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息子と思われる子と同居する父、そして、その人と付き合っている、自分の母親と噛み合わない娘。お互いに他人との距離感がうまく掴めないもの同士が一緒に生活し、そして男性が出ていくことで改めて自分を見つめ直す。
そんな3人がそれぞれの視点から物語が紡がれる。
3人それぞれの視点から見たときに、特にみりさんの印象がみんな違っていて、なかなか実像が掴めず、最初はなんだこの人はと思ったけど、徐々にある意味持ってる強さに惹かれていった。
掴みどころのない佐藤さん。周りの捉え方の闇の具合がなんだか面白かった。
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おもしろかった。
まりもくんの回が一番よかったかな。
3人のそれぞれの視点からつながる物語。
多恵さんも涼もマスターも脇役がそれぞれいいアクセントになってたと思う。
ふわりふわりと掴めない感じで最後まで行くのかと思ったけどしっかり血の通ったラストだった。
この3人の心の中の灯りが少しずつ色のついた物になっていくといいなと思った。
ちはやんの作品はところどころいい感じにリアルで親近感が湧く。ドラッグストアの精製水のくだり、まりもくんが同級生の個展のことでイラッとする感じ、なんかとても人間味があって好きなんだ。
さて、次は「マリエ」を読みますかな。
どんどん書いてねちはやん。
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まるで森のように木々が生い茂っている家で共同生活をしている、佐藤さんと恋人の美里と佐藤さんの大学生の息子まりも君。
佐藤さんが美里とまりも君に何も言わず、突然いなくなるところから話が始まります。
全体的には暗い感じのする話だけど、人間の持つ暗さや狡さと言ったものがリアルに表現されていて、千早さん上手いなぁと思いました。
最初から期待というものがなければ、人はある程度は求めずに生きられるもの。人を打ち砕くのは現実そのものではなく、現実と期待との落差なのだと思う、という一文がすごく心に残りました。