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離婚後(?)現在と結婚10年前過去を行き来して物語が進んでいく。
大学助教授と結婚した森子だったが、気持ちが徐々に離れていく。
それは今に始まったことではなく、新婚時代にも違和感を感じており、小さな綻びがだんだん大きくなっていき、森子は三行半を下してしまう。
こう書くとドロドロした内容と勘違いなさる方もいらっしゃるかと思うが、森子とモーちゃん(夫)の関係が子供っぽいため一種独特の雰囲気があるためクスリとしまう場面も多々ある。
でも、やっぱり世の夫が読むとショックを受けそう(苦笑)
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「夫としては好きでなくなった」と家を出た森子と、結婚して夫と共に暮らし始めた10年前の森子、交互に語られる日記風の物語。
幸せいっぱいの新婚生活にも、10年後の別居を予感させる「何か」が潜んでいる気がした。
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朝倉かすみは平易な言葉でずばずばと心に斬り込んでくるから恐い。
自分が隠そうとしていたこととか、思い込もうとしていた事とか、信じようとしていた事とか。
途中までは星五つだったんだけど、最終章のキレが悪かったので四つにした。
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夫婦の話。好きじゃなくなったから暮らせない、なんて、男性には理解しがたい考動なのだろうな、と思った。男性と女性は脳の構造や回路が違う。それを大前提に日々を暮らしてみると(今まで腹を立てていた主人の言動の)大抵のことは赦せるし、かわいいとさえ思えてくるのに。
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森子46歳。祐一49歳。結婚生活10年を迎える。元日の朝、森子の発言が平穏な結婚生活を一変させた。妻が夫に別れを告げるとき―。移ろい行く夫婦の心情を綴る、長篇小説。
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これ以上望めないくらい言うことのない人と結婚し、仲好く愉しく欠けるところのない結婚生活を送っていたはずだった。それなのに十年の間に、何がどう変わったというのだろう。状態は何も変わっていないのに、心の在りようだけが変わってしまったのか。男と女の感じ方の違いとか、しあわせの価値観の違いとか、だろうか。おそらく女性なら誰でも「わかるわかる」とうなずく場面があるのだろうと思う。言葉にするとほんとうのことからどんどん遠ざかるような理由を並べても、虚しいだけである。夫として好きじゃなくなった、それに尽きるのだ。ほかにどうしようもない森子にそっと寄り添いたい一冊である。
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離婚にむけて進みだした主人公、
最後に元サヤだろう…と予想しながら読み進めたけど
そこまでの結論には至らずに終幕。
彼女が離婚しようというのは、
しみじみと幸せな結婚生活は何かが合わなくて、
気楽で身の丈にあったと感じるひとりがいい、
ということなのだろうか。
友達同志のように気があって、
でも少しずつだけど夫に不満もある。
つもりつもって…ということ?
でもそれだけじゃない気もするし。深いのか、よくわからないだけか、自分でもわかりません。
どっちにせよ幸せ? そゆこと?? …かもな。
ちなみに、"今"と"10年前(結婚当初)"の描写を交互に読み進めるうちに、なぜか自分のダンナが愛しく思えて、自分は幸せ…という気持ちに不思議とさせられた一冊でした。
人の不幸見て、ってわけじゃないです。実際、主人公は今も昔もそれなり・それぞれに幸せなわけだし。
なんか、夫婦の日常をのぞいているだけで、自分はどうだ、こうだ…と考える、見つめなおすきっかけ→ほんのり幸せになる、という構図だったとおもいます。
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〈内容〉森子46歳。祐一49歳。結婚生活10年を迎える。元日の朝、森子の発言が平穏な結婚生活を一変させた。妻が夫に別れを告げるとき―。移ろい行く夫婦の心情を綴る、長篇小説。
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大学教授の夫・祐一と結婚生活10年目を迎えた専業主婦の森子が主人公。
