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羨ましくて、悔しくて、情けなくなる。辻村深月作品を読み終わると大体そうなのだよなぁ。
登場人物に対する感情移入や共感はなかった。身近に感じてもおかしくない題材であり、人間関係であり、感情であり、考え方であり、生き方である、とは思うのだけれど、私にとっては作中の女性たちのそれらは、それこそ女性誌の中の話のように、隣でありながらすごく距離のある場所にあるものだと思った。入れない女の子の輪の中の話。事務服着た女の子も、合コンに励む女の子も身近じゃない。現実にありそうだなぁとは思うけれど、日常を扱ったドラマのように親近感を持てない。
読みながらなんだか『きのうの世界』と『イニシエーション・ラブ』が頭の中を巡ってはいたものの、そこまで被ってもないんだよなぁ。なんだろな。
中に、「辻村深月の本」と題された既刊紹介?が入っていて、うーん、力の入れ方が違うなぁとじんわり。
ポテトコロッケが食べたくなったのは、きっと翠ちゃんの言葉のせいだ。
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2012/4/13 Amazonより届く。
2021/11/12〜11/18
かつて"親友”と呼び合ったチエミが、母親を殺して失踪した。みずほは縁遠くなってしまっていたチエミとの古い約束を思い出して、チエミを探す。その過程で明らかになる過去の友情やこれまでの自分の母親との関係。
重奏的に繰り広げられる、展開に引き込まれる。タイトルの意味と、真実が明らかになるとき・・・やられました。名作です。
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これほど共感できる話しはない、と思った。
いつも思うけど、辻村さんの女性心理描写はすごすぎる。
何かの記事で辻村さんが
「みずほとチエミはどちらが私であってもおかしくなかった娘です。」
って言ってたけど、納得。
そして、タイトルのセンス。ずっと意味が気になってたんだけど、
ようやく意味が分かりました。面白かったです☆
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女同士の付き合いの不文律とか親娘関係のめんどくささとか、すごく丁寧に描かれてる。
自分が子供を産んだりすれば、また違う読み方ができそう。
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幼馴染でもある女友達が母親を殺して逃亡した、その真相を知るために当時の友達、交際相手、教師達を訪ねていく主人公。
女同士の面倒くさい友情の描写はえげつないほどリアルだな、と思った。
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辻村深月の書く心理描写はどうしてこんなに痛いのだろう。
普段は蓋をして知らないフリをしている自分に必ずある嫌な部分を、こうあっさりと本の中に描かれると、どきりとする。
ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。
タイトルの意味がラストにわかり息苦しくなった
一気に読んだ
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この人の本は必ずラスト付近でゾクっとする瞬間がある。
今回もあった。その瞬間がとても好き。
文書は最初のほうが読み辛く入って行きにくかった。
最近の作品では珍しいかな。
全然ハッピーエンドじゃなく酷い事実だったけど、
その先にほんの少しの光を用意しているのがいいと思う。
全ての娘に少し当てはまり、
全ての母に少し当てはまる。
娘であり母である自分も目を逸らしたくなる瞬間があった。
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チエミが母親を殺して失踪した。とても信じ難い現実を突き付けられたみずほは、親友を探す決意をする。チエミの逃げた理由を一番知りたいのは自分。幼い頃に交わした約束はもちろん忘れたわけではない。
第142回直木賞候補作。女の友情、そして母娘の関係を全面に押し出した作品。辻村深月だからこそ描ける女性の内面。戦いという感じがした。あまりに多くの関係性が存在する女同士。本当に友人と呼べるのか?それで親子なのか?信頼は?憎悪?いろんな感情を表しているのに物語はシンプル。決してドロドロストーリーではなく、そこはやはり辻村深月。鮮やかで柔らかだ。
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単行本で読みましたが、文庫をあらためて買いました。
前回読んだのは2年前。
そのときはチエミの肩をあまり持てなかったのだけど、
今はなんだか気持ちがわかる。
そして辻村さんが藤子・F・不二雄先生のファンだと知った
今となっては、唐突に出てくる「~ナリ」という言葉遣い
がステキに響きます(笑)
そしてそして、ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナという数字の意味も!!
野比のび太くんのお誕生日じゃないですかっ!
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直木賞作家の辻村深月さんの代表作の一つです。これまで読んできた作品も非常にインパクトがあってよかったのですが、本作は今までの中では一番好きです。女性ならではの、駆け引きの中で、相手を見ているような感じや、感情をぶつけていく様子には、女性の怖さをリアルに感じるし、その中で、少しずつ核心に近づいていくストーリーに引き込まれました。1冊にしてはかなり長い話でしたが、あっという間の一気読み!
さすが辻村深月さんです。文句なしの五つ星です。
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以前も感じたけど…辻村さんの作品って、あまり積極的に読み進める気にならない。先は気になるんだけど…なんでだろ。
人はどうして他人と比べたがるんだろうね。自分のことや友達のこと、家族のことを。
そこには“違い”はあるけれど、“格差”はないはずなのに。
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女性であるが故の確執。
それは友人であればもちろん、母娘であっても生じるものなのだ。
母親を殺し、失踪した友人を探すうち、蘇る幼い日々の出来事。
女性の心理や確執が赤裸々に描かれていて、読んでいて共感出来る部分があるも、胸が痛む部分もあった。
2013.11.17
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辻村さんのお話を読むと、いつだって、自分の似姿をみつける。
「ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ」には、たくさんの女の子がいて、今回もまた、みつけることになった。傷のおいかたが似ていて、だけど、だから、吐き気がしちゃうくらい嫌悪もおぼえる存在を。
すごく共感をおぼえたからこそ、傷のほうは、簡単に治りはしないことに救われた。
だって、そんなにあっさり解決しちゃったら、ぐるぐるしっぱなしのわたしは、ダメダメな人間認定されてしまったみたいで凹むもの。いまはまだ解決できなくたって「いつか」を信じられたら、そう、ダメでもないのかなぁ、と思えるから。
まぁいいか。涙ぐみながら、そう思えた。
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この人は人を描くのが上手い。
女友達の関係性であったり、合コンのくだりであったり、自分と重なる部分、共感できる部分が多過ぎる。
母親との関係においても。
ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。最後は涙が止まらなかった。母と娘っていい。
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なぜ母親を殺したたのか?いったいどんな理由が?と想像しながら読み進めていったが予想外の結末。
中盤中だるみしたものの後半からはグイグイ引き込まれて読了。