投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
芥川賞受賞作。
表題作品はよかった。旅と心の整理が描かれてるのが見事だった。
もうひとつは深すぎて鑑賞してる気分だった。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
不思議な味のある話だった。あきらめ、憎しみ、虚しさ、救い。芥川賞受賞後のインタビューによると、冥土=心が死んだ状態とのこと。著者の宗教観も関係しているのかもしれない。ただ、どうにも茫洋とした印象。併録の『99の接吻』は、以前読んだ『ピカルディーの三度』同様、好みでない読後感。(いや、読中も。)
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
わかっていたのだ。冒瀆の思い出をまったく無に、消し去ることはできない。だからそれは、他者――男でなくてもよかった――と交わって、薄めることしかできないのだということを。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
芥川賞受賞作「冥土めぐり」が母は良かったと言っていたので読みました。
私は読みやすかったけれど、読後スッキリしませんでした。
理不尽な家族という小さな世界の中で、ドロドロとした感情の渦を読むのが正直しんどかったです。
年齢的な深みが私に足らないからでしょうか?
20年後に読めば、良さがわかるのかもしれません。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
芥川賞受賞の表題作と「99の接吻」の中編2編収録。
どちらも、肉親だからこその、鬱屈して歪んだ愛憎深い家族関係を描いた作品。
表題作は、心を病んだ人物しか出てこない。唯一健全なのは、主人公奈津子の、体に障害をもった夫だけという皮肉さ。
夫婦での小旅行を通して、その無邪気な夫に救われるように、奈津子が家族の呪縛から、過去の自分から、解き放たれる第一歩を踏み出す。
全般的に重いストーリーではあるが、かすかな光が見えるのがよい。
人物の心の動きを描写する場面の切りとり方も絶妙で、嫌いな作品じゃない。
ところが、かわって2作目「99の接吻」。
末娘の視点から描かれる離婚した母と4姉妹のお話なのだが。
う~ん、これは…。
何故こんな話を?といぶかりたくなるような人物設定。
読みながら不快感を禁じ得ず、最後まで納得できる部分を一つも見つけられなかった。
私には合わないみたい。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
第147回芥川賞受賞作。
いまさら鹿島田さんに芥川賞か、と思いながら(失礼)読み始めたが、相変わらず巧いうえに今回は私小説的で、いつも彼女の小説に勝手に感じていた少女趣味的(女の園的なもの含む)な描写がなく、するすると読むことができた。
得がたい読後感。「救い」とはこうゆう感じなのかな、と目頭が熱くなった。なんだかとってもフランス文学的で好きだ。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
私にはかなり早かったかも。10年後に読み返したら、また違うかな。表題作は私小説なんでしょうか?かなり重くて辛かった…
借金しようが主人公のお金ふんだくろうが、金持ちの振りをして見栄をはることで、過去に浸る心と虚栄心を満たす哀れな母と弟。
お金持ちだった父は、工業高校出身だったってところが、なんとも…
ラストにようやく、母の呪縛から少し逃れる主人公。救い、なんでしょうね。
曽祖父が落ちぶれた地主で、少しリンクするところがあったので、余計にしんどかったです…
芥川賞って、特に最近は、こうジリジリ暗いようなものが多いような。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
するすると読み進めることができました。
ただ、主人公が理不尽な扱いを受けていても、反論したり、何か対策を講じようとも何もしないことにイライラとしてしまいました。
最初は太一の存在にも少しイラっとしてしまいましたが、読み進む内に救いや癒しにもなっていることもわかり、少しホッとしましたが。
主人公に昔の自分を重ねてしまってイライラしてしまったのかもしれません。
やるせない気持ちになる中、少しは光もあるみたいな。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
「冥土めぐり」と「99の接吻」の2編。
「冥土めぐり」こんな母親と弟がいたらイライラしそう。もうあれこれあてにされるなんて面倒で迷惑。さっさと関係を断ち切ってしまいそう。だんなの太一は体が不自由という点で奈津子を煩わせているようだけれど、太一の人柄という性格というかそういうところでまたちょっと違うのかなぁ。
「99の接吻」4姉妹かぁ。相当賑やかな家庭だろうなぁ。
女が集まると家族とはいえこんなものか。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
欲と見栄にまみれた価値観を押し付けられて生きてきた女、
ただすべてを受け入れて考えない男。
男の欠落が女の欠落を埋める。
気の利いた表現や小難しい言葉が並べられている訳でもなく、
驚くような人物設計がされているということもないが、
人間の本質を端的に表現している作品。
私自身が、その女と男と同じ人間であるゆえに、
異質な別物とは思えなかった。
欠落が別の欠落を埋めるということ、
俗物とそうではないもの、
過去からの脱却。
女が男との旅を経て過去を浄化し、
これまで苦しめられてきた価値観から脱却する過程がシンプルに描かれている。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
母親と弟が不快でたまらないし、夫とのやりとりにも小さな違和感を感じて、読んでいる間中、ぼやーっと霧がかかっているような感覚だった。
「99の接吻」はよくわからなかったし、やっぱり芥川賞受賞作はわたしは合わないのかな。
頭の良さそうな、上手な文章だと思うんだけれど、他の作品も読んでみたいと思う作家さんではなかった。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
芥川賞~「冥土めぐり」父は突然の脳疾患で死亡した。スチュワーデスだった母は贅沢な暮らしがしたく,勤め始めたばかりの弟は,母の贅沢に応えてカードを使いまくり,遂にマンションまで売る羽目に陥った。私はセクハラで勤めていた会社を辞めて,区役所のアルバイトで知り合った男と結婚したが,その夫も脳疾患で障害者となり,脳に電極を埋め,パートの私に頼りながらも,電動車椅子に乗って自由に行動できる日を夢見て実現した。かつて母が祖父母や兄弟と行った高級リゾートホテルが区の保養所となり,5000円で泊まれると聞いて,夫と一緒に小旅行をして,家族の柵から解放される思いを感じる。「99の接吻」下町に暮らす女だらけの家の末っ子の私は,芽衣子・萌子・葉子の姉が大好き。波風が立ったのは,下町に観光客のように暮らし始めたSに姉3人が同時に恋したからだった。3番目の姉と結婚の約束までしたが,結局そとの人に警戒せざるを得ない姉は婚約を解消したが,仲直りした姉3人は私を弄り倒す。そう,私はペット~と曲解しちゃったけど,個人的読書の記録だから良いとしよう
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
読中感、悪し。
最後は、ちょっと光がみえたかな・・。
好きじゃない。
***
サシバ渡り 10-04
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
境遇や心ない仕打ちにたいして寛容でいられる度量の大きさ、について考えさせられた。
豊かさって心的、物理的のバランスなんだよな〜。やっぱりどっちが欠けても味気ない。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
浮世離れした世界観を持つ家族の物語。
芥川賞受賞作「冥土めぐり」と「99の接吻」の2編収録。
受賞作は過去にこだわりながらも破滅している家族からの離脱の話と思うが、その先に病気で倒れた夫との幸せがあるのかよくわかりませんでした。
もう一方の作品の方が、耽美で昔ながらの文学的雰囲気の中に現代の固有名詞などが頻繁に出てくることにより、隔絶された姉妹の世界が伝わりました。
2作品とも現代の中で近代世界に生きる人を描いているように思い、それが純文学的な感じを醸し出しているように思います。