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日本人ならば一度は読んでおきたい一冊。
流石池上さんというべきか、非常に分かりやすく丁寧に書かれており、主観と客観の書き分けが明確である。
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何冊も池上さんの本を読んだが、やっぱりわかりやすい。というか文章が簡潔で主語述語がはっきりしていて、読みやすい。
この本は、原子力についての「説明書」的な本で、一種の教科書のようだ。もちろん説明書と言っても、構成や説明の流れや文章に、著者の主観が入るわけだが、この本は一冊を通じて、本当に数箇所しか池上さんの気持ちが書かれていなかった。だから面白くない人にとっては、何も面白くないと思う。読んでいて一通りの流れは掴めたが、原子力についてはもっと勉強する必要があると思った。最後の参考文献の数が、稀に見る多さだった。50冊くらいあったのではと思う。
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高校生からわかるという題に、偽りなし。
確かに原子力の問題等が歴史的に網羅されており、わかりやすい。原子力爆弾の兵器としての流れと、原子力発電の平和利用の流れを歴史的に説明しながら、その効用と危険なこともわかりやすく説明している。学校の副読本、教科書としても使えると思った。
ただし、理系的な化学反応を主体に説明しているのではなく、歴史の点から説明している本であるので、原理的なところは類書を読んだほうがよいと思う。
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大学生のころ聞いたマンハッタン計画の講義よりも分かりやすかった。
科学技術自体に良し悪しがあるのではなく、それを使う人、政治の問題なんだよね。
このあたりで日本も、今後の原子力政策をどうするか、国民の意見を問うべきじゃないかな。
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フクシマ事故をきっかけに原発は是か非かと騒ぐ世の中となりましたが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。ちょっと、この辺で騒ぐのを控えて、原子力の歴史を勉強してみませんか。
というようなノーテンキな前書きはないけれど、「説明のカリスマ」池上彰氏が原子力の歴史と問題点を、わかりやすく説明してくれる。
人類は原子力を手にしたことで豊かになったのだろうけど、歴史を紐解くと、ヒロシマ・ナガサキ、チェルノブイリ、フクシマと「負」の方ばかりが目立ってしまう。自ら制御できない力を手に入れた人類はどこに向かうべきなのか。物識りな著者でも、そこまでは教えてくれない。当面の課題は、原発の是非よりも、すでにある放射性廃棄物をどうやって片付けるかだ。
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原子力について池上氏が解説をしてくれています、原子爆弾と原子力発電は基本的に同じものであること、原爆は第二次世界大戦後の米ソを中心とした軍拡競争のなかで発展してきたことなど、認識を新たにしたことが多かったです。また、水爆と原爆の違いについてもこの本で初めて理解しました。
昨年(2011)3月の震災以来、原子力発電の必要性の是非が日本でも議論されていますが、発電量だけの問題ならともかく、地方の雇用問題、公共事業等を考えると、そう簡単な問題ではなさそうですね。今後も原子力について関心を持ち続けようと思いました。
以下は気になったポイントです。
・アメリカ軍の特殊部隊がドイツに潜入して、ドイツでの核兵器製造計画は進んでいなかったことが判明した(p18)
・日本を占領した連合国軍は、占領下の日本に対して原子力研究を全面的に禁止、解禁されるのは1952.4に発効したサンフランシスコ条約で日本が独立を果たしてから(p21)
・ウラン235の濃縮工場はテネシー州オークリッジ、プルトニウム製造工場はワシントン州ハンフォードに、原爆製造工場は、ニューメキシコ州のロスアラモスに建設された、原爆製造の関連施設はアメリカの19の州とカナダにまたがる37か所(p24,25)
・ウラン濃縮には大型の工場が必要で、完成した原爆もかなり大きなものになる、プルトニウム239は小型の原子炉があれば製造できるので、核ミサイルに搭載できる、その結果、核兵器はプルトニウム型になった(p38)
