紙の本
戦え!魔法少女
2015/09/17 16:07
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
完全無料のソーシャルゲーム「魔法少女育成計画」のプレイヤーから選ばれた16人が魔法少女になれる。ところが、魔法少女を勧誘するファヴのミスで、定員8に減らさなければならなくなってしまったのだ。
その方法は、魔法少女が善行を積むともらえるマジカルキャンディーの数を競うこと。毎週、保有数が一番少ない魔法少女が脱落するのだ。それにあたっては、マジカルキャンディーの管理をする端末のバージョンアップがなされ、魔法少女間でのキャンディーのやり取りが自由化される…。
百発百中の手裏剣という魔法を持つリップルは最速の魔法少女トップスピードと組み、困っている声が聞こえるスノーホワイトはラ・ピュセルと組む。連衡合従が進んでいく中、上記のルールは魔法少女同士の血で血を洗うバトルを奨励していることに、魔法少女たちは気づいていくのだった。
魔法少女同士の間に生まれるハートフルな会話の余韻を引き裂く様に、ありとあらゆるやり方で魔法少女が殺し殺されする展開となる。ゆえに一見すると救いがないようにも思えるのだが、意外に行動にふさわしい報いは与えられ、最後に生き残る魔法少女は正道に立ち返るという、道義的な構成になっているとも捉えられる。
力無き正義は無力だとはよく言われることだが、ここに、自発的能動的選択が最善の結果を導く訳ではないという、あまりにも無力さを感じさせる前提を加えると、本作になる様な気もする。
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ダークな魔法少女物というとまどかマギカとか一迅社文庫のアンチマジカルが思い浮かぶが、 魔法少女たちが権謀術数を張り巡らせて殺し合うという展開は1冊のライトノベルとしては読みがいがあった。
キュゥべえは超越者だったが、このマスコットキャラクターはクズすぎる。
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今、流行の魔法少女ものにバトルロワイヤルのような理不尽なデスゲームを加えたような作品。
レビューや感想を書くのは難しい。
ゲームだった世界から、本物となった16人の魔法少女。
人数が増えすぎたから、半分に減らすことを運営側から告げられて……
ここからが、衝撃の連続。
1巻完結という枠の中に悪意がこれでもかという程に押し込められていて、悪意だけではなく登場人物たちの心情も丁寧に描かれているのが魅力的。
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このラノ文庫から。全くノーチェックだったのですが、表紙を見てビビッときた。
結論から言うと、大当たりでした。
・:*:・゜☆,。・:*:・゜☆,。
純粋な少女たちが突然絶望に見舞われるという展開は、「まどか☆マギカ」を彷彿とさせる……実際、少なからず影響を受けているんでしょう。あとデスノート。
メインキャラが16人という大人数で、そんなん覚えきれねぇよって思ったけど、全然そんなことなかったです。
作者が意図したのかわかりませんが、魔法の扱いも良かった。
魔法少女が使える魔法は一人ひとつ。「何もないところに壁を作り出す」とか「持っている武器を強化する」のような戦闘向きの魔法もあるけど、中には「困っている人の声が聞こえる」みたいな、「それ何の役に立つんだよw」みたいな魔法もあってですね。一見不利な能力で強い能力を相手にする、「異能バトル」の面白さの一端が見えました。
見開きカラーの登場人物紹介で、全員の名前と能力が説明されてるんですが、やたらファンシー。イラストも、現実離れした感じの可愛らしさが逆に冷たい怖さを煽って良いですね。
単巻で、分量も300ページに満たない。その中で16人の魔法少女をわりとまんべんなく描いているので、一人一人の描写がボリューム不足になっている感は否めないです。誰か特定のキャラに感情移入して読むタイプの人には物足りないかも。
ただ、客観的に俯瞰した時に、いかにもドラマのありそうなキャラが次々とあっさりと殺されていくのは、なかなか緊張感があって良かったと思う。
後半で明かされる「魔法少女育成計画」というゲームの趣旨、黒幕(?)の意図なんかも、言われてみればそれほど意外な展開ではないんですが、ストーリーの流れからすごくしっくりくる結末だったと思います。
数ページしかないエピローグも、「え?これで終わりなの?」と良い意味で後味の悪い幕引きで、
何かが引っかかるような心残りがたまらない読後感です。陰惨なバッドエンドではない、生き残った魔法少女のことを考えたらハッピーエンドっぽいけど、やっぱこれ酷いよね、みたいな。
一つだけダメだった点は、ファヴ……まどマギで言うキュゥべぇに該当するマスコットキャラに魅力がなかった。この作品は雰囲気からわかるとおりまどマギの二番煎じ狙いだと思いますが、どうせならもっと無機的に無慈悲に徹してほしかったな。最後の最後で「人間臭さ」を出してしまったあたりが減点です。
そんな感じで、夢中になって読める1冊でした。素晴らしい!
