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部活に打ち込んでいる学生が読むと良いかも。
うん、うん、わかってる。
…という気持ちでしか読めなかった。
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世の中は理不尽なことばかりである。それを嘆く人は、理不尽は無くて然るべしだと思っている人だが、そうだろうか。もともと自然界は人間が整理できる理屈で成り立っておらず、世の中は矛盾だらけの人間が作り上げたもの。理不尽はあって然るべきである。であれば、「理不尽との付き合い方」を身につけることは、豊かな人生を送る上で非常に重要に鍵となるのではないか。理不尽な状況を「おもろい」と捉えられるかどうか。具体的には、誰もが諦める理不尽な状況が訪れたとき、それを乗り越える(生き抜く)方法は無いか、冷静かつ客観的に、仲間と情報交換しながら、上下左右いろんな角度から眺め、考え、闘志をもって臨むこと。人は結末がわかっている物語を「おもろい」と思わない。どうなるかわからないからこそ、理不尽で不確実な未来だからこそ、楽しむことができる。理不尽な状況を乗り越えた(生き抜いた)後、日本はどんな国になっているか、社会は、自分はどうなっているか。世の中が理屈で成り立っていないということは、何がどうなるかわからないということでもある。今やれることを全力でやれば、神様がご褒美をくれる、そういうことだってある。
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理不尽は矛盾を抱えた人間が社会を構成している限り、いくら排除しようと完全には無くならない。
まずは、「世の中に理不尽はつきものである」ことを認め、現実を受け入れる。
生きていく限り、いやでも理不尽な状況に直面しなければならないのなら、その状況をなんとかして乗り越える強さを持つ。
さらに、理不尽な状況をマイナスと捉えるのではなく、プラスに転化していく方法を探る。
要は自分の捉え方次第。
理不尽を理不尽だと思わない人間がいちばん強い。
ラグビーの世界に長年身を置いてきた著者だからこそ伝えられる内容だと感じた。
体育会系すぎる気もするし、全てが理解できるわけではないけれど。
また、立場や置かれている環境が変わったら読んでみたい本。
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説教臭いと思われるかもしれないけれど、平尾誠二はこれでいい。特定の時代に苦悩して体現したことが、無駄なわけがない。そのように思いながら読むんです。
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本書を読んでまず思ったことは、著者平尾誠二はとてもタフな人だということ。
過去に経験した「理不尽」が彼をタフにしたのかもしれないが、このタフさ加減はそうそう真似ることはできないのではないだろうか。
スポ魂を嫌う著者ではあるが、実は著者の中にもそれに近いものがあるようにも思う。
「いい時は悲観的、悪い時は楽観的」という考え方はとても素晴らしいと思った。
物事がスムーズに進んでいる時は、自分が思うより自己評価をちょっと低く見積もり、逆に、うまくいかずに気持ちが落ち込んだ時は若干高く評価するのだ。(p46)
これはスポーツの世界では勿論のこと、一般的な仕事にもあてはまるだろう。
調子のいい時は謙虚に、悪い時は奮起するために、気持ちのコントロールをするのだ。
著者自身、謙虚な人だったのだろうと思う、理不尽の原因を外に求めないという姿勢もその表れだろう。
最後の最後に「理不尽を理不尽だと思わない人間が、やっぱりいちばん強いのだ」という一文がある。
そこまで到達するのは至難の業だが、少しでもそのようになれるよう本書で学んだことを活かしたい。
実際に理不尽な状況にある最中に読んだら、より意義のある内容だったと思う。
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理不尽なことが少なくなったいま、よく恵まれていると言われるけれど、一方で、いままではあった成長の機会が減ってしまっている。その分、ぶつかる理不尽から逃げず、成長の機会を自分で掴みにいきたいと感じた。
