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ゲレオン・ラート警部を中心に、一部に実在の人物も混ざっているという多彩な劇中人物達が「1929年のベルリン」を舞台に、アクション在り、謀略在り、推理在りの物語を織り成す…何か多くの人物が「表向きは…しかし実は…」というような二面性を見せていて、なかなかに面白い…
本作の題名になっている「濡れた魚」という言葉だが、これは当時の警察関係者が用いていたという符丁で、「未解決事件」という意味だ。作中でも、劇中人物達が何度か口にする。正しく「“未解決”に終始するとも思われた一件の意外な進展」というのが、本作の物語である。
本作全般が醸し出す「1929年のベルリン」という雰囲気がなかなかに嵌る…そして興味深い…
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面白かった―。
ラートって、と思ってたけど
あんなにやつれるまで悩んで、好感度が上がった。
警察署長も素敵だ。
下巻はすごくスピーディな展開で
勢いがありました。
そして面白かった。
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“濡れた魚”とは、未解決事件を表す当時の隠語らしい。時代は80年以上前だが、時間のギャップを感じない。
序盤はスローペース。警察幹部を父に持つ主人公の成長モノかと思い読んでいたら、上巻後半から途端にきな臭くなってくる。陰謀が大きなくくりではあるのだが、それに端を発した二次的三次的事件の方がインパクトも強く、最終的にはこちらがメインになってくる。散らかりやすいストーリーの手綱を握って読者をスムーズに誘導させる手腕は作者の才能なのかな。
組織内のゴタゴタや、主人公が窮地に立たされる局面など、国内警察小説とよく似た印象。この時代でなければならないという理由が思い当たらず、いっそのこと現代小説でもよかったんじゃないかと思ってみたり。上巻下巻でテンポが変わってくるのが残念。特に下巻の後半は怒涛の展開。上下巻ではちと長いネタでしょうか。でも一冊だと豊富な内容がはみ出してしまうといった感じかな。全体のバランスが良くなればリピートしたいシリーズ。
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ラート感じ悪い!ラート感じ悪い!
…
チャーリーだめんずうぉーかー!チャーリーだめんずうぉーかー!
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1929年という、大恐慌直前、ナチスの台頭期から独裁政権期に至る時代、しかもベルリンを舞台とする。
(解説で)言われていれば確かに、ナチを扱ったエンターテインメントは、ドイツの作家ではあまり聞いたことがないように思う。英米の作家がいきいきと描いて、独壇場であったかもしれない。
登場人物が多く、翻訳ものの多くがそうであるように名前が入り交じって最初入れるかな?と思うけれど、キャラがくっきりしているので、比較的つかみやすい。
「刑事であることを明かした以上、弱みは見せられない。この街ではやさしさと弱さは同義なのだ。」上154
とも言うが、しかしこれはハードボイルドではない。
これは決してハードボイルドとはなり得ない、と思うのだけれども、どうだろうか。
しかし、主人公であるラートという人、よくわからない。
ある1点において、私はどうしても理解が出来ず、そこでちょっと気持ちが離れてしまう。
またチャーリーも、登場してきた最初のほうではとても魅力的なのに、場面が進むにつれ、なんかフツーの女になってしまって残念である。もっと「キレキレの出来る女」をやってほしかったんだけれど。。。
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興味深い時代背景の物語。
主人公が好きとか嫌いとかではなく、
やや理解し辛いひととなりに、
作品から少し気持ちが離れてしまった。
残念。
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大恐慌直前のドイツを鮮やかに描いていて、その辺はとても興味深い。
ドイツ人の描くドイツは、やはり他の作家の筆から織り成されるものとは一味も二味も違う。
そしてドイツ人のイメージが激しく覆される。
ただなんちゅーか、ラート…。
それはお咎めなしなの? それでいいの?
当時はそういうものだと納得するしかないのかなぁ? でもやっぱり引っかかってしまうんだよなぁ。
刑事を目指してやり手ばりばりのチャーリーの道が途中で行方不明になってしまったのも残念。
この辺、続刊でどうにかなるんだろうか?
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年末休みに一気に読みました!
この先どういう展開になるのかワクワクしながら楽しく読めました♪
1929年のBerlinの情景を想像しながらラート警部の仕事ぶりを公私にわたり共有できたかな?
はじめは「Der nasse Fisch(濡れた魚)」って何?と思ってましたが、読んで解決!
ドイツに興味がある方にはおすすめに一冊です。
ラート警部の物語はまだまだ続編があるようなので、次の翻訳版(Der stumme Tod)を楽しみに待ちたいと思います(^^)
原作が読めるといいんですけどね…
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微妙。主人公の倫理観がよくわからない上に、恋人が最初魅力的だったのがどんどんただのおバカさんになり、舞台設定や人物描写、話の筋は魅力的なんだけれど、、、いや、ラート、それでいいのか。
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ナチスが台頭してくる頃のベルリンの時代小説としてはおもしろい。
実在の人物も組み込まれ、時代の雰囲気を感じ取れる点で続きは気になる。
けれども、主人公があまりに魅力的でない。
野心はあるが、自己弁護のための正義感しかなく、その点では読み進めるのが難しかった。
主人公以外の登場人物は、個性的でそれなりに魅力的。
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下巻になってもなかなか勢いに乗れず、随分と読み終えるのに時間が掛かってしまった。
主人公のラートの人物像が、自分の中で全く固まらなかったのが一番の原因かな。
その所為で、彼がどんなに窮地に立たされても、全くハラハラしなかったし、事件があんな風に終わっても、特に何も感じるところがなくて、とても残念。
シリーズの第二作目がもう翻訳されているけれど、読むか迷うところ……時代背景はとても魅力的なので、これ一作で止めてしまうのは勿体ない気もするし、また話に乗れなかったら、それも辛いし……うーむ。
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物語の舞台設定とかそういうところはすごく興味深いというかおもしろいんだけれど、事件解決のヒントが主人公に都合いいように手に入ってくる風だし、なにしろ主人公にまったく魅力を感じずそれどころか嫌悪感まで覚えてしまって、そのせいかひどく読み進み難かった。
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1929年ドイツのベルリンが舞台。殺人課への異動を希望している風紀課の警部が主人公。深夜自宅を訪ねてきたロシア人が死亡した捜査を開始するが単純な事件ではなかった。。という感じ。たくさんの人が出てきて、いろいろ入り組んでなんだかまとまりがない印象が残る。「濡れた魚」が迷宮入り事件を指すことを知った。
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エレオン・ラート刑事シリーズ第1作。舞台は第二次大戦前のドイツ。ソ蓮と微妙な関係にあり、社会民主党や共産党などが入り乱れて政治的に複雑な状況下、ロシアマフィアや軍部、そしてプロイセン国家警察の裏の関係に翻弄される主人公を描く。酒寄氏の翻訳の迫力とスピード感がいかんなく発揮されて飽きない。ただ、主人公がどういう人物なのか今一つピンと来ないのが残念だ。
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1929年のドイツ、ヒットラーが台頭していたベルリンが舞台の警察ミステリー。
主人公のラートは、ヒーローからは程遠い存在で、彼の葛藤や苦悩に一喜一憂させられる。途中辛くなって、しばし本を置いたぐらい。
だからこそ、クライマックスからラストにかけて、読んで良かった、という感を非常に強くさせられた。
シリーズ物だそうなので、次作の翻訳が待ち遠しい。