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ナレッジに置ける「場」の役割を理解しているものにとって、フューチャーセンターは分かり易い。衣食住を分けた先進国の現代病は、開かれた「場」に地域で集まり課題解決のための話し合いで変えていくしかない。住民説明会などは解決とは程遠い手段だ。
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・イノベーションを起こす為のプロジェクトにおける、あらゆる失敗の原因は「プロジェクトの提案プロセス」にある。この失敗パターンは「イノベーションを計画する」という矛盾にあふれた困難さに起因するもの。
「必ず成果は出るんだろうな?」と問われ「もちろんです」と答えてしまう、「儲かりますパラドックス」。ビジネス成果を目標に据えた瞬間に、「既存の価値観で新しいものを評価する」ゲームに絡めとられてしまう。
そこでそう問われたら「社会インパクトを出します、企業価値を高めます」と言い切る。
・合理的な人生を送っていればいるほど、近い領域の人ばかり付き合うようになる。社会的テーマを掲げて多様な人を集めようとしたとたんに、自らの人脈の狭さに愕然とする。できる限り多様なコミュニティに属すようにする。
・フューチャーセンター:組織を超えて、多様なステークホルダーが集まり、未来志向で対話し、関係性をつくる。そこから創発されたアイデアに従い、協調的なアクションを起こしていく。その為の「つねに開かれた場」がフューチャーセンター。
必要な要素はファシリテーター、方法論、空間、ホスピタリティ
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イノベーションを起こそうとするとき、一人で考えていてもなかなか難しいものです。同じ組織の中に閉じて議論をしていてもやはり難しい。しかし、多くの観点で、多くのつながりをつくり、その中での対話には全く新しい可能性がたくさん転がっています。それを実現する場がフューチャーセンター。このフューチャーセンターをどうやって作っていくか、そしてどうやって運用して形にしていくかがまとめられたのがこの「フューチャーセンターをつくろう」です。イノベーションに悩む個人も、企業も、そのほかの団体も、一つの突破口を見つけるためのヒントとして参考にすることをオススメします。
以下、要約と解釈です。
フューチャーセンターとは
フューチャーセンターは「未来の知的資本を生み出す場」であり、北欧が発祥となっています。名づけの親はナレッジマネジメントの分野で研究をしている、スウェーデンのレイフ・エドビンソン教授。いうなれば、ナレッジマネジメントの一つの仕掛としての「場」がフューチャーセンターなのです。野中郁次郎氏のSECIモデルを実践する「場」であり、
・人が対話し
・何かを表現し
・思いを結びつけ
・行動を起こす
「場」といえます。
このとき、知的資本とは
・人的資本 : 人の成長(技術、精神的なもの)
・構造的資本 : ビジネスモデルなどのアイディア
・関係性資本 : 人と人のつながり
の3つを表しています。フューチャーセンターはこの3つの要素を生み出すことで、イノベーションを形作っていくわけです。この発想はU理論やホールシステムアプローチにも通じるものがあります。お互いのおかれている現実、関係性を受け入れ、その先の未来を見据えてシナリオを進めていくわけです。
フューチャーセンターのやり方
フューチャーセンターには3つのレベルがあり、順番にたどることが必要になります。
①組織内対話
②組織の問題解決
③組織の枠を越えたイノベーション
このとき、必要になるのが「場」を作り、問題解決・イノベーションへと導いていくリーダーシップです。それはまさに野中郁次郎氏が提唱する「賢慮型リーダーシップ」です。そしてそこに求められる考え方として、社会には関係性があり、だれもがその一翼を担っているということ。つまり、自分が当事者として考え、“相手の靴をはいて考える”ということが必要なのです。ここはU理論の話そのものにつながります。
そして実際にフューチャーセンターの場をつくり、活動を行うのですが、そこには6つの減速が必要です。
・想いのある人にとっての大切な問いから始める ⇒ 信頼できる場にする
・多様な知識を一同に集める ⇒ 多様性のある場にする
・お互いの関係性を大事にして、自発性を高める ⇒ 関係性を築く場にする
・共体験の場をつくり、実践を創発する ⇒ 全体性(一体感)のある場にする
・あらゆるプロトタイピングを行う ⇒ 可視性(チャレンジ)のある場にする
・質の高い対��から方向性・アクションを定める ⇒ 安心感のある場にする
つまりは対話が重要なのです。お互いを尊重し、深くつながる対話を行う場を作っていくこと、それを継続していくことが必要だということでしょう。そして単に不平不満・皮肉を繰り返すのではなく、大切な問いから答えを導き出す、未来につなげていく、共通善に向かわせるファシリテーションは必須となるわけです。
フューチャーセンターの成功要素
フューチャーセンターはただ単に場を作り、人を集めるだけでは成功しません。そこには必要な要素があります。それは
・課題提起をするひとが本気であること
・実行力を持った人が参加すること
・ファシリテーターが共通善に向かって強い意志をもって関わること