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魔法少女サバイバルゲーム。
これはゲームであって現実だ。
仕組まれた罠だった。
悲しい事件だった。
理不尽だった。
願わくば、彼女たちが幸せでありますように。
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評判が良かったので読んでみた。まさに「まどか☆マギカ」+「バトル・ロワイアル」。「まどか☆マギカ」以降の魔法少女ものとして相応しい作品。
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スマートフォンの普及により、ソーシャルゲームの数も爆発的に増加してきた。「魔法少女育成計画」もその一つなのだが、他のソーシャルゲームと一線を画していたのは無課金を徹底していたこと。「タダより怖いものはない」という言葉は母から何十回も聞かされていた(ような気がする)が、魔法少女育成計画をプレイするプレイヤーもこの言葉の恐ろしさを身をもって体験することになってしまう。
このゲームの特徴は無課金だけではない。何万人かに一人の確率で実際に魔法少女になることができるのだ。ゲーム内で自分がデザインしたキャラクターに変身し、現実の世界で敵と戦ったり(モンスターとかじゃないよ)、人助けをしたりする。普段の自分とキャクターを切り替えるには「お○魔女どれみ」で少女たちがやってる儀式は必要ない。好きでやってる人もいるけど。
本書には16人の魔法少女が登場するのですが、各自一つだけ魔法が使えます。ある者は「いろんなものに素早く穴を開けられるよ」、また別の者は「どんなものにも水みたいに潜れるよ」、という具合に。しかし、個人的に思ったことなのですが、終盤になると、この魔法を半ば強引に拡大解釈してるというか、「そこまでできるの!?この説明ではちょっと無理あるんじゃね?」という状況がいくつか出てきます。
設定はおもしろいのですが、300ページ弱で16人を扱うわけですので、どうしても展開は早くなってしまいます。ちょっと【ネタバレ】になっちゃいますけど、16人だと多いってことで8人に減らしますという設定が途中加わります。脱落するのは1週間に1人、マジカルキャンディーが最も少ない人から。マジカルキャンディーは「お助けポイント」みたいなものです。人のためになること(道を教えてあげたり、落し物を拾ってあげたりetc)をすることで稼ぎます。この設定のおかげで少女たちがばっさばっさ消えていきます。
16人の中から当然推しメンも出てくるでしょう。もし、自分の推しメンが序盤で脱落したら、その人はおそらく本書を投げ捨てるでしょう(一応最後まで読みましょう)。で、その後、また新たな設定が加わります。「マジカルキャンディーの授受OK」という設定です。このおかげで、別に「働かなくても他の魔法少女のマジカルキャンディーを力づくで奪えばいんじゃね?」と考える輩が出てきて、物語は血なまぐさい展開になっていきます。飛ぶ鳥を落とす勢いで人数が減っていきます。温泉が湧き出る勢いで血が噴き出します。
結末は予想通りでした。まあ、あのキャラクターが最後まで残るよねーてな感じで。バトルシーンもイマイチ盛り上がりに欠けます。それよりも、相手を騙し、出し抜く、という行為が現実の女子の間でも行われてるのを見てきたので、「ああ、やっぱり女子って怖いなあ」と思った次第でございます(女子の皆さんごめんなさい、悪気はないんですよ、本当ですよ(必死の叫び)。いかんせん、人数が多すぎたと思うのよね。もう少し減らせば、もっと厚みのある内容になったと思うのですが...。”ライト”ノベルだから仕方ないか。キャラクターはかわいいので、ハスハス(*´д`*)したい方は手にとってみてください。
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まどマギ+バトルロワイヤル。魔法少女たちの殺し合い、というか、もう魔法が殺し合いにしか使えないじゃないかw かわいい女の子も、二十歳過ぎの魔法少女? な子も、みんなまとめて容赦なし。すげえ。
でも、ただ残虐なだけじゃなく、キャラもそれなりに掘り下げてある。
葛藤、裏切り、苦悩、決意、成長。予想を裏切るハイスピードな展開もありで、最後まで楽しめた。面白かった。
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「ダークな魔法少女モノ」と知れば、飛びつく方は飛びつくでしょう。
そうやって読み始めれば、好きな方はほんとハマると思います。
痛み、苦味が凝縮された一冊でした。
刺激的なラノベが読みたい方にオススメです。
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まどマギでバトルロワイヤル、と言ってしまうと説明終了
なかなか面白かったけど、ちょっと尺と要素が合ってなかった印象。
もうちょっと長くして掘り下げてもいいんだけど、案外この位がちょうど良かったのかもな。
