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…撃沈です。
不完全性定理に関する1931年のゲーデルの原論文を読みこなしていこうというストイックな本。これで一般向けなの??とっても難解でちょっと歯が立たなかった。
不完全性定理といっても,現在では原論文そのままではなく,論理学の進展を取り入れてもっと加工され洗練された形で教科書等に紹介されている。ただでさえ難解なこの定理をあえて原論文で読むというのだから相当に意欲的だ。著者も,年に十人くらいが完読してくれれば御の字としている。
不完全性定理には第一・第二の二つがある。算術を含む無矛盾な形式的体系には必ず決定不能な算術命題が存在する,すなわち数学の完全な公理化が不可能であること(第一)と,そのような体系の無矛盾性がその体系内では証明できないこと(第二)。原論文はこれを大変技巧的な方法で証明していく。
そのやり方は,体系内で論理式をうまく定義して,「自身が証明不可能である」という命題に対応するゲーデル文を構築するというもの。ゲーデル文が真ならば真なのに証明できない命題が存在することになるし,ゲーデル文が偽ならば偽なのに証明できる命題が存在することになるのでどちらも矛盾を来す。
よって,もし体系が無矛盾であれば,ゲーデル文は真とも偽とも決定不可能,ということがわかる。これが第一不完全性定理の証明の骨子になるのだが…。
そのゲーデル文をつくるための下準備が恐ろしく煩雑。時間をかけて何度も読み返したけど議論を追うことができなかった。論理式や証明を記号列,記号列の列として自然数(ゲーデル数)に変換し,くらいまではわかるのだけど,再帰的関数とか出てくるとその内容も必要性もちょっと理解を超えてしまった。
無念。数学ガールでも読みなおそうかな…。あれにはたしか完全ではなかったけれど不完全性定理の証明がかなり詳細に解説してあったような。
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原論文を読んだことは無かったので。元々は、かなり限定されたというか、教科書等で読むのに比べていびつ、不完全な内容だったことが解る。この辺りは、ガロア理論、ルベーグ積分等々と同じく、創始者のというか、創造的行為の限界を感じさせる様で面白い。使われている数学自体は、初歩的というより稚拙と言えるレベルの物なんだけど、統計学と同じく、難しさの本質は別の所にあるということだろう。暇つぶしに読み飛ばしたけど、アマゾンの書評にある様に、全く予備知識というか、数学的な訓練を経験していない人が読むのは難しいのかもしれない。まあ、チャレンジしてみて下さい。
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学生の頃に習ったのとは証明が違っているような,同じような?
論文を小分けにして説明してくれているので,分かりやすい