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・平尾さんの熱を感じられる一冊。
・人によっては刺さらないかもしれないなぁ(笑)と思う、私は好きです。
・これまで理不尽だと思ったことってなんだろうと思い返すきっかけになった。
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平尾誠二さんが亡くなられて、もう5年。53歳という若さで亡くなられたことが本当に残念です。私より4歳年下。伏見工業高校で日本一。同志社大学で日本一。神戸製鋼で日本一。そして日本代表監督。本当にラグビーエリートです。ミスターラグビーと呼んでいい方だと確信しています。30年以上前に一度だけ梅田で、お見かけしたことがあります。カッコ良かった。オーラが凄かった。彼が存命であれば、日本のスポーツ界に大きな影響を与えていることは明らかです。前置きが長くなりすぎました、本の内容は、生きていく限り理不尽を避けて通れない。理不尽であることを認めて、自分の考えを変えることが大事なことである。理不尽を乗り越えることにより、新たな世界が見えて強くなれると言うことが書かれていると私は理解しています。作品とは関係ありませんが、ノーベル賞受賞者の山中伸弥先生との友情も感動的です。長くなりました。彼に対する思い入れが強すぎたように思います。
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事例はとても極端で、かなりタフな人でないと耐えられないと思うし、さすが日本を代表するラグビー選手のレベルの話だな…という感じなのですが、本質は合意。
世の中理不尽なことは多かれ少なかれあるので、滅菌状態で暮らすのは望ましくないと思う。
ただし、どれくらいの負荷を耐えられるかは持って生まれた資質もあるので、人を育てる立場の人間はその資質の見極めをして負荷をかけていかないと潰れる人も居ると思うので注意が必要。
そのほかにも平尾さんの考えが随所に散りばめられていて、確かにそうだよなぁと納得する部分が多かった。
例えば、複数の物差しを持って自分や他人を評価することの重要性や、データだけではなくおもしろさも軸に置くということなど。
全てが同意見ではなくとも、部分的に学べるところを探したり、抽象化して実はこんなことが言いたかったのではないかと理解することは読書においてとても大事なことと感じます。
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理不尽な体験をすることは決して無駄にはならない。
この世の中は決して公平でも公正でもない。フェアではない。
大切なのは、そんな境遇にあっても、いつも自分の夢を持ち続け、なんとかして理不尽な状況に打ち勝って夢を実現しようとすること、理想の人生にできる限り近づこうと努力すること。その過程に、生きることの醍醐味というか喜びもある。
人間は無力であり、現状を受け入れるしかないということ、そのうえで気持ちを切り替えるしかない。過ぎ去った時間は戻らない。どんなにつらくても、現状を受け入れ、気持ちを切り替えて次に向かうしかない。状況を変えるには自分が変わるしか、自分自身で変えていくしかない。
あることをあきらめて、別の道や可能性を探すことは決して悪いことではない。でもたいがいの場合、また同じことを繰り返すのではないだろうか。どんなところにいっても、多かれ少なかれ理不尽な目に遭わされる。そこに人間が介在する限り、絶対に矛盾が生じるから。
野球じゃなくてラグビーを選んだ。その理不尽さにおもしろさを感じた。というのは後付けの理由で、当時はそこまで冷静に考えていたわけではない。本能的に感じとった。
サッカーは点を取るゲームなのに、手を使えない。理不尽。だからこそ、そのルールによってゲームとしてすごく面白くなっているし、ダイナミックにもなっている。もしかしたら、自分の人生も同じかもしれない。この理不尽さ、今の状況は、人生をより楽しくするためのものなのかもしれない。
ある選手が伸びるか伸びないか、それを見分ける時、私は次のことを一つの大きな判断材料としている。うまくいかなかったとき、その原因をひとのせいにするかどうか。人の責任にする選手は、どんなに才能を持っていたとしても、それ以上は伸びない。自分の責任を放棄しないで、どうすればそれを克服できるかを考える。