・水爆は核融合を実現させる、そのためには太陽のような高温状態が必要、それと実現させるために原爆を爆発させて、水爆の起爆剤として原爆を使う、水爆が投下された場合は住民の殆どが死ぬという道義上の問題がある(p45)
・2008.5に中国四川省で発生した地震は、中国の核兵器製造工場が大きな被害を受けている(p50)
・核兵器が関係する事故は、暗号名でブロークンアローと呼ばれ、1950-80年までだけで32件発生している(p61)
・NPT(核拡散防止条約)により、核兵器を持っていない国が原子力発電所等で核物質を生み出す施設を持った場合、これを兵器に転用していないかどうか「国際原子力機関」の査察を受け入れなければならないと定めている(p67)
・包括的核実験禁止条約(CTBT)では、核爆発実験を完全に禁止しているが、条件が効力する要件として、核保有か核開発能力を持つ「発見要件国:44国」の批准が必要とされる、アメリカ・中国・インド・北朝鮮等が未批准のまま(p69)
・弾道ミサイルを途中で撃ち落すシステム開発は、ABM制限条約に違反するので、アメリカは2002.6に条約は失効した(p77)
・原子力の技術は科学技術庁(現在は文部科学省)、原子力ビジネスは通産省(経済産業省)が管轄することで原子力開発が進められてきた(p108)
・原研は、茨城県東海村に原子炉(GEより導入)を、原電は、遅れること3年の1966年にイギリス製の原子炉により東海村で運転を開始した(p110)
・関西電力が1966.4にWH��の加圧水型原子炉により、東京電力はGE製の沸騰型原子炉を採用した、関西電力は三菱グループ=WH、東京電力は東芝、日立=GEと付き合っていたから、加圧型は北電・四国、九州、沸騰型は、東北、中部、北陸、中国と分かれた(p113)
・不祥事が起きたら会社の名前を変更する、事故が起きた施設は名前を変える、この原則によりイギリスで事故を起こした工場は、セラフィールド核燃料再処理工場になっている(p157)
・原子力船「むつ」は、1990-1993年に数回の航海実験を行った後に、原子炉を撤去して、ディーゼル機関に替えられて、日本海洋研究開発機構に「みらい」という名前に変わって引き渡された(p163)
・福島原発の4号機は、地震発生時には運転が停止されていたが、燃料貯蔵プールに使用済み燃料が置かれていて、ここの水も循環させることができなくなったため、崩壊熱を抑えきれずに水素爆発に至った(p187)
・使用済み核燃料を再処理してプルトニウムを取り出して、MOX燃料にする過程は、これまではイギリスとフランスの工場に委託してきたが、青森県六ヶ所村に日本原燃が2016年完成を目指して、工場を建設中。再処理工場で出たごみは、高レベル放射性廃棄物として、最終的には最終処分場に贈られる予定(p196)
・日本は余剰なプルトニウムは持たないと公約しているので、ウランと一緒に燃料として使うということで「プルサーマル」計画がある(p198)
2012年9月2日作成
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加圧水型 PWR
みずに高い圧力をかけて沸点を下げ、沸騰しにくくしておいて、圧力を急に下げて急激に沸騰させてタービンをまわす
沸騰水型 BWR
燃料棒で熱せられた水が沸騰して、その蒸気をタービンにぶつけて、タービンが回ることにより発電
福島このタイプ 原子炉の格納庫の下に複雑な部品がはいっていてこれが破壊された
いままでの事故
1957 ソ連 チェリャビンスク65 プルトニウム生産施設
1957 イギリス ウィンズケール原子炉事故
1974 むつ 原子炉から放射線がもれる(知識のない新聞記者が放射能漏れと報道)
1979 スリーマイル島原子力発電所事故 PWR
1986 チェルノブイリ 事故はスウェーデンで検知 ソ連しぶしぶ発表 ソ連の公式発表では運転員や消防隊員などで死亡者31名 将来のがん死亡者4万人(この数字は懐疑的)
放射性物資で牧草が汚染 それを食べたい牛の牛乳を子供たちが飲んで甲状腺がん
1999 東海村JCO臨界事故 2名死亡
原子力発電所 トイレのないマンション
プルトニウム 239 半減期 2万4千年
ネプツニウム 214万年
特殊なガラスに封じ込めて(ガラス固体化)30−50年かけて冷やした後地下300m以下の地層に埋める
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原爆が作られた経緯から日本が原子力発電所を導入する経緯、311の原発事故、世界各国の原子力に対する対応まで原子力の歴史を知りたい人に勧める。著者が池上彰さんということもあり大変わかりやすい
