投稿元:
レビューを見る
世界各地で、何々富士と呼ばれる富士山が掲載されています。
富士山と見まごう形容・・富士山好きにはたまりません。
日本の富士山のことも、しっかりと・・
富士見坂・ダイヤモンド富士・・特に都会から見える富士山に、スポットをあてていて、都会育ちの私の琴線にふれるところでした!
投稿元:
レビューを見る
山崎豊子『大地の子』に、長野県から集落ごと大陸に移住した人たちが、現地の山を富士山と見立て、皆で共に拝むというシーンがあった。このシーンが印象に残ったのは、富士山信仰の美しさと入植地で生きることの厳しさが象徴されていたからだと思う。
私も幼い頃、地元のとある山を”○○富士”だと親から教えられた。少し成長して初めて本物の富士山を拝んだとき、その美しさに心がふるえ、自分は日本人なのだと実感したことを覚えている。
この本は、日本人の移住者や旅行者から「○○富士」と呼ばれる世界の山々を一つ一つ解説したもの。
世界各地に「○○富士」があるのは、どこに住もうと、日本人にとって、富士山が特別な存在であることの表れだろう。
著者が述べているように、日本以外の「○○富士」には戦争や移民と関連したものが多い。
私は、そうした「望郷の富士」とも呼ぶべき山々と、それにかかわる人々の思いを知りたくて、この本を読み始めた。帝国主義を肯定するつもりはもうとうないが、その時代を必死で生きた人々の思いや祈りが「○○富士」に込められているはずだからだ。だが、そのような記述は期待したほど多くなかった。
世界の「富士山」について、まんべんなく知るにはよい本だと思う。地理の教科書みたいな感じで読むのがよいかと。
投稿元:
レビューを見る
『日本人はなぜ富士山を求めるのか: 富士講と山岳信仰の原点』(島田裕巳)で、
「富士山に似ている山が海外にもある」と読み、もっと詳しく知りたいと思い手に取った『世界の富士山』(田代博)。
今回は54箇所の山に関する【所在地】、【「〇〇富士」という日本人ならではの呼び名】、【そこで起きた出来事】が紹介され、
なかなか興味深いお話揃いでした。
大まかに言えば、
それぞれ写真を見て、富士山にソックリである事に驚き楽しめ、
日本人による海外移住だけでなく、戦争も背景としてあった歴史が良くも悪くもインパクト大でした。
それはさておき、
読んでいて「なんじゃこれは」と思ったポイントがいくつかあったのでピックアップしました。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
❶台湾に標高3000m以上の山が密集
九州とほぼ同じ大きさの島なのに標高3000m以上の山が約130座とは何ぞや。
(ちなみに日本は21座!!)
❷「富士山」が見当たらなかった地域
世界の屋根ヒマラヤ、パミール、チベット高原、アルプス山脈、ロシア大半が挙げられるそうです。意外。
アルプスに関して著者が「日本は自国の山にアルプスの名を付けるくらいですから、あえてその「本家」の山に富士山の名を冠する勇気がないのかもしれません。」と言っていたのはなかなか厳しいご意見です。
❸韓国・大田広域市は韓国を代表する先端科学都市
先端科学都市なんてアメリカ・シリコンバレーしか意識した事がなかった。
❹台湾・宜蘭と日本・与那国島との間は約110km
意外と近かった事に驚き。
❺富士山と八ヶ岳の高さ比べの言い伝え
「八ヶ岳の方が高かった事に富士山が怒って殴った」というエピソードは笑ってしまった。
❻世界の島第6位の大きさスマトラに鹿児島と同じ風景がある
海外に日本に似た風景がある事が驚きよ。文化の違いがあるでしょうに似てるとは。
❼ノアの方舟が流れ着いた山、トルコ・アルメニア富士
かの有名なノアの方舟伝説が出てくるとは思っていなくて驚いた。
❽シベリア日本人抑留者帰還用玄関口ナホトカ市
最近シベリア抑留の話を『白菊』(山崎あゆみ)で読んだ事もあって、こんな所に富士山に似た山があった事に驚きだった。
❾カムチャツカ半島の火山事情
日本とほぼ同じ広大な「半島」である事にビックリしたところへ、120とも160とも言われる火山が連なり、そのうち29座が活発な火山活動を続けている事を知って驚愕の域。
➓ニュージーランドの「複合遺産」
トンガリロ国立公園に【文化遺産と自然遺産の両面に価値を置く複合遺産】としての登録がある事にビビる。
すげー!『ロード・オブ・ザ・リング』(J・R・R・トールキン ピーター・ジャクソン)の舞台!!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
…という具合にビックリし続けていたから、
読むのにメチャ時間かかってし���った。