紙の本
イスラエル国家を知る為に。
2012/08/25 20:25
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:オタク。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
イスラエルの歴史や主なユダヤ教の風習、文化を知る為にコンパクトにまとめられた良書である。イスラエルについて、ベッタリと言えるほどの本か、あるいは「シオニスト国家」と冷たく記した本が結構あるので、得難いものだ。
ドイツとイスラエルとの関係について記されているところを読んでいて、イスラエルとオーストリアとの関係はどうなっていたのかを知りたくなった。
イスラエル国籍を持つアラブ人について、もっと記してもよかったのでは、とも思った。イスラエルの人口の2割を占めているアラブ人については、何故か無視されがちだから。
メア・シャリームについて他の本ではイディッシュが使われているとあるが、この本ではヘブライ語が使われているとあるのは意外だった。住民を占める超正統派ユダヤ教徒達はヘブライ語を忌避してイディッシュを話していると今まで読んできたから、分からないものだ。
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「一瞬も退屈のない国」
イスラエル人は自国のことをこう評すらしい。
初聞では、なんと悠長な、と不審に思った。未だ緊張感がありいつども果てぬ国、というのがイスラエルへ対するイメージだった。
しかし、近くて遠い彼の国を語るにはあまりに相手を知らなすぎる。ということで、本書を手に取った。
読んでみて驚いたのは、その多様性だ。
アラブ諸国に囲まれたユダヤ人国家、ということでさぞかし国民が一体となって国を形成している、と思いきや、そうえもない。
イスラエル人2人がいれば政党が3つできる、という国民性通り、全国統一一区制の比例代表は多党制を生み出し、議論はすれど意見はまとまらない。立場を異にする議論好きが集まるんだから当然だが。そのために憲法制定も延期され、今は基本法が最高法となっている。
国民の民族・思想の多様性もあり、外事のみならず内事へもかなりの労力を注ぎ込んでいる模様。アメリカは類似の国民構造を持っているように思うのだが、成立の背景、時代・地理的状況の違いからかここまで複雑にはならなかった模様。
全部を理解することが難しく、ちょこちょこ表面をなぞる程度にして読んだ箇所もあるが、イメージから一歩進んだ事実に肉薄できた、ように思う。
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イスラエル企業の活躍を最近、仕事でよく目にします。その割には馴染みがないし治安が悪いといったイメージしか持ち合わせていない自分がいました。
へえ、そーなんだ と驚きの連続。情報も新しいし。
さて、イスラエルの公用語はご存じですか?
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知っているようでよく知らなかったイスラエルという国のことが朧げながらわかった。
全てのユダヤ人が必ずしもユダヤ教徒とは限らないし、安息日に何にも仕事をしない(電話すら禁止)というのも敬虔なユダヤ教徒限定ということもわかった。肉と乳製品を同時に食べることは厳禁で、イスラエルのマクドにはチーズバーガーがないとか驚き。
しかし、シオニズムの実態や核武装疑惑とか諸々から、何ともきな臭い国だと思った。
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2010年9月に悲願だったOECD加盟を果たして、名実ともに先進国の仲間入りを果たした。
イスラエル社会は時にイスラエル人が芸術的なディベート文化と自負する、誰とでも率直に意見を述べ合う土壌がある。
イスラエルにとって安定的な武器供給源の確保は死活問題であった。最初はチェコから後にはフランスから供給してきた。しかしどちらも親アラブ路線に転嫁した事実が示すように、いつまでも武器を打ってくれる保障はなかった。こうした状況下でイスラエルは西ドイツとの軍事協力の可能性を探り、国内の反ドイツ世論とは裏腹に、早期の国交樹立を求めてきた。