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先日、まさにこの本を読んでいる最中に、iPhoneのキーボードを追加した。読めない漢字を手書きパッドで検索出来るという記事を読み、これは便利だと思った次第。…象徴的なことをしたなと読了した今思う。
収録作北村薫著 ビスケット は 冬のオペラ の後日譚。名探偵というナンセンスな、しかしかく在るべしという存在を書いた 冬のオペラ は著者の本格への愛情に涙なしには読めない一冊。そしてこの ビスケット もまた。現代ではもう誰も名探偵の薀蓄を感心して聞き入ったりはしないのかもしれない。検索すれば分かること、だから。この放映の完全正解率の高さたるや。…では名探偵という存在の意義は失われたのか。そうではないそうではないでしょう。…P88、コンピュータはこんな言葉を言ってはくれないから。
フィクションの中でくらい、名探偵を神の如き存在にすればいいだろうにという問いは、デビュー作収録の 赤頭巾 のなかにある円紫さんの台詞を思い起こさせる。「知で情を抑えることは出来るのに、その逆は出来ないのです。そこが知で動く人間の哀しさではありませんか」…ご自身を語っているように感じてならない。
収録の他3作も面白く、特に米澤穂信著 怪盗Xからの挑戦状 は気の利いたオチでよかったです。放映を見た方にもまたオススメ。
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ほぼ、北村薫『ビスケット』を読むためだけに入手。『冬のオペラ』を読んだ人は必読の短編だと思います。
ドラマの放送時にNHKのサイトで、視聴者挑戦編として公開されていた小説では省かれていた、推理には直接関係のないエピソードが、じんわりと泣けました。このエピソードがあるとないとでは、小説の最後の巫先生の台詞の意味合いの深さが全く異なります。
そして年齢設定がかなり合わないとは分かっていますが、『ビスケット』のドラマで巫先生を演じた山口祐一郎さんによる『冬のオペラ』が見てみたい!という気持ちが、困ったことに件のエピソードを読んで以降、急速に高まっております(笑)。
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(収録作品)殺人は難しい(貫井徳郎)/ビスケット(北村薫)/怪盗Xからの挑戦状(米澤穂信)/ゴーグル男の怪(島田荘司)
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2よりも平均的に面白かった。
以前と違い回答編等無くそのまま話が進んでしまうので、
謎解きアンソロジーというよりも短編アンソロジーになってしまったのは残念。放送時のデータが入っていたのは良かった。
2本目のビスケットがあまりトリック的にも文章的にも好みでは無かった。どれも放送されたものを見たことがなかったが、実際映像で見てみたらもうちょっと難易度なども変わるんだろうなぁと思った。
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シリーズ3作目。今回は問題編と解答編が分かれていない、普通の短編形式だった。どうせ続けて読んじゃうんだけど、やっぱり分かれてた方がいいな。米澤穂信、楽しみにしてたけど、最後の意味が分からなかった。最初に登場人物を全部紹介した、なんて、出てこなかったよー。探偵Xと怪盗Xをそのままキャラ名にするのはらしいけど。北村薫も香道を使ったトリックなんて、らしいなぁ。しかし2011年ドラマ放送って去年じゃん!残念、見たかったなー。
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NHKで放送されたドラマの小説化。
・殺人は難しい(貫井徳郎)
簡単にわかった。でも面白かった。
・ビスケット(北村薫)
本書が人気のあるのはこの短編が理由らしい。「冬のオペラ」の後日談だとか。
・怪盗Xからの挑戦状(米澤穂信)
私のお目当ては米澤穂信。拍子抜けのようなラスト、全然気がつかなかった。
。ゴーグル男の怪(島田荘司)
普通に犯人当てミステリー。
(図書館)
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うっかり配役見ようと先に後ろを見ちゃったので
軽くネタバレも見ちゃった…
気楽に読むにはまあ楽しかった。
映像で見てみたかったな〜
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人気作家によるNHKミステリー番組原作集
夫が浮気? 疑念が晴れない“あたし”の中に相手を殺したい気持ちが芽生えて……(貫井徳郎『殺人は難しい』)。アメリカ人教授が殺害された。死体の不自然な手のかたちは、ダイイング・メッセージなのか? 名作『冬のオペラ』のコンビが謎に挑む(北村薫『ビスケット』)。“怪盗X”が“探偵X”に謎解きを依頼。冬の天弓館で起きた殺人事件の犯人は?(米澤穂信『怪盗Xからの挑戦状』)。霧の夜に発生した煙草や老女殺人事件。各所で目撃された、ゴーグルをかけた謎の男の目的は?(島田荘司『ゴーグル男の怪』)。
4人の人気作家によるNHKミステリー番組の原作が、オリジナル文庫で登場。それぞれの謎を、あなたは解き明かすことができるのか。
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NHKのミステリー企画により放送された作品をもとに作られたオリジナル文庫作品の第三弾。貫井徳郎,北村薫,米澤穂信及び島田荘司という実力派のミステリ作家による犯人当ての作品が4本収録されている。いずれも,犯人当ての作品としてテレビで放送され,実際に視聴者が回答を考えていたようであり,番組放送時の正解率なども掲載されている。四人の作品の中では,米澤穂信の作品が一番よかった。貫井徳郎の作品(殺人は難しい)は,小粒。もともと,犯人当て小説向きの作家ではないという気もする。北村薫の作品(ビスケット)は,作品の雰囲気はよいが,謎的には普通。島田荘司の作品(ゴーグル男の怪)は,犯人当て小説としてのデキはいいが,雰囲気が古臭いのが難点。米澤穂信の作品(怪盗Xからの挑戦状)は,軽めのノリながら,内容も謎も良質な出来だった。
トータルでは★3。米澤穂信の作品レベルの作品が4本揃っていれば★4だったのに,残念。
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米澤穂信作品を目当てに読んだが、北村作品、貫井作品もそれぞれの作家らしい短篇で、とても楽しく読んだ。なんとなくおかしいなぁ・・・とミスリードされていく感覚がいいのだ。型にはめておいて、かつ自分らしさを出すというのはやはり手練れでなくてはできない。作家自身のミステリー愛が読者にしっかり伝わってくる。2012年の本。