池上さんは最後に自分の意見をいうことは控えておきます。考えて判断すべきなのは、あなただからです。と述べている。今まで原発に対してはどっちつかずの意見でしたがこれを読んで脱原発派になった。
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シリーズの期待を裏切らない、わかりやすさ◎の池上本。「脱」とか「反」に偏らず、丁寧な基本解説をしている。例えば、原発なら二酸化炭素が出ないため、地球温暖化対策には効果的という側面もあり。
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大変わかりやすく、とくにリアルタイムでは知らない世界大戦の頃の原爆導入に関する情報や、原発を日本が導入していった時代の世論など、大変興味深いものでした。
著者も自分の意見を最後まで出さずに中立の立場から事実をわかりやすく説明することに徹していたように思います。
原子力ってなんぞ?と思う人は本書を気軽に読んでみる事をオススメします。簡単に理解できますよ
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ぜひ一度は読んでほしい。私もこの本を読むまでは、「原子力は危険だから、減らしていきたい。」なんて意味も知らないのに思っていた。無知だった。この本では、原子力の歴史や日本に原発が導入された経緯など、詳細に語られている。内容は詳しいにも関わらず、本当に分かりやすい。しかし、自分の頭で「原子力」について少しでも考えられるようになったことが何よりも、この本を読んで良かったと思う一番の理由。
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科学的な発見、軍事使用、平和的利用、各種原発事故や社会的影響まで、原子力とは何か、時系列を追って解説されている。
池上さんの分かりやすい語り口により、科学的な専門知識が無くとも十分に読み進められる。
スリーマイル島、チェルノブイリの事故については福島原発事故の報道でもしばしば言及されていたが、漠然と過去の惨事との認識しなく、概要すら知らなかった。それぞれ1979年・1986年発生であるから、実はつい最近のことだ。
近年はWEB上にも多様な情報があるものの、断片的であったり、情報源があいまいな場合も多い。あるテーマについて概要を知っておきたいときには、やはりこういった書籍が有用だとあらためて感じた。とっつきやすさでは著者出演のテレビ番組が上だが、陰鬱なBGMや刺激的な効果音、良く分からないコメンテーターなどが無いのも書籍のメリット。
日本が原子爆弾を作ろうとしていたことや、WEBの無い時代に主婦達が新聞の投書欄を拠り所に原発反対の運動を起こしていったことなど、初めて知る内容も多数あった。
全体の印象からすると、著者としては原発反対なのであろうニュアンスが感じられたが、結論はあえて出さず、これからどうすべきかは読者に考える様に促して終わる構成も良かった。
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池上彰の講義の時間 ―
http://books.shueisha.co.jp/CGI/search/syousai_put.cgi?isbn_cd=978-4-8342-5178-4&mode=1
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原子力発電、について知りたかったのですが、原子力・原子力爆弾等広い知識を得ることができました。なぜ原子力が生まれたか、という歴史をたどると、原子力についてすんなり理解できます。そして、もっと知りたいな、と思わせてくれました。原子力については一番おもしろかった本。
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原子力の歴史や各国の現状、3.11後の日本など、ちゃんとした知識のないわたしでもわかりやすかったです。
日本は非核三原則があるからだいじょうぶ、と簡単に考えていましたが、アメリカの核の傘下にあることを知り、考えなければならないことだらけだと感じました。
また原発についても、脱原発を唱えるのは簡単ですが、その危険性や有用性、日本にとっての経済効果などいろんな面から見て、考えていかなきゃなとおもいました。