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私達は物質的に豊かな社会に生きながら、得体のしれない不安や閉塞感に覆われている。
「誰か何とかしてくれ」
ずっと無意識にそう思ってきた。
社会の矛盾や理不尽に気付いても、頭とハートをつなげてこなかった。
「我が子にどんな日本社会を引き継ぐべきか」、自分が進むべき道の判断基準に、この本は気付かせてくれた。
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声明は、目的と手段を混同してはいけないと説く。経済成長自体が国家目標であってはならない。目標はただひとつ、国民の幸せに尽きる。成長は幸せを求めるためにあるひとつの重要な手段なのだと。
故に政治と行政は「社会経済発展に関するすべての努力の中心に人間を置くべき」と位置づけ、富の増加は幸福に直結しないと諭す。「幸せへの鍵は、人間が必要とするある程度の消費満足と、非物的満足感、特に情緒や、感情、精神的な満足にある」から、経済開発戦略は、物的な次元と非物的な次元のバランスを保つ中道にあるべきだと主張する。幸福を可能にする自然環境、精神的な文明、文化伝統、歴史遺産等を破壊し、そのうえ家族や友人、地域社会の絆までをも犠牲にするような経済成長は「人間の住む国の成長ではない」と断言する。(67頁)
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政権が民主党から自民党へと移り、アベノミクスと言われる
経済戦略がちまたでは騒がれています。
政府や行政やメディアに踊らされることなく、
自分自身のしあわせについて、自分自身が向き合い、
考えていかなければいけないと思いました。
本書は、世界銀行で組織改革に挑戦し続けた方の経験話なので、
こうせよ、ああせよ、といった内容ではありません。
西永氏の経験を読んで、最後の解説を読むと、すっきりします。
私は解説の方が心に響くことが多かったのですが、
まぁそれも、西永氏の経験話を先に読んだから、ということで(笑)
解説を抜粋するわけにもいかないしね。
ひとり一人の意識の改革が、組織改革なのだと思いました。
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「はじめに」を読んで、もう泣きそうでした~
女性としても、日本人としても初めて世界銀行の地域担当副総裁になった西水三恵子さんの著書。
「世界銀行」とは、「貧困のない世界をつくる」という目的に、途上国へお金を融資するために設立されました。彼女の長年の「貧困」と「女性差別」への取り組みを是非読んでほしい…
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世界銀行副総裁として巨大組織の変革に取り組んで来た著者が電気新聞に寄稿した記事をまとめた一冊。メモ。(1)世界各国ざ直面する開発問題への解答は、何をすべきかにではなく、すべきことをどう捉えるかにある(2)誰かが動かねば組織文化は変わらない。逃げるな卑怯者(3)働きがいと生きがいが繋がって初めて、人間の生産性が大きく変わる
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世界銀行と言う期間がある事は知っていても、どのような役割やミッションを持っているのかを知らなかったので、勉強になった。
また新幹線や高速道路などのインフラも世界銀行の評価や融資を受けて実施したと言う事を知らなかったので、驚いた。
内容は、「国を作る仕事」と重なるコラムもあったが、世界の特に貧困世帯にホームステイをして、問題点を肌で感じ解決につながる施策を立案すると言う話は想像を超える。
正直自分は出来るのだろうか?
また、女性視点で感じる、男性社会での見えない差別を目に見える形を示して、キーパーソンを巻き込んで改善を図る話は男性ながら拍手を送りたくなる。
反面グローバル社会に否応なく巻き込まれる日本の会社に女性活用の相談を受ける話で
女性管理職を増やせと言うと、相応しい女性がいない。
外部から募集をしたらと提案しても、募集が無いと言う。
託児施設を作る事を提案しても、現在需要が無いと言われる。
仕事と家庭(子育て)が両立できないから、優秀な女性が辞めざるを得ない状況なのが目に見えているのに、現状だけて判断して難しいと後ろ向きな回答しかしない姿は、ある意味現在の日本の真の姿なのかもしれない。
そういう面ではグローバル化よりも先に、女性と男性の目に見えない仕事上の区分を取り外す事が重要だと感じた。
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頭と心をつなげること。
○毎朝出勤が待ちきれないほどいきいきと楽しく働ける職場と、帰宅や週末が待ちきれないほどの幸せな家庭(39頁)
・家族を視野に入れた人事
・人間を動かす風景
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今となっては男女比はほぼ半々、あらゆる国籍かつ様々な出自の人々が活躍する世界銀行も、かつては先進国のエリート(男)社会であった。
その牙城をひとつひとつ崩していった、元世界銀行副総裁西水美恵子氏のリーダー論。
業界紙への連載記事を纏めているので、ところどころ記載内容の重複はあり読みにくさはあるが、一貫した想いとして書かれているのは、自分の心にある『本気のスイッチ』を入れること。
組織にとってそれは理念であり情熱。そしてそれは必ずしも顧客や取引先など外向きに対してだけでなく、社員やその家族など内向きに対しても追求されるべきもの。いや、むしろ社員の幸せを追求することで、結果としていいビジネスサイクルが生まれているともいえる。
p167〜無言のストライキ が特に印象深い。
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世銀での経験を中心に、行動することの重要さを書いてあります。モノゴトの根源と本質を理解し、それに逆らわない解決策を、曲げずに実行する。
