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5つの短編から成り立っていて、主人公はすべて女性だった。個人的に好きだったのは『仁志野町の泥棒』。夢、という言葉が題名にあるだけあって曖昧な、まどろむような文章の書き方が好きだった。
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なんども言えず怖い
人に魔がさす瞬間
だれにでも怒りうるような犯罪
短篇集 5編
大人になって再会した友達の母は
近所で盗みを繰り返す泥棒だった
合コンした消防士が放火魔だった
その動機を考える30代半ば独身女性
出会い系で出会った彼氏はDV男
その彼氏に誘拐されてしまう彼女
素直で甘えたがりで夢見る元彼
彼を救うために選んだ方法
育児ノイローゼの若い母親
究極の選択
どうしようもない
これしか選択肢がないと思わせる
魔がさす瞬間の怖さ
「犯罪」なのに
読後感は悪くない
人を思う気持ちを感じるからかな
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5人の女性を主人公にした短編集。
主人公が2〜30代だからか、「ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ」みたいな感じ。
「芹葉大学の夢と殺人」が「凍りのくじら」みたいだったのと、“寄りかかるような真似は絶対にできない恋人だった。私は私の足で、歩かなくてはならない。”という一文があったことが、一番印象的だった。
・仁志野町の泥棒
・石蕗南地区の放火
・美弥谷団地の逃亡者
・芹葉大学の夢と殺人
・君本家の誘拐
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直木賞受賞作品。書評や選考委員のコメントを読んでいるが、まだ作品自体は読んでいない。今年、辻村さんの作品は映画化もされているので、さらに注目されることでしょう。女性や女の子の心情を描くのがうまいので、どんどん作品に引き込まれていく。
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直木賞受賞作品ということで、ファン以外のたくさんの方々に読まれていると思います。
最近の作品は辻村さん自身の心境に即したものが多いのかなー。
青春ミステリまた書いてくれへんかしら。
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女性視点で描かれた5つの短編。心理的に追い詰められた女性の葛藤が生々しく、鍵のない夢=約束のない幻想みたいなものに翻弄される姿は哀しい。でも、二章の勘違い女には笑えた。短編なのでちょっと物足りないけど心がザワッとする読後感は楽しめた。
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直木賞受賞作品。
辻村さんの作品では断然長編派なのですが、これは色んな意味で痛くて面白かったです(笑)
好きだった話は「芹葉大学の夢と殺人」
ここまでではないですが、二木の青春時代が若干自分の青春時代を客観的に覗いてるようで痛かった(笑)
落とし方で色々深読みしてしまったのが「美弥谷団地の逃亡者」
どれもこれも、読み応えのある一冊です!
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辻村さんの最新作!
5編の短編集で、全て葛藤する女性目線。連作にはなってないです。
何と言うか…後味悪っ!
女性なら分かる分かる…という主人公たちの気持ちや行動。分かるからこそ触れて欲しくない本音や弱い部分をあけすけに書かれてるカンジ。
最後に救いはあるかな?と思って読みましたが、全編がそんな調子なのがまた潔いw
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普段の生活で起こってもおかしくない犯罪と紙一重の出来事。読み進めると居た堪れない思でいっぱいになる。心をチクチク刺す言葉に急かされれように先を読み進めたが、最後まで棘は抜けない。
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うーん、辻村深月さんは大好きなんだけど、この本は手放しで大好き!とは言い難かったなあ。
後味が悪いし、暗い。
けれど女性のそれぞれの切望したり嫉妬したり羨んだり、の細かいシチュエーションは本当に恐ろしいくらい見事にかかれている。
だから余計暗いと感じたのかも。目を背けたい部分をつきつけられたから。
しかし、やはり辻村深月さん。文藝春秋とは相性良くないのだろうか。これまでの文藝春秋作品、いつもこんなスタイルのような気がする。
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正直、読後感がすっきるする短編はない。
でも、辻村さんが書きたくて書いた思いが伝わってくる一冊だった。
とくに、ラストの一編は出産を経験したからこその物語なのかなぁと思った。
読後感は良くないのは、扱ってる内容の生々しさとか人間の汚さのせいだと思う。だけど、そのきりきりした痛みや苦しみが感じられるのはそんなに悪いことじゃない。
三つ目のお話の最後、「怖かった」っていうひとことがずーんと頭にこびりついた。
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あの辻村深月はどこに行ってしまったのだろう。ただひたすらに残念な、紋切り型な女子しか出てこない短編集。もはや個性もあったもんじゃない。最近、同世代のリアルを書きたいのか、全く面白くないが、大丈夫かなあ。
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5編の短編の、全ての主人公の対人関係における心理描写をわかるわかると読んでしまった。読み進みながら何度も心がザラッとする。
特に最後の話のひとりきりの育児のシーンは胸につまるし、追い詰められた心理描写のところは追い立てられるような感覚で読みとおした。
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第147回直木賞受賞作。
5人のなんとなく"不幸"な女性に視点を合わせた短編集。
どの作品に登場する女性も、"脆さ"が前面に現れており、事件にぶつかった時の感情の揺れや行動がかなりイタくて陰鬱とした思いに囚われてしまいます。
私は女性ではありませんが、リアルに心に澱む思いをすくい上げて小説として表現しているように思えます。
が、読後感は全く良くありません。
受賞が報道された時、好きな作家さんだったので嬉しかったのですが、受賞作を読むと"コレヂャナイ"感がして仕方ありません。
「凍りのくじら」「ツナグ」「スロウハイツの神様」のような、イタさの向こうに一筋の光明が浮かぶ、そんな作品が好きなので、「鍵のない夢を見る」は、その向こう側に何が見えてるのかが掴みきれませんでした。
いや、それが文学なんだと言われれば、私自身の感性が乏しいのかもしれませんが。
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本全体のテーマが暗かったです。
辻村さん特有の謎めいている話をタイトルから期待していましたが、鍵のない夢を見る=閉塞感と思えました。シンプルに。
登場人物の名前で騙されていたり、伏線があるわけでもなく女独特の閉塞感がごうごうと渦巻いています。皆、友達がまともにいなくて自意識過剰気味。
読んでいて少し辛くなることも。
物語であるけど辻村さん本人があるとき感じたことを物語のなかに散りばめている気がしました。
思ったことは、自分主体で動かないと何かしらしっぺ返しが来るんだろうなということ。
でもそういう物の見極めって難しいよなとおもう。
後、最終話のごく一般的な新米お母さんが育児で疲弊し、無意識に投げやりになる話はとてもリアルに感じました。
育児ってすごく大変なんだな、と・・・
辻村さんご結婚なされてそんなテーマで書きたかったのかな。