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「ファースト・ジャパニーズ」の軌跡。
少年時代が生き生きと描かれていて、読んでいて気持ちいい。
天賦の才に加え幸運を味方に、未知なる世界に踏み出した少年の姿は凛々しい。
彼の好奇心と勇気、行動力は、本当に世界を変えてしまった。
現代においても、「単身アメリカに渡って…」というのは大きな不安が付いて回るだろう。
それを、こんな昔にやってのけた人物。 すごいなぁ。
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天保12年(1841年)、14歳の万次郎が乗り組んだ漁船が嵐で漂流し、無人島に漂着。そして、アメリカの捕鯨船に救出されて、船長ホイットフィールドの養子になり、約10年後に日本に戻ってくるまでの物語。
数々のエピソードがほぼ史実に基づいてドラマチックに描かれているとともに、変わるものと変わらないもの、また本書のモチーフなっている、「願いや夢の実現」や「世界を変えること」が、ジョン万次郎の半生と重ね合わせ描かれている。
匂いや風景、音などの描写が豊かで、次々に展開する物語に惹き込まれた。
作者は、児童文学家で劇作家のマーギー・プロイスで、彼女は初めて手がけたこの小説でニューベリー賞オナーをはじめ、数々の児童文学賞を受賞しているとのこと。
もちろん者者は日本人ではないのだが、ジョン万次郎の日本人的心情が見事に描写されている。曰く『万次郎の好奇心、忍耐力、心の広さ、前向きな姿勢・・・に惹かれて、この本を書きたくなりました。でも、彼がユニークなわけではないのですね。日本人はみんなそうなのだと、実際に日本を訪れて感じました。アリガトウ。』とのこと。
・・・こちらこそ、アリガトウと言いたくなる。
古き良き日本のよさを、あらためて感じることができる物語だ。
漁師として生まれ生活しながらも、日本に戻って拘留された後は、夢であった武士(下級武士)として勤める万次郎に対してのオマージュか、各章の冒頭には、山本定朝の『葉隠』が引用されている。
また本書の中にはジョン万次郎の描いた絵がいくつも挿入されており、数奇な運命によりリアリティが与えられているのも魅力だ。
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登場人物のほとんどが実在で、物語の進行も史実や資料に基づいているためか、主人公万次郎がなりよりも生き生きと描かれ、著者が彼の心の襞にまで筆を尽くしていることにも感心した。
また、ところどころに挿入された、万次郎自身による人物や船のていねいな絵に導かれて、鎖国や身分制度、かの国の人種差別など横行していた重く閉塞感のあるあの時代を、決して運だけではなく堂々と生き抜いた一人の日本人の、まさにその魂の核に触れたような感動を味わうことができ、本当に読んでよかったと感じた。
目次やタイトルページ、裏表紙に散りばめられた「貝」の絵の装丁もとても好ましかった。
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鎖国時代の日本に生まれ育った万次郎が「外の世界に触れ、新しいことを学び知る」喜びに満ち溢れた物語です。私も好奇心旺盛な万次郎に連れられて、ドキドキわくわくしながら一気に読み切ってしまいました。
当時のアメリカの文化はもちろん、アメリカ側から見た日本の様子・日本人の印象も描かれていて、新鮮でした。
前向きなエネルギーを貰える作品です!年齢に関係なく、ぜひ多くの方に読んでもらえたらと思います。
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アメリカ人作家によるジョン万次郎の生涯を描いたお話。どういうきっかけで万次郎に興味を持ったのか、ということが知りたくなりました。鎖国していた時代に、言葉もわからないなか、本当にべらぼうに大変なことだったと想像します。帰ってきてからの尋問とか、理不尽な扱いにじっと耐えるところとか、
日本人だなぁと思いながら読んでいました。なかなか面白かったです。
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貧しい漁師の息子だった万次郎が、持ち前の好奇心と努力で未知の世界を切り開く。ところどころ話の細部が省略されているのが気にかかったが、時に差別と闘い時に人間の優しさに救われる万次郎を応援する気になった。
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日本史を海外の児童文学から学べることが面白いです。児童文学なので読みやすくわかりやすい。江戸時代に初めてアメリカへ渡った少年の史実。ただ単純に主人公に感心します。
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アメリカ人が書いたジョン万次郎、というのが興味深かった。児童書なので大人が読むと頼りない感もあるけれど、こんな日本人がいた、と子どもたちが知るには大変よい本だと思う。今と違って何の情報もない鎖国の時代に未知の世界を目指す万次郎の勇気ってすごい、と改めて感動した。彼が残した挿絵も興味深くてよかった。
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「初めて見る外国語の世界地図、そこには”見においでよ”と書いてある。」そんな気持ちでアメリカに渡った青年の話。
挑戦する気持ちは、忘れたくないなと思いました。
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ジョン万次郎についてはいろいろな本が出ているが、アメリカ人が書いた視点も興味深いし、何より万次郎の資料を忠実にベースにされているようで、変な日本がなく好感が持てる。しかもアメリカへ行くまでの航海時代やアメリカ時代が、生き生きとして面白かった。
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アメリカ人が書いたジョン万次郎の本。読み終わってから気づいたが児童書だそうな。どうせなら後世の活躍も書ききって欲しかった。それは子供には分かりにくかったのだろうか。そういった意味でなんか消化不良な感じ。
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14歳で漂流し、アメリカに渡り、やがて自力で資金を調達して、仲間を探し、日本に戻ります。10代でそれをやりのける逞しさったら。漁師の子として生まれ、漁師として生きていく。そういう人生しか選べなかった時代に、侍となり、日本を動かすキーパーソンとなった万次郎の人生の、なんてドラマチックなことはもちろん、一人の青年の成長記として、時代を忘れてのめりこみました。
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子供向けに書かれているので、小学生でも十分楽しめる。
数々の児童文学賞を取ったのも納得です。
坂本竜馬より、私は万次郎の方が断然好き!!
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やっぱり、ジョン万次郎さんは良い!です。
彼を題材にした本はこれで3冊目ですが、資料の充実度に満足。万次郎さんが書き残した絵が随所に納められています。
外国の方がジョン万次郎にスポットを当てて書かれている、とういうところがまたいいです。
なんでこんなに惹かれるのか…単に漂流ものが好きなのかも。15少年漂流記もロビンソン・クルーソーも大好きだったので。
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「おまえの願いや夢はなんだ?」
…ホイットフィールド船長が船の中で万次郎に尋ねた言葉
「さぁ、起きて、世界を変える手助けをしない?」
…差別され教会に行くことを躊躇う万次郎へ、母代わりのホイットフィールド夫人の言葉