている時は、人を頼っていい
略