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最後の方になってやっと文体になれ、言いたいことが伝わってきた。
チームとグループの違いの指摘などはとても素晴らしい。
パワースピーチ
単刀直入に聞く
終わりは感情を込めて
人間感動なしでは動かない
本気かどうかはすぐ見抜かれる。
40歳 日本の平均寿命を途上国の寿命と合わせると、小学生は、日本の大人より短くなる。
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世銀の副総裁を務めた著者のエッセイ集。一つ一つは短文でとても読みやすく、良い話ばかり。涙腺が熱くなる。犬養道子さんのエッセイのような感じだ。
予想通り、世銀もお役所的というか、本部と現地事務所の差別とか、女性蔑視とかそういったものが当たり前にあるんだなということがわかる。あと、ブータン国王の話がけっこう出てきた。聞いたことはあったけど、大変立派な国王なんだなと感心した。
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’国をつくるという仕事’で著者の事を知り、本作は第二段。コラムをまとめたものという事でそれぞれの章がまとまってはいるが、例え話と言いたい事のギャップがやや大きい時があり、さらっと読むと一体何を言いたいのかよくわからない所が多々あった。毎回起承転結があるが、何となく内容やその思いよりその技巧的は部分が気になってしまった自分はちょっとひねくれすぎか。。むしろ他人が書いた解説の方が心に響いてしまった。
記憶に残ったのは以下かな。
P.86 Power tends to corrupt, and absolute power corrupts absolutely ジョン・ダルバーグ・アクトン
P.123 国づくりは人づくり
後者はどっちが先なのかなぁ。かつてフィリピンに住んだ時に国は人がつくると強く感じた事を思い出した。その他はブリティッシュ・バージン諸島にちょっと興味が出た。
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・本気のスイッチを入れる。
・オバマ前大統領のパワースピーチ(迫力ある演説)は、人を信じること、信頼の有無など、本物のリーダーたる根本条件を持ち合わせているからこそ。
・本気で動かぬ人間の組織にビジョンを追求し続ける変革は在り得ない。
・お金だけでは幸福は買えないのに主流の政策思考は経済成長に偏りすぎる。今、正す時が来ている。(地球幸福指数 1位 バヌアツ、ブータン13位、日本95位)
・Think out of the box(型にはまらず考えろ)。
・闘ってはいけない。闘うことは敗者を生み、相手から何かを奪い、憎しみが生まれる。常に新しい市場を生み出す。社会をより良くしたいと思っていれば、新しい市場のタネは至るところにある。もし我々が闘うこととがあれば、その相手は自分の中にある安きに流れる自分の心。
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電気新聞にときどき載っているのを見つけては読むのを楽しみにしていた西水さんの文章がまとまって本になった。こうして本になると半分以上を読み損なっていたことに気づく。
とても平易な語り口で、ズバズバと本質にせまってくる。たくさんの勇気をいただいた。
前著の「国を創る仕事」もそうなんだけど、エッセイを集めたものなので、重複する話しもある。次は、書き下ろしを読んでみたいな。できれば、世銀での組織風土改革を中心にした話しがよみたい!!!!
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著者のエッセイ集。国際機関の中でダイバーシティを受け入れつつ、理想に向けて信念を持って組織を動かしていく気概が綴られている一冊。
同じような話とブータン賛歌が多いので、個人的にはあまり胸を打つところはなく、途中で飽きてしまった。残念。
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○人の命に関わること
世界各国が直面する開発問題への解答は、「何をすべき」ではなく
「すべきことをどう捉えるか」に在る
○おねしょのおしえ
こどもがおねしょする部下の相談に、小学生を母親の仕事場に誘ったことで、
いつも家にいない親の仕事に意味を理解し、子供が誇りを持った。
以来、人事のすべてにおいて、職員のみを対象とする思考を捨てた。
家庭を対象に入れ、人間としての幸せを考えるようになった。
○就職した姪への祝い言葉
信用は、銀行家の命。お金に目が眩むと、その命を失う。
失ったら最後、取り戻すのは、不可能に近い。
お金のむこうを見るように。
お金が助ける物づくりや人づくりを、いつも頭に置くように。
○切り絵のビジョン
皆の夢にピッタリ合う切り絵のモザイク画をつくって
発表会では、皆の夢が共有できた。
人間は、感動なしでは、本気で動かない。
本気で動かぬ人間の組織に、ビジョンを追求し続ける改革は、在り得ない。
○本質を見極めるチームの性格
1.指導権に固執せず、状況に応じリーダーシップを分かち合おう
2.個人に責任はなくても、チームの共同体責任を快く負う
3.自発性に優れ、チームの目標を自分たちで設定して行動に移す。
4.正直な会話を好み、幅広く開放的な議論で問題を解決する
5.仲間との仕事を楽しみ、よく笑い、チームの集いを待ち遠しく思う
○国づくりは人づくり
義母危篤の知らせを受けて、旅券切れに気づいてワシントンの日本大使館に
行ったが、冷たくあしらえわれた。
英国大使館に行った際の、会ったこともないない一等書記官の言葉
「エリザベス女王陛下の政府にとって、英国人を夫にもつあなたは
陛下の臣民と違わないのです」
急遽、特別ビザの発行と英国航空の空座席を秘書に指示してくれた。
わが国の政治は、このような国づくりをしているのだろうか。。。