たとえ理不尽に見える状況であっても、自分にベクトルを向ければ、もしかしたら成長するチャンスかも。やりたい方向に近いことが全てできなくなるわけじゃない。そこでできることをどうやったら大きくできるか。それを考える。
他人に責任転嫁しようとしてないか?といったん落ち着くには?自分を客観視する。今は自分が人の話を聞こうと着てないな、とか。客観視するには?物事を多面的に見ること。そのためには好奇心。物事や問題の本質や実像を掴もうとすること。
笑顔は意外と重要だ。運と愛嬌、素直さ。人との関係性の構築のしやすさ。関係が深まる。笑顔を見せてくれた相手に対して、人はもう一言言葉を重ねる。それだけ話に厚みと深みが加わって、相手の理解度も深まる。互いの距離も自然と縮まる。
周りがだらけている。楽な方向に流されている。そんなときはどうする?周りが文句を言えないくらいのことを自分がする。実際の行動と態度で示す。他の人が認めざるを得ないパフォーマンスをする。
折り合いをつける。自分のしたいこと100%はやらせてもらえないかもしれないけど、ある程度はやらせて貰える、そこで折り合いをつける。
ここで突っ張っても仕方ないな、と思ったら、周りの空気を��みながら、状況に合わせて思考を展開していく。それならこれはどうだ、それならこれは、と状況を見ながら柔軟に変える。でも、信念のところは変わらない。
道を拓くためのいちばん大きな力となるのは、「なんとかなるさ」という精神。
あまり細かくプレーを決めずに、状況を見ながらここぞという場面でたくさんのオプションの中から最前と思われるプレーを選択するほうが、良い結果をもたらすことが多い。これしかない、と思い込んでいると、間違った時に修正するのが難しくなってしまう。後戻りもしにくくなる。なんとかなる、と思っていた方が、失敗してもショックもダメージも少ないし、すぐに気を取り直して別の選択ができる。
なんとかなるさ、は楽しいことに出会う可能性も高くなる。
戦略的なゲームメイクばかりしていると、それ以上伸びない。新たな力、可能性を引き出すことはできない。それまで勝ち負けだった価値基準に、おもしろいか、おもしろくないかという視点が加わったことで大きく飛躍した。
理不尽な仕打ちが、日本代表の闘争心に火をつけた。ワールドカップ前の国際試合で四連敗した時には選手たちも盛大に叩かれた。けれどこれが選手の闘争心に火をつけた。このままでは終われない。
あまりに外部から理不尽に圧力をかけられたことが、大きなブラックパワーを産むとともに、横の連帯を強める。
社会というものは、世の中というものは、そういうふうにできている。理不尽にできている。だとしたら、問題はおれのほうにある。おれのキャパシティが非常に小さいんだ。世の中に理不尽はつきものであると認め、現実を受け入れること。そもそま世の中はそういうもの。
「理不尽に勝て」世の中は理不尽を解消しようという方向に向かっている。理不尽をいわば病原菌とみなし、「無菌状態」におこうとしている。でも理不尽はいくら排除しようとしても、完全には無くならない。もともと矛盾を孕んだ人間で世の中が構成されている限り、絶対に無くならない。
若い人や子どもが人間として間違っていることをしていると映ったり、こうしなければいけないと感じた時には、理屈抜きに叱ったり、無理やりやらせることも時折必要だ。実際、そうやって鍛えられる部分は実に多い。
基本は、仕事のこととかは、理不尽なんだから笑って流そう。ただ、大切な人が人としてどうなんだという問題に巻き込まれている時は、怒るようになりたい。
親として私は、自分の子どもに対してこう考えている。人様に迷惑さえかけなければいい。
あとは、願わくば自分がやりたいことを見つけ、その実現に対して一生懸命努力できるようであれば、そしえ明日が来るのを楽しみに待てるようであれば、何もいうことはない。
自分の期待に応えられなかったと子どもに失望しているなら、どんなに自分が愛情を注いでいると信じていても、それは愛情ではない。自分本位の勝手な感情であり、エゴと呼ぶしかない。いい学校に行けなかった。大企業に入れなかったからと嘆くのは、いい成績と大きな会社を愛しているだけ。
最近の若者は、勝利への意欲がないと言われるが、スイッチが入っていないだけ。理不尽な状況を用意することで、眠っている遺伝子にスイッチが入り、もう一度本能を呼び覚ますことができる。
