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レヴィ=ストロースの構造主義人類学を、静的な社会構造の分析方法として捉えるのではなく、西洋的主体が他者に向ける「まなざし」を、他者から向けられる「まなざし」との交錯の中に開こうとする、人文科学の方法論上の冒険として捉えようとする試みです。
西洋中心の進歩史観がもはや成り立たなくなって久しいものの、単なる文化相対主義も、自己の同一性を疑おうとしない点で、同じ前提に立っていることは、あまり省みられることがありません。著者は、モンテーニュの懐疑主義とレヴィ=ストロースの人類学の立場を比較することで、単なる文化相対主義を越えて、いまだ到来しない他者のために自己のスペースを開けておくことで、自己の同一性に亀裂を走らせる可能性をみようとしています。
比較的コンパクトなサイズの本ですが、レヴィ=ストロースの思想がいまなお新しいインパクトを人びとに与え続ける理由を探ろうとする、冒険的な内容の本だったように思います。
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レヴィ=ストロースの思想の足跡を、その主な著作に触れながら追っていくという作業は、よほどその内容を理解していないとなかなか難しいであろうことは想像に難くない。ましてや、それを一般の読者に理解できるよう著述するとなれば尚更である。
巷間に数多ある解説書の中でも、これはわかりやすいと言える部類に入るのではないか。著者の力技であろう。
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レヴィ=ストロースの著名な作品を取り上げながら、レヴィ=ストロースの思想がどのようなものだったのか解説する本。
レヴィ=ストロースの著作を読む前に軽く理解できるかと思って読んでみたけど、後半は難しかった。
レヴィ=ストロース以前の学者の著作の話が出てきたりして、そもそも構造主義をあんまり理解してないから着いていけない部分はあった。
単純に進んでいる文化と未開の文化という対立ではなく、それぞれの立場から見ることで見方が変わり、進んでいるとか未開という視点ではなくなる。