46歳、子供はいないが平穏で安定した日々を送っていたけれど、唐突に離婚を決意し家を出る。
初めての一人暮らし、10年ぶりに始めた仕事はビルの清掃、風呂に湯船はない、質素倹約に勤しむ貧乏暮らしだけれど森子は満ち足りた暮らしを始める。
新しい生活とかたくなに離婚を拒む夫との平行線が綴られる。
女性は一回嫌いになると、もう何があってもその気持ちは消せないという部分がよく出ているなと思った。
別居中の現在と、新婚当時の2軸交互に物語は進む。
夫のすべてが愛しくて些細なことが楽しくてウキウキしている新婚時代が描かれているけれど、だからといって現在がことさら悲壮で展望のない世界には見えない。
だから余計に、こんな過去と未来もひと続きの世界なんだと思わせられるのかも。
地の文やテンションはそう変わらないのに、
たとえば夫を「モーちゃん」と書く新婚時代から、「あちら」と呼称されている別居中の現在の対比がほどよく効いている。
新婚当時の夫も外野の目から見たらイラっとする部分があり、ほころびの兆候は見いだせる。
ひとつひとつの物事の受け止め方が、現在と過去で違うところが面白い。
独身だったり新婚だったり主婦だったりと、読み手の立ち位置によって読み方も感想も変わる物語だなと思う。
いろんなステイタスの人が集まって感想を語り合ったら楽しいだろうなと思った。
朝倉さんの話は合うものとそうじゃないものがパッキリ分かれるけれど、今回は波長が合った。
でも久しぶりに『肝、焼ける』を読んで、初期の作品にあったとっつきにくさとか、こちらを突き放す感じがなくなってきたなあと気づき、この慣れは長い目で見るとあまりよくない傾向かもしれないと思いもした。
私が朝倉さんの本の読み方に馴染んできたという以上に、やはりこなれてしまったのではないかと思ってしまった。
ただの杞憂であればいいけれど。
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結婚生活って、結婚式をピークに少しずついろんなものをすり減らしていくものなのかもしれない。
子どもが生まれりゃまたピークが現れるのだろうけど。
大好きだった人と一緒にいる幸せや、大好きな人に心地よくいてもらいたいという気持ちや、そんなあれこれの代わりに自分のあれこれが少しずつ減っていく。
そんな日々に目をつぶったり目をそらしたりしてお互いに寄り添っていけるかどうか、それが分かれ目なんだろうな。
「モーちゃん」が「あちら」に変わってしまった、その瞬間が切ない。
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著者がご自身の作品に対して使っていた"白朝倉"、"黒朝倉"という言葉(形容?)を真似れば、灰朝倉、かな(笑)ピュアなのかもしれず、それ故の悪なのかもしれず、でも実際こういうことあるよなぁ、グレーだよなぁ、というような。
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ふたり(夫婦)でいるより
ひとり(別離)の方が幸せ。
生活的にはふたりの方が裕福で贅沢で
ひとりになるとパートしてアパート暮らし、なんだけど、
ひとりの時の物語の方が、主人公(森子)が自分を生きてる感じがした。自分の人生は、人が決める人生じゃないんだよ、と実感。
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題名とは裏腹に離婚したくて別居している夫婦の嫁の物語。
で、幸福な日々ってのは、結婚に至るまでか、婚姻期間か、別居期間か? その全部なんだろうけど。
ダンナの目線で見たら、怖いですね。
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結婚して10年、幸せな日々を過ごしてきたはずなのに、妻からの唐突な別れの宣言。妻の気持ちがよく分からなくて最初はもやもやしてたけど、読み進めるうちにだんだん、主人公(妻)の気持ちが分かってきた。
現在と過去を交互に丁寧につむいでいく展開が良かったのかな。
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もう少し共感できるかなーと思ったが、そうでもなかった。森子さん、ちょっと我儘なのでは?と思ってしまいます。
消光=その日その日を暮らすこと
夏目漱石は「I Love You」を「月が綺麗ですね」と訳したそうです。
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某書評家さんが絶賛していたので借りてみました。
結局結論は・・・?
既婚の人が読んだら共感できるのかもしれないけど、
未婚の私にはちょっとしっくりきませんでした。