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「マリみて」第37巻。
祐巳は"薔薇の館"へ向かう途中で、担任の鹿取先生が植え込みで蹲っているのを発見する。何事かに悩んでいる先生をそのままにしておけず、先生を"薔薇の館"に案内してハーブティーを振舞う祐巳。そこへいつもの"薔薇ファミリー"が集まってきて―――。悩む先生とのお茶会の風景と共に綴られる、「先生」がキーワードの物語5篇+α。
16巻「バラエティギフト」、19巻「イン ライブラリー」、28巻「フレーム オブ マインド」、31巻「マーガレットにリボン」、34巻「リトルホラーズ」に続く短編集。様々な"先生"にまつわるエピソードを楽しむことが出来る。
これといって特筆すべき内容もないのだが、1つ、『卒業式まで』のとある部分(p155 4行目~)が、悪い意味で、目に付いた。これ、可南子の親子問題の時(18巻)もそうだったけど、簡単に許したり笑って流したり出来るエピソードではないと思うのだが。掘り下げて語られることがない分余計に、物語の雰囲気を悪くしていると思えてならない。
「マリみて」、33巻で本編が終了し、雑誌に掲載されていた短編も本巻でストック切れ。ということで、これにて「マリみて」シリーズ読了。
始まりの1巻、由乃革命の2巻、シナリオ構成が素晴らしかったバレンタインイベントの5・6巻。この辺りの初期作品は良かったが、それ以外は可もなく不可もなくで漫然と読み進めていた気がする。途中途中で、「これは面白くなりそう!」と思えるタイミングはあったが、結局、大した展開にならなかったのが至極残念。
それでも最後まで読み切れたのは、魅力的な登場人物が物語に華を添えてくれていたからだろう。特に由乃は良かった!彼女が出てきてくれると、話が数段面白くなっていた気がする!
読み始めてからの約1年間、素敵な"彼女たち"とのふれあいに感謝を!