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16人の魔法少女に突然降ってきた運命は「8人になるまで減らす」ということだった。
そして、魔法少女が魔法少女で無くなった時、死に至るというシチュエーションの中、生き残りをかけた権謀術数が始まる。
血が足りない。
グロさが足りない。
心の嘆きや理不尽に身悶えする苦悩が足りない。
でも、面白かった。
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絵は可愛いが魔法少女同士のすごくドライなバトルロワイアル物。
シンプルな能力を活かし殺し合いすることになってしまった魔法少女、能力を最大限に活かし徒党を組み能力を補い、何とか生き残ろうとする、そこには気合やら根性などという事もなく絶対的な力の差で不運で命を落としたりするところがよかった。
しっかり魔法少女誕生からシステムからバックグラウンドの説明もばっちり
。
そんな殺し合いに巻き込まれた殺傷を望まない、できない主人公が取った選択は合理的ですばらしい物でした。
ちょっと展開、描写が容赦なさ過ぎるのでグロ体制がない方はちょっとやめといたほうが良いですが、そういうの大丈夫でちょっと面白い独特なバトルロワイアル物を読みたい人はお勧め。
詳細な感想はこちらから
あらすじ-
ソーシャルゲーム「魔法少女育成計画」という物をやっていた主人公が突然選ばれ本物の魔法少女になることになった・・身体能力が強化され後+1特殊能力がつく、一般人に正体を知られてはならないなど制約もあるが基本的にはそんなに厳しい事はなく、善行をすることでマジカルキャンディがもらえる。
他にも魔法少女はいるらしく縄張り争いもありあまり魔法少女同士が中いいというわけでもない・・。
そんな中、主人公のいる地域の魔法少女が減らされることになりマジカルキャンディが一番少ない物から魔法少女をやめさせられる事になり、やめさせられるとその魔法少女は死ぬらしい・・。マジカルキャンディの贈与機能も追加され、善行を積むより奪ったほうが早いという考えに到った魔法少女も現れ・・
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という感じ。
まどマギでは魔女という共通の敵がいましたがこちらは共通の敵という物がなく完全に成果主義になり一人が期間内に行える善行にも限界がありその為、自然とその力が他の魔法少女に向かい始めるのがこちら。
能力というのも、穴があけられる、困ってる人の心の声が聞こえる、投げた物は目標に当たる、好きな人の力を最大限に出せる、何にでも潜る事ができる、持ってる剣の大きさを変えられるなどとってもシンプルな物だけ、ただ使い方次第では善行にも殺し合いにも使える、それを互いに補う為に魔法少女達は徒党を組み、生き残るためにキャンディを集める。
ソーシャルゲームということで変身が解けると様々な年齢層だったり、事情をもった人だったりそこもしっかり作品のネタとして織り込んであってよかった。
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魔法少女モノでバトルロイヤルと言えば最近有名なアニメが出てきたが、個人的には一貫して戦い続けるという纏まりのあるコチラの方が少年漫画的で好ましい。私見も含め気になった点を挙げれば、気に入ったキャラがまさに犬死したこととソーシャルゲーム会社と魔法の国との関係が曖昧であること、オチがやや飛躍気味に感ぜられたこと。他にも作品世界に対して細かい部分の粗を探そうと思えばつつけないでもないが、魔法と知恵を使って戦うスタイルが気に入ったので感想を結ぶ。
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16人の魔法少女バトルロイヤルを約280ページでまとめるのだから殺伐さとスピード感がでてるが、それぞれの掘り下げをすると広がりがでるけども勢いが失われるのが予測される。ああもどかしい。もったいないキャラをどんどん退場させるのはぜいたくだなと感じた。
文章は時々状況がつかめないで読みなおす箇所がいくつかあった。三人称視点がうまく整理されていないのかと。
バトル物の醍醐味である必殺技はバリエーション豊かでよろしい。暇つぶしにおすすめできる作品。田舎ではこのレーベルの本を探すのは大変だった。
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後味の悪い話。ちょっとキャラ数多かったかなーといった印象。
内容としてはおもしろかったし、すらすら読めた。
誰が主人公かといえば、全魔法少女と言う名の、魔法少女育成計画のプレイヤー自身なのだろうか。
ただ一部の魔法少女たちの話があまりに浅くてもったない気もした。
長さとしては1冊でいいなーとおもった。これ以上続けられても読むかは怪しい。
まど☆マギもそうだがこういう話の最後はまとめにくいからなのか、
いまいちなんともいえない感じで終わってしまうのが勿体無い。
かといってこんな終わり方がいいといった希望もないのだが。