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時代背景のせいか、暗い印象の上巻。
でも、読める。
というか、途中からとまらないよ。
ラートってどうなのと思いながらも、読んでしまいますよ。
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「濡れた魚(上下)」
1929年春のベルリン。ゲレオン・ラート警部がわけあって故郷ケルンと殺人捜査官の職を離れ、ベルリン警視庁風紀課に身を置くようになってから、一ヶ月が経とうとしていた。殺人課への異動を目指すラートは深夜に自分の部屋の元住人を訪ねてきたロシア人の怪死事件の捜査をひそかに開始するが・・・。(上のあらすじ)
ラート警部の捜査がじっくり描かれている、それが上巻の印象です。例えば、あらすじに登場する元住人とラート警部を訪ねてきたロシア人を殺した犯人の捜査は中盤から登場しますが、聞き込み、潜入、警察内部でのいざこざなどが丹念に描かれ、なかなかラート警部が目指す犯人と元住人は見つかりません。
なので、ともすると退屈すぎる印象を受ける可能性もあります。私も読み始めは退屈でした。しかし、丹念に描かれている捜査一つ一つが目的のロシア人に繋がっていることやラート警部の捜査への拘りが見えてくることで次第に楽しめるようになりました。また、捜査中でラート警部は大きな危険を背負うことになります。これも読み飽きなかった大きな理由です。その危険とは刑事生命を脅かすほどで、こんな危険を背負う刑事は久々に見ました。これが善なのか悪なのか・・・。
さらに、特筆なのはラート警部の心情が良く登場すること。彼は殺人課への移動を目指していましたが、そのことで先に述べた危険を背負ってしまい、その後悔が正に痛恨となってます、また、父が警視長であることから息子としての小ささを感じたり、警察内での立ち位置に苦慮したりとまさに常に何かと隣り合わせ。
そんなラート警部の捜査と事件の真相は一気に下巻で加速します。しかし、上巻で丹念に描かれていた捜査の描写と「革命」という社会情勢を絡ませた展開は健在です。私はそんな下巻を「実業家マルロウや歌姫ラーナに挑むラート警部に付いて行けば何やら見えてくるはず」という気持ちで読みました。そして得た最終決着、まだまだ彼への判断は置くべきだろうか。
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伏線が配置されてゆく過程は、
面白く読める。
大風呂敷が広がりかけているが、
下巻でうまく収束し、
納得させてもらえるのかがちょっと不安。
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1929年、春のベルリン。
わけあってベルリン警視庁の風紀課に身を置くようになったラート警部は、殺人課への異勤を目指してロシア人の怪死事件の捜査を密かに開始する。
今ひとつラートの人間性に好感が持てないまま、下巻に続く。
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1929年のベルリン警視庁風紀課にゲレオン・ラートが赴任。殺人課への異動を希望するラートは、独自に殺人事件の捜査を行う。
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舞台が1929年のベルリンという事で、この先の歴史を知っている所為で、話の内容以上に、読んでいてとても息苦しかった。
冒頭が一番刺激的で、その後はジリジリと話が進まず、登場人物も、主人公のラートも含めて、特別心惹かれるキャラクターがおらず、折角の舞台設定なのになかなか世界観に入り込めなかった。
事前に評価の高い書評ばかり読んで期待値を上げてしまった事もあり、ちょっと残念な印象になってしまって、失敗したなぁ。
下巻は事件が解決する(筈)なので、上巻より動きも出て面白くなるだろうと期待。
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1929年ドイツのベルリンが舞台。殺人課への異動を希望している風紀課の警部が主人公。深夜自宅を訪ねてきたロシア人が死亡した捜査を開始するが単純な事件ではなかった。。という感じ。たくさんの人が出てきて、いろいろ入り組んでなんだかまとまりがない印象が残る。「濡れた魚」が迷宮入り事件を指すことを知った。
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[ひたひた]訳あってベルリンの風紀課に左遷させられた 警察官のラートは、手柄を挙げようと犯人の目星がまったくついていないロシア人殺しの調査を始めることに。ベルリン警察で言うところの「濡れた魚」(注:未解決のまま葬り去られる事件)になることが予想されたその一件だったが、ラートは思いも寄らぬ背後関係を知り、自らも命を狙われることになる......。1929年の ベルリンという目まぐるしい時代をバックグラウンドに据えた本格派ミステリー。著者は、本書から始まるゲレオン・ラート・ シリーズでベルリン・ミステリ賞を獲得したフォルカークッチャー。訳者は、ドイツ文学翻訳家として名高い酒寄進一。原題は、『Dernasse Fisch』。
警察内部の入り組んだ人間関係、共産党とナチの前身の目まぐるしい綱引き、そして良い意味でも悪い意味でも人間臭い主人公とくれば面白くないはずがない。誰が正しいか、誰が悪いのかの境界線をあやふやにしながら、怒濤のラストまでぐいぐいと読ませるその筆力はお見事。 1年に1回ペースで本シリーズの新刊が発売されるらしいのですが、今後も読み続けたいなと思わせてくれる作品でした。