です。集まるだけではなく、あくまでもイノベーションを起こし、実行していくことにコミットすることが必要なのです。そしてコアになる思いを中心にコミュニティを形成することがカギなのです。
最初は組織内の小さな対話の場かもしれません。しかし、そこに想いと実行力とドライブをかけるファシリテーションがあれば、新たな関係性を持ち込むことができます。人の資本を取り入れられるわけです。そして人が加わることで、新たな構造的資本、つまりアイディアが生まれます。結果、イノベーションが形になっていくわけです。フューチャーセンターには特別な施設も要りません。まずは真摯に対話をする、そこから始め、そして続けることが大事なのです。
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単なるファシリテーションの本ではなく、場の形成によって、共感と共有を生み出し、意識と行動をポジティブに変えていく。
いかにその場を良いものにするか、だけでなく、良い場をどう継続し、新しい動きを生み出すかが肝要。
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すばらしかった。
フューチャーセンターというものそのものが素晴らしい。
読みながら、大いにうなづき、気付かされた。
「自分が30年間やってきたことがここで実践されている」と序文で書いているけど、私も30年ではないにせよ、同じ事を思う。
フューチャーセンターという解決と言うよりも、その前提になっている問題意識であったり、世の中の捉え方というものが、同じなのだ。
惜しむらくは、実践方法についてもうちょっとマニュアル的でよかったと思う。具体的には、セッションの運営方法。
まあこれは、実際にいろんな所に参加して自分で学べってことかもしれない。
ともあれ、すばらしいことを紹介していただいた著者と、フューチャーセンターという概念を教えて下さった方(ネコワーキングの廣瀬氏)に感謝いたします。
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フューチャーセンターという概念自体は、興味深く、効果をあげることのできる仕組みなのだろう。しかし、文章の書き方がイマイチなせいで、フューチャーセンターという概念が胡散臭く感じられてしまう。
胡散臭く感じられる理由は2つ。「3つの方法論があります」といいながら、その方法論がどんなもので、どんな効果をもたらすのか説明されていない。巻末に参考文献が記載されており、それを読めばそれぞれの方法論について詳しく学べるということなのだろうが、「方法論がある」と書いたからには、本文中でもう少し詳しく説明すべきではないか。
もう一つの理由は、具体的なテクニックに関する言及が少なく、雰囲気に終わってしまっていること。ファシリテーションのテクニックが重要といいながら、それを体系的に見せるわけでもない。何をすればセッションをうまく回す技術が身につくのかがわからない。フューチャーセンターの説明の多くが、「環境の良い部屋で」とか「リラックスできるようにあだ名で呼びましょう」などの情緒的なやり方で占められている。これでは、本書を読んで実践しようとする人は、形から入って形で終わってしまい、成果が出せないだろう。
フューチャーセンターという概念には賛同できるが、書籍としての内容が今ひとつ、という意味で星3つ
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想いを持った人が集まり、ダイアログ(対話)を通して新しい何かを創造する心地よい空間をフューチャーセンターと呼ぶようです。
筆者は、イノベーションを起こせない理由の一つとして、「儲かりますパラドックス」を挙げています。
> 社内で提案を通そうとするあまり、「必ず成果は出るんだろうな?」と経営者に
> 問われ、「もちろんです」と答えさせられてしまいます。
あぁ、ありますよね。
また、筆者は、この逆もあると言っています。
> 社会企業家たちは、「儲かりますパラドックス」とは真逆の、
> 「社会貢献パラドックス」に陥っています。
> 「社会のため」を掲げすぎてしまったがために、きちんとした対価を得られず、
> 自転車操業から抜け出せません。
これも、経験しています。
では、どうしたらよいか。その答えがこの本にあります。
本書には、異なるバックグラウンド、異なる問題意識、異なるセクターの人同士を意識的につなげて、新しい発想を生み、育てる具体的な方法が書いてあります。
★★★
さて、自身のブログで公開していらしたので言って良いと思いますが、筆者の野村さんはこの6月で富士ゼロックスを離れ、株式会社フューチャーセッションズを興しました。
http://www.innovation-glocom.jp/innovation-behavioral-science/2012/06/post-16.html
http://www.futuresessions.com/
私としては、(同じ会社で働けなくなったことに)とても残念です。
けれど、新しい会社でこれまで以上にご活躍されると思うとうれしいです。
新天地でのご活躍を祈念します
