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紙の本
続々登場の名局集シリーズ
2012/07/29 22:57
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ココちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
2010年4月に現役引退された大内九段の名局集が刊行されました。
まえがきに「大変光栄に思っている」とありますが、将棋ファンとしてもありがたいですね。
本書は、大内九段インタビュー(引退時に将棋世界に掲載されたもの)から始まります。
第1部自戦記編が17局、第2部名勝負編が28局、第3部勝局解説編が57局で、
計100局(千日手の2局はカウントされていません)が掲載されています。
ちなみに自戦記1局ごとに「対戦相手エピソード」が1ページ書かれています。
山田道美八段、羽生善治二冠、大内九段の弟子である塚田泰明九段のものが特に興味深かったです。
最後に大内九段の年譜と年度別成績が載せられています。
ページ構成は基本的には最近の実戦集と同様ですが、
今までの実戦集の自戦記では1ページにページ上部に2つの図が並んでいたのが、
「本手順図」がページ上部・「参考図(など)」がページ下部と変更になりました。
参考図は本手順図より小さいので以前のレイアウトだと余白が大きかったのですが、
本書のレイアウトだとページが効率よく使えています。
とはいえ、この新レイアウトは定跡書の「羽生の頭脳」や浅川書房の「○○の急所」に、
近い棋書定番のレイアウトですから、
もっと早くこうしてればよかったのでは?と思わないでもないです(笑)。
第2・3部は棋譜解説となっており1局につき2ページで基本的に図が4つとなっています。
今までの実戦集より1図少ないのは、対局相手についてのエピソード、対局時の心境、
棋戦状況(トーナメント進行)、などがふんだんに載せられているからです。
有名な将棋としては、中原名人との名人戦が第2部で解説されています。
第3部で面白いところでは藤井猛六段(当時)の居飛車穴熊に勝利した将棋があります。
棋譜を並べてみた感想ですが、「怒涛流」のイメージとは裏腹に渋い手が結構多いです。
もちろん大内九段得意の振り飛車穴熊では豪快な将棋で魅せてくれますが、
ツノ銀中飛車など左側に金銀がいく将棋も多く、戦いの中じっと金銀を引き戻す手が出てきます。
どんどんと並べていくうちに、「この辺りで銀を引きつけるんじゃないか?」なんて予想して、
それが当たったりもするので、プロの感覚が少しは身についたように感じられました(笑)。
大内九段のファンは当然ですが、プロ将棋のファンや振り飛車党なら間違いなく楽しめる内容になっています。
古い将棋はちょっと…という方であっても、(当然ながら)どれもレベルの高い将棋であること、
ゴキゲン中飛車や穴熊が流行している現在、意外と現在の将棋に近い感覚で棋譜並べできることから、
充分に参考になると思われます。
また何局か相居飛車や相振り飛車の将棋もあり、バリエーションにも富んでいます。
さて、2012年7月大山15世名人の名局集が発売されました。
次は、大内九段と同時期に引退された有吉九段の名局集でしょうか、
それとも大山15世名人のライバル升田実力制第四代名人の名局集でしょうか、
いずれにせよ楽しみですね。
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