紙の本
の作品が児童用文庫で出版される意味ー子どもに作品のタイムカプセルを埋めること。
2010/10/09 22:44
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:プラチナ若葉 - この投稿者のレビュー一覧を見る
近年、人気のある作品はメディアの壁を易々と超えて、映画に、コミックに、アニメになり幅広くファンを取り込むことに成功しているものもたくさんある。
この作品もそのようなものの一つとしてアニメやコミックになり、児童書ではなかったこの作品がはじめて世に出た時に目指したものよりも若干低めの年齢層をとりこんでいるように思う。なので青い鳥文庫という児童向けの文庫として出版されたのは当然の流れだと思う。
今小学校高学年の子どもたちに
「『獣の奏者』っていう本は知ってる?」と聞けば
「エリンがでてくるものでしょう?」と即答されることも多い。
子どもたちの目につくところにこの本を置くと関心度が高く、実に気軽に子どもたちはこの本を手に取り、アニメと重ね合わせて読むことができる。
子どもから見ればこの本のストーリーは“不幸な事件で母を亡くした女の子の成功と冒険の物語”であり、それなりに心に残ることだろう。
ちょっと本を読める子どもの心をこの波乱万丈の女の子の物語は掴んでしまう魅力がある。
しかし、大人の目で読めばこの作品は、ただ女の子の物語なのではなく、ファンタジーという形をとりながら、実に現実の世界の不条理や課題を織り込んでいるということはすぐに気付くであろう。
つまりこの作品は自分の成熟度や社会とのかかわりによって感じ方が幾重にも変わる、一つの作品で二度も三度もおいしい作品なのである。
難しい言い回しに解説がつき、漢字にもルビが付いている青い鳥文庫版のこの本をアニメやコミックなどがきっかけで手に取った子どもたちは比較的容易に読みこなすことができる。そしてその子たちがやがて大人になり、懐かしさからこの作品の大人向けの文庫やハードカバーを手にとって読んだ時、子どものころには気がつかなかった伏線をたくさん発見し、作品の奥深さと込められた意味に気付き、読書というものの奥深さを感じるに違いない。
この作品が青い鳥文庫として出版されたのはエリンの少女時代である「王獣編」までである。今これを青い鳥文庫で読んだ子どもたちはすっかり完結編まで読んだと思いこんでしまうかもしれない。しかしこの作品には実は続きがあり、大人として生きるエリンの作品があることを知れば、大人になったエリンと再会できたことを喜び、よりエリンに共感を抱くに違いない。
大人のエリンはけっして幸福になったわけではないが、自分の信念を貫き、新しい時代の種をまいている。
私はこの本を読んだ子どもたちが、作者がこの作品に込めた世界観や大人になった主人公と再会をする喜びをいつか味わう日が来ることをこっそり想像しながら青い鳥文庫のこの作品を子どもたちに薦めたい。
子どもたちが大人になってこの作品に再会し、主人公のその後をたどったとしてもけっして失望することがないという確信が得られるだけのクオリティーの高さがこの作品にはある。そして、作品に込められた意味は時がたっても色褪せることはない、と思っているからである。
紙の本
異世界なのに違和感を持たせない物語
2017/05/13 06:22
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投稿者:ちょこsweets - この投稿者のレビュー一覧を見る
想像以上に面白くて驚きました!
