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投稿者:がりおん - この投稿者のレビュー一覧を見る
『リスクテイカー』、『銀河のワールドカップ』の著者が描く気象ファンタジー。
一読して思い出したのは恩田陸の『光の帝国』だったりするんだがあんまヘヴィな方向に行かなかったのは正解かと。
壮大な展開といい読み終わると思わず空を見上げたくなる読後感の気持ちよさといいエンターテインメントとしては文句なしといっていいんじゃないでしょうか。
後はまあ途中から出てくるアーチボルト・ライラックウォーターってヴォネガットの『ローズウォーターさん、あなたに神のお恵みを』を来てたりするんかなあとか。
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帯には「気象ファンタジー」と銘打たれている。この本を読んで「そうか水蒸気は目に見えないのか」と知ったくらい地学全般に苦手意識が強いんだけど、たとえば積乱雲を巨大な木として表現するような例えが巧みで楽しく読めた。雲の意味や天気図がわかるようになれたらいいなあ。子供向けの本で勉強しなおすか。
SFではない科学小説の分野を一人で切り開いている川端裕人が初めて伝奇的な題材に取り組んだ作品でもある。実はその伝奇的な要素のおかげで、読者は科学的に正しいイメージを頭の中で描ける仕組みになっている。主人公が気象の専門家とはいえ子供のいるおばちゃんという生活者の視点で語られるところも、ぐっとハードルを下げている。
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最近は広い空を見る機会が少なくて、ここに描かれるような雲の姿の一部分しか見れないけれど、実際にその雲の起こす現象は、ゲリラ豪雨とか体感する機会が多い。いつも川端さんの作品は今気になることをベースに作られてるからなんだろうな。
そういう意味では今作は単行本で読んだ方が良いかな。
今月出た桜川ピクニックの文庫は時を選ばない気がするけど、自分の人生の時期には関係するかも。
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気象ファンタジー。色んな雲、天気がわかるな~天気の匂いもわかるな♪
2012.7.30
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川端さんの本、おそらく最新作。
2012年7月発行。今回は子育て系の本ではなくて、パートナーが図書館予約して届いた本を拝借。川端さんはもと気象庁担当記者だったそうで、その経験も生きているか。
内容は、「外番」と呼ばれる空気や湿度の流れが見える不思議な力をもつ、僕の理解では風水士のような、でも気象研究所で働く美晴さんという主人公が、その不思議な力に戸惑いながらも、自分の人生を受け止めて様々な出来事を経験する話。
川端さんの爽快なタッチのかきっぷりが印象的。
個人的には、最近、堀江さんの本を読んでしまった悪影響か、小説って、その重要なメッセージに行き着くまでの時間対効果ってどうよ?という感覚が残ってしまった。。
いや、でも爽快な本ですよ!
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「雲の一族」と呼ばれて天気を読む事に関して特殊な能力を持つ一族のお話。「壮大なサーガ、開幕!」とは、ちと煽りすぎでは?(笑。
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気象ファンタジーという珍しいジャンル。
科学的な要素とファンタジーのバランスがちょうどいい。
少しスケールが大き過ぎた気もする。内容がそれなりに小難しいから、もっとコンパクトにシンプルにしてもよかったのかなと。
それでもこの不思議な世界観はなかなか魅力的でした。
空とか雲とか天気とか好きな方はぜひ☆
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飛行機から雲をよくみる、大気には層があって、上の層と下の層では雲の流れる方向が違ったりする。それに夏は積乱雲が元気で、特に本書にでてくる房総半島は大平洋からの湿った空気が一気にあがって龍の回廊が飛行機からみえるのだ。大気の流れが互いに関連する話は壮大ですが、ひとができることは予想ぐらいですね。
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理系の素養がある人のファンタジーで、池澤夏樹と同じような匂いがする。
誰が見ても同じ結果を出すという客観性を重視する科学と、人とは違ったものを見る能力との葛藤とが一つのテーマ。最近の入院で、人間の力を超える様々な検査機器が発達し、情報についてはインターネットでいくらでも検索可能になる中、医者という専門職が基盤とするものについて、何となくずっと考えてしまっていたので、そのあたりの切り口が気になった。気象を人間の力でコントロールする、というテーマもそのまま医療倫理問題とスライドできそうな話で、かなり重いものがいろいろ詰め込まれている印象。なかなか読みごたえがあったが、もっと体調がいいときにゆっくり落ち着いて読みたかったかもしれない。
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「雨の匂い」って嫌いじゃない。稀有壮大な気象ファンタジーに引きこまれた。気象ってそんな風に観るとオモシロイのだね。
「椿の海」の干拓...。なんだかどきっとした。
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美晴とその息子、楓大、ふたりには不思議な力があった。
美晴の兄にも同じような力があったようだが……。
気象の変化を先に読み取れる力って人の役に立ちそう。
でも、そんな能力を持った一族に生まれていたことを長く知らなかったっというのにも何か理由があったのか、両親がともに早くに亡くなってしまったから伝えられずにいただけなのか。
こんな特殊能力を密かに持っている人がいるのかもしれないと思うだけでワクワクする。
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なかなか読み進められなかった~(T^T)気象好きな人には堪らない本かもしれないけど、ワタシには理解深められなくて残念でした。
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科学的な説明が超文系の自分にはまどろっこしいが、ストーリー自体は神秘的で素敵な発想。文章の書き方もうまく、どんどん引き込まれてしまう。子どもが寝てから一気に読んでしまって、寝不足になった。空や雲の見方が変わりそう。
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たぶんこれ、新聞の書評か何かを読んでおもしろそうだから、図書館に予約したんだと思うんだけど……なんでだろう、全然引き込まれなくて……。
何とか数日かけて読み進めたけど、最後20数頁になっても、最後どうなるかが全く気にならないという…(^▽^;)。私にしてはとても珍しい本だった。
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気象小説。異能を持った一族を登場させながら、それに寄りかかったヒーロー小説にしておらず、自然崇拝や人間の善なる力への過剰な信頼・傾倒もなく、(その分地味ではあるけれど、)混沌としたまま終わるところに著者の誠実さを感じる。