楕円形のラグビーボール。どっちに転ぶかわからない。楕円の方が面白いから。何が起こるかわからない。そういう予測不可能性が、よりゲームをエキサイティングに面白くしてくれる。何が起こるかわからないから、不確実だから人はワクワクする。理不尽を理不尽だと思わない人間が、いちばん強い。
虚心平気かな。
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~闘い、乗り越え、強くなる~
「お前たち、水飲むな!」
と、ラグビー部の先輩の怒号が高校のグランドに響く。
「罰として、あとグランド3周!走れ、走れ!」
僕達は、渋々走り出す。罰とは、先輩に挨拶がない(気づかなかっただけ…)、練習に遅刻した(補習が延びただけ…)、気合が足りない(先輩の機嫌が悪いだけ…)等々の理由で、僕達は日々走っていた。今となれば信じ難いことだが、練習中の「水を飲むな」「罰として鍛える」は昭和のスポーツ界の定番だった。
「よっしゃ!走ろう!」
僕達は再び走りだすが、交代で隠れてトイレに行って水を飲んでいた(笑)。
こうやって高校の3年間ラグビーボールを追いかけた。
そもそも、ラグビーは理不尽極まりないスポーツの最たるものである。15人対15人で戦う陣取り合戦でボールを相手のゴール内に置けば「トライ」となり得点をもらう。しかし、ボールを前にパスしてはいけないという理不尽なルールがある。サッカーやバスケットは、ボールを前にパスして陣地を攻める。
だが、ラグビーはボールを後ろに投げながら前に進むという、わざわざ面倒なことをさせる。さらに、ボールが丸くない。楕円形なのだ。どこに転がるかわかからない。自分の方に転がれば幸運、相手に転がれば不運。やっぱり、理不尽。
しかし、「理不尽だからおもしろい」と、本書の著者・平尾誠二は逆説的に語っている。
彼は、日本で最も有名なラグビー選手と言っても過言ではない。伏見工業高校で花園ラグビー大会優勝、同志社で大学選手権三連覇、神戸製鋼で7年連続日本一。その後、日本代表の監督も務めた。ラグビー界のスーパースターで、ラガーマンであるノーベル賞学者の山中伸弥博士も彼を尊敬し、親交があったのは有名な話だ。同世代の僕達もずっと彼の後ろ姿を追っていたが、残念ながら53歳で鬼籍に。
平尾曰く、人間は理不尽を背負って生まれてくる。人は平等に生まれてこない。生まれてくる国や親は選べない。天賦の才能に恵まれるのは一握り。生きてゆく上でふりかかる理不尽な出来事はいくらでもある。だからと言って、僕達は、理不尽を嘆き、一生愚痴を言って生きるべきではないと、平尾は本書で熱く語っている。理不尽を経験すればするほど人は強くなり、理不尽を乗り越えたところに人生の喜びがある、と。
「やっぱ、平尾、かっこいい!」と、本書を繰り返し読み勇気づけられ僕達は、ラガーマンの端くれとして生きてきた。僕は医療分野、チームメイトは金融業、小売業、交通産業等のそれぞれの業界で理不尽と闘いながら頑張ってきた。
今年、僕達はラグビーワールドカップで日本代表を応援している。僕達とは高校時代のチームメイト4人。積立貯金をして還暦修学旅行と銘打って、フランスで日本代表を応援する。もちろん赤と白の縞のラグビージャージと、本書をスーツケースに入れてゆく。平尾誠二の熱い魂と共に応援したい。
「走れ、前へ、ジャパン!」
(※以上は2023年9月24日掲載の長崎新聞記事「この本読んでみた!」を再編集したものです。)
【追伸】スタジアムの多くのフランスの人たちは、胸に桜のエンブレル(ラグビー日本代表「BRAVE BLOSSOMS」)のユニフォーム着て応援してくれた。イングランドに惜敗したけど、これからも応援してゆきたい。
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TVで実話化された平尾さんのドラマを見た。
平尾さんの事は名前と顔を知ってる程度で、私はiPS細胞の山中先生ファンなので、それを目当てに見たのである。
ドラマで病魔に侵された平尾さんが「理不尽を楽しめ」と言った。その言葉に、私は凄く心を揺さぶられた。
本書でも書かれているが、世の中は理不尽で溢れているし、世の中はフェアではない。でも、それを嘆いていても仕方がない。凄く説得力のある言葉だ。
前向きな平尾さんの言葉に元気をもらった。
天国の平尾さんありがとう‼️