動物が好きで、ファンタジーも好きな方には、特にお勧めしたいです。
(自分がそうだったので…)
異世界で、時代も違う物語ですが、違和感なくその世界に引き込まれました。
紙の本
おもしろい
2016/05/19 18:11
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:のん - この投稿者のレビュー一覧を見る
子供用だと思っていましたが、いい年こいて一生懸命夢中で読んでしまいました。
以前テレビアニメで見たことがあり、懐かしかったです。
子供のリクエストでしたが、早く続きも読みたいです。
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娘が欲しいといったので、購入。
私はどうせならハードカバーにすれば?とたずねたが、娘曰くこの軽さがいいんだそうだ。
青い鳥文庫は、学校に持っていくにも、寝転んで読むにもちょうどいいそうです。
あんまり一杯字が詰まって重い本は、抵抗があるみたい。
私も娘を遊びに連れて行く途中の電車の中でカバーをして読みました。
スグ読み終わっちゃいました。次が早く読みたくなる長さですね。
そういえば娘も購入すると帰ってスグ読み始めて晩御飯までには読み終わったといってましたね。
この長さが絶妙なのかも。
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上橋菜穂子さんの本で、いちばん大好きなのは『狐笛のかなた』だけど、それはやっぱりかわんないけど、2番目に大好きな本♪になりそう。
この広大な物語世界に、ただ、ただ魅了されます。
哀しい(と、ひとことで言ってはいけないくらいの)過去をもつエリンの、まっすぐに生きる姿。
10歳の女の子・エリンが……。母を亡くした、それも目の前で。なのに、懸命に考え、涙をこらえることを選んだシーンが忘れられない。
わたしは、いったい、なにやってんだろ……。
自分のよわっちさが、はずかしくなる……。
ひとと、ひとならざるもの。その間にながれるもの。
畏怖、そして哀しみ。
ひとに、(卑怯な手で)組み伏せられる(?)獣の哀しみ。
でも、その哀しみを感じとり、よりそおうとするひと(子ども)もいる。
だから、上橋さんの本は読んでいて、ずんっと胸にひびいてくるんだと思う。
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守り人シリーズから読んでいる上橋さんですが、この作品は何かとあっさりしていて物足りなく思いました。
できれば、大人版で2000ページぐらいのが再版になればなぁ。。
という感じでした。
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アニメにもなったファンタジー小説の青い鳥文庫版、1冊目です。
挿絵がたくさんあり、全ての漢字にふりがなが振ってあるので、かつて挫折した人もこちらなら読めるかも。
子供向けではありますが活字サイズは普通の小説と同じなので、カバーをかけたら人前でも恥ずかしくありません。
架空の動物を育てる母子の話ですが、人種差別や戦争など人間の業にも深く触れており、大人が読んでも考えさせられる名作です。
主人公エリンがジョウンの仕事を手伝う下りは、アルプスの少女ハイジを彷彿とさせ、「こんな風に暮らしてみたい!」とワクワクしました。
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この人の作る世界はすきだ
大昔の日本の空気の感じがする
その中のでのいろいろな人のいとなみ
主人公はアウトサイダーになりがちだけど、他の人も、ちゃんと感情があって生きている気がする
人以外の生き物も、空気も生きている
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次女の大好きなエリンの本が学校の図書館で借りれるようになって
一気読みでした〜
次は、母が読んでおります単行本を読むらしいです。
少しだけ内容が違うのかな!?
1〜4巻とも★★★★★だそうです
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子供の為に買ったのだけど、自分も一緒になって一気読み。引き込まれる内容で、読みやすく、面白い。単行本も機会があれば読んでみたい。
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お試しで児童書からスタートしてみました(原作すげー分厚いからしり込みした)
チャングムっぽいです。
色々な知識が得られる点や、小さい子が一生懸命乗り越えていく姿だとか、隠されている謎だとか。
日本人が読みやすいファンタジーだと思います。
アニメになったそうで、それも納得。
児童書版だとすいすい読めた。
各巻構成になってるから達成感もあるし、難しいことばの説明もあって
子どもから大人まで好まれると思う。
ただし原作の装丁といい厚みといい、とっつきは悪いから児童書として出てるのはすごくいいと思う。
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守り人シリーズから上橋先生のファンなのですが、このお話の存在はNHKのアニメで知ったという…
正しいことを正しいままに行うことの難しさ。
エリンの綺麗な緑色の瞳が、曇ることのない未来が待っていますように。
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以前から読みたかったので、休み中にと思い、手にとる。
いやはや、ファンタジー! ファンタジーこそ、今の私に必要だったのか!と。一気に①ー③まで読み終える。ファンタジーを作りたくなりました。
リョザ神王国を舞台に、運命に立ち向かい生きる少女・エリンの成長と戦いの記録。
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単行本で読みましたが、児童本を発見し読んでみると、挿絵と言葉の解説があり、とても読みやすかったです。
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精霊の守り人と同じ著者の作品。
アニメ化されているが、アニメは絵が好きになれず見ていない。
内容は闘蛇や王獣といった現実にはいない獣を戦争の道具として使っている世界でその獣を操る謎の民族と他の民族との混血として生まれた主人公の少女の過酷な運命を描いている。
この著者は子供向けに書いているようだが、主人公の運命が過酷過ぎるような、大人向けの印象を受ける。まだ序章でありこれからが本番だろう。続きがとても楽しみ。
精霊といいこの作品といい、世界感がよく考えられていてどこまで広がってゆくのか。この著者は凄い。