また、戦間期のドイツ・ベルリンという舞台と、その舞台を事細かに、非常に緻密に小説の中で浮かび上がらせている点も最高。実在した組織や人物を巧みに小説に織り交ぜてくるあたりで、物語の「実感」が格段に増していますし、ドイツを始めとした当時の事情に「あたり」のある人であれば、なおさら本作を楽しめるのではないかと思います。
〜人生は厳しいのよ、警部さん。〜
題名がなんともイイですよね☆5つ
※本レビューは上下巻通してのものです。
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「悪女は自殺しない」の後ろの広告で見かけて。
とにかくスリル満点。
ハラハラドキドキがとまらない。
しかし、それはジェットコースターに乗っているような、
計算された筆者の思惑に振り回されている洗練された感じではなく、
暴れ馬に乗っているような、
いきあたりばったり的な野放図な感じ。
殺人事件が起きるのはもちろんだが、
主人公の刑事の秘められた過去、
本来の役目である風紀課の手入れ、
経験豊富だが癒着のにおいのする相棒、
こそこそと探りまわる新人刑事、
未亡人の大家や美人の速記秘書との逢瀬、
ロシア貴族の金塊、
コカインに中国人と盛り過ぎ。
(下巻に続く)
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シリーズ① ゲレオン・ラート刑事
1929年 ベルリン内の東と西の格差 ロシア人たちの裏社会
ラートが10才近い年上の大家さんと飲んだ勢いで…、ってとこで少し冷めた
ぼんぼんラートが仕事もプライベートもトントン拍子に行くにつれ、読んでるこっちは、段々読むモチベが下がっていく。
こりゃ、下巻読まないなぁと思っていたら最後の最後にラート自ら爆弾投下
や~っと面白くなってきたので下巻にいこか
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やた、久々に読めるシリーズ登場。
ヒル亡き後、読めるミステリー新作がなかなかなくて困ってたところ。
ドイツ近代史ミステリー。
歴史がクローズアップされてるわけではなく、あくまで事件の背景。
構成要素のバランスがよく、すんなりと小説の世界に入り込める。
気が散らずにその世界に入り込める作品こそ良作、全8作で完結するとのこと。
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ドイツの作家「フォルカー・クッチャー」の長篇ミステリ作品『濡れた魚〈上〉〈下〉(原題:Der nasse Fisch)』を読みました。
「レベッカ・キャントレル」の『レクイエムの夜』に続き、第二次世界大戦前のドイツ・ベルリンを舞台にした作品です。
-----story-------------
*第6位『IN★POCKET』2012年文庫翻訳ミステリー・ベスト10/読者部門
*第7位『IN★POCKET』2012年文庫翻訳ミステリー・ベスト10/総合部門
*第7位『IN★POCKET』2012年文庫翻訳ミステリー・ベスト10/作家部門
〈上〉
1929年、春のベルリン。
「ゲレオン・ラート警部」が、わけあって故郷ケルンと殺人捜査官の職を離れ、ベルリン警視庁風紀課に身を置くようになってから、一ヶ月が経とうとしていた。
殺人課への異動を目指す「ラート」は、深夜に自分の部屋の元住人を訪ねてきたロシア人の怪死事件の捜査をひそかに開始するが……。
今最も注目されるドイツ・ミステリが生んだ、壮大なる大河警察小説開幕。
〈下〉
怒濤の日々を送るベルリン警視庁の「ラート警部」。
ベルリンを震撼させる殺人事件の謎、消えたロシア人歌姫の消息、都市に暗躍する地下組織、ひそかにベルリンに持ち込まれたとささやかれる莫大な量の金塊の行方……。
予測不能の成り行きで、絶体絶命のピンチに陥った「ラート」に光明は射すのか?
転換期の首都と人を鮮やかに活写する、傑作大河警察小説。
ベルリン・ミステリ賞受賞作。
訳者あとがき=「酒寄進一」
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ベルリン警視庁殺人課「ゲレオン・ラート警部」シリーズの第1作… 好みのタイプの警察小説でしたね。
■Ⅰ ラントヴェア運河の屍体 1929年4月28日-5月10日
■Ⅱ A課 1929年5月11日-5月21日
■Ⅲ 真相 1929年5月22日-6月21日
■訳者あとがき
1929年、春のベルリン… 「ゲレオン・ラート警部」は、地方都市ケルンから流れてきたやさぐれ刑事、、、
大都市ベルリンにどうも馴染めず、風紀課(E課)に配属されて腐っている… 殺人課(A課)への栄転を望む彼の下宿に、ある夜、得体のしれないロシア人が押しかけてくる。
しかも数日後、その男が無残な屍体となって発見された… 「ラート」は、これぞ千載一遇のチャンスとばかり、ひとりで秘密捜査に乗り出す、、、
ベルリンの夜の歓楽街に暗黒街、体を張った秘密捜査は思わぬ展開を見せることに… ベルリンを揺るがす殺人、消えたロシア人伯爵令嬢の消息、陰謀と罠が渦巻く巨大な事件に巻き込まれ、絶体絶命のピンチに陥った「ラート」の命運は!?
手柄をあげるための単独捜査により上司や同僚から疎ましがられ、警察内部に敵がいることに気付き、信頼できる仲間がないという四面楚歌の状況下で孤軍奮闘する「ラート」に感情移入しつつ読み進めることができました、、、
濡れた魚という言葉は、未解決事件・迷宮入り事件を指す隠語なんだそうですね… 組織を守るための隠蔽により、またひとつ濡れた魚が増えちゃいましたが、これが次作以降にどう影響するのかな?
「ラート」と「���ャルロッテ・リッター(チャーリー)」の恋の行方も気になりますね… 第3作までは邦訳されているので、是非、読みたいですね。