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今までなかった新しいカタチの創造的な場作り。その有効性はワークショップ経験者ならよくわかる。でもそれを既存の組織に提案しても、古い価値観で評価されると受け入れられない。新しい仕組みには新しい価値観の流布が必要。これからの組織のあり方の変革に多いに参考になる内容だった。
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2012.08.16 ヒューチャセンターに関する考え方(コンセプト)と、実際の運営について大枠を把握することができた。ファシリテーションの手法など、個々はより深く掘り下げる必要があるが、全体像を把握するうえではとても良かった。
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ゲーミフィケーションを学ぶために「ゲームストリーミング」を買った。一章のゲームとは何か?は役にたったが、果たしで何の課題をこのファシリテーション技術で解決する?と、後ろに付録としてゲームストーミングの例が紹介されていた。そこに「フューチャーセンター」の文字。プレジデント社をツイッターでフォローしていたから、本の存在は知っていた。今、読書中の「WORK SHIFT」との流れで、「フューチャーセンター、、、」を読むことにした。
ステークホルダーの多様性って重要だと認識したけど、まずは会社の中でやってみたい。会社がグローバル化する中で、日本にある我々の組織の未来のあり方を作って行きたい。これってフューチャーセンターのネタで大丈夫じゃないから、もっと大きなものにしないとね。
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フューチャーセンターという、今までちょっとだけ耳にしたことがあるだけの言葉が気になり、一気に読了。対話をベースにして、イノベーションを起こそうというもので、私が信じている「ダイバーシティが変革を起こす」という概念と非常に近い。読み進むと、イメージは少しは沸くのだが、やはり実際に経験してみないと分からないことが多い。先日お会いした人たちは、それを経験したことがある人たちなので、向こう側の感じがしていた。オレも向こう側に渡ってみないと。
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「所属や会社の枠を超えて未来を語り合う自発的組織。よりよき未来を創るための議論と実践、自己変革の場」のお話。ビジョンや使命のもとに人が集う好例。非常に大切な取り組みではあるが、執筆を通して何を伝えたいのかがうまく伝わってこなかった。
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近年、注目を集める「フューチャーセンター」について、その第一人者が醍醐味を語った本。
これまで、学生時代も含めて大概のワークショップは経験していて、多くの機会について「参加者が自己主張するもの」「バラバラな前提知識について説明するもの」などに時間を費やすことによって、正直あまり得るものがないなと考えている節がありました。
そこで実際にフューチャーセンターの活動に参加してみて、企業やNPO、学生といった様々な立場の方々と話をしてみました。ファシリテーターを著者の野村さんがやっていただいたということもあり、全体の仕切りがスムーズに行なわれ、箸にも棒にもかからない意見が出るという予定調和に陥ることもなく、発表は寸劇でやることでクリエイティブな議論をすることができました。
フューチャーセンターとは、あるべき姿を提示する合意形成の場であり、課題解決に向けた意思決定を進めるためのセッションを実施する行為と位置付けることができます。これまで参加してきた多くのワークショップと違い、行動することが前提の議論が求められるのです。
これは地域づくりの現場でも活かせるものだと確信しました。今後、全国にこのような場ができていくと良いですね。オススメです。
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フューチャーセンターという新しい概念。多様なステークホルダーや職業の人たちが集まることは分かった。が、井戸端会議と何が違うのか。いや、これは井戸端会議なのか。
実際にやってみないとよくわからない。
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著者によると『フューチャーセンターは「未来のステークホルダーが集まって対話をすることで世界は変わっていく」という「思想」』とのことで、どこかの場所や団体のことではない。いろいろな立場・環境の人が集い、あるテーマについての未来を検討する『場』ということになる。
とは言いつつも、概念的過ぎ、かつセッション(打合せの場)についてはより具体的に記載されているが、実は内容はよくわからない。(というか、あえて書いていないと思われるが)
著者が代表を務めるフューチャーセンター・セッションのレポート済のセッションに過去のセッションの例が掲載されている。
・ 対話から創ろう!福島のビジネスモデル
・社会と若者とのかかわり。”食”を通じた若者就労支援活動と被災地支援活動から見えてきたこと
・ ひきこもり問題
身近にも、フューチャーセンターの場があるみたいなので、ウォッチングしておこうかと。