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“降臨の野”での奇跡から11年。
エリンは<堅き楯>であったイアルと結婚し、ジェシという息子を授かっていた。
ある日大公に呼ばれたエリンは、闘蛇村で起きた<牙>の大量死の原因を探るよう命じられる。
その真相を探るうちに、次々と出てくる新たな謎。
母ソヨンが秘していたこと、遠き民の血筋、王祖ジェと闘蛇・王獣のつながり。
そして真王ヨジェの命を受け、ついにエリンが腹を括る・・・。
あ~あ、読んじゃった。うっかり開いたら、予想通りの吸引力で一気読み
・・・これは、本当に「完結編」でしたね。
見事に終わってしまいました。
Ⅰ・Ⅱと比べ、非常に重たい雰囲気を感じました。
それはエリンが大人になり母になり、しがらみや守るべきものができたからなのか。
Ⅲ・Ⅳは国家的政治的な思惑が強すぎて、エリンの「王獣を野に放ちたい」という思いとは真逆なことを強いられている姿が痛々しかったです。
そのぶん親子や周囲の人々とふれあうシーンはほっとさせられました。
あのエリンが母になって、息子のことでハラハラさせられているなんて。
そしてイアルの予想外のよき父親っぷり。
なんとも微笑ましい。
とはいえ、それは傍から見ての姿で、ジェシにとっては・・・。ってところがまたキツいんですが。
そしていつか訪れるであろう破綻を想定しながらの暮らしは、やはり痛々しいものがありました。
なんだかすごく大人向けな印象。
エリンはもちろん、セィミヤにしても重大な決断を迫られ、そして起きたことの責任をとらされる。
いくらでも深読みできてしまいそうです。
それにしてもなんなんでしょうね、この虚無感。
ラストもエピローグも申し分ないのですが、ものすごい虚しさを感じているのですが。
結局、エリンのしたことってなんだったんだろう。
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「探求編」から更に2年後から始まる「完結編」。探求編の最後で決意したからには、この2年間は敢えて描くまでもなかったということだろう。
物語の性質からいって「みんな仲良く暮らしました」みたいな大団円はありえないだろうとは思うものの、物語を何処に着地させるのか全然見えない展開。
最終章冒頭の二行を見て「嗚呼!そう来たのか」と思った。あとがきによれば上橋さんもこの場面が立ち上がったからこそ執筆できたのだとか。
群れて生きる人という生き物の原罪を問う物語。
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ファンタジー好きなので、一気読みしました。人間の愚かな性や、命の尊さ、知識を後世に伝え広げることの素晴らしさや、真実を追い求めることの過酷さなど、考えさせられる内容がてんこ盛りです。がしかしファンタジーが苦手な人にはオススメしません…。
誤ちを犯さぬように全てを閉ざすのでは無く、誤ちが何故起こったのかその原因を説明し起こらぬようにはどうすればよいかということを考えさせる、エリンの子育てには非常に共感させられました。子供いないけど。
『泳げない子供に対して、水に近づくことを禁止するのか、泳ぎ方を教えるのか』どちらを選択するかとしたら、泳ぎ方を教えるでしょう。いくら水に近づくことを禁止したとしても禁止されている理由がわからなければ、水に入ったらどうなるのかということがわからなければ、いつかは水に近づくことになるでしょうから…。要はこの話ってそういうことかな。
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時間の進みがすごく速かったです。
ジュシの反抗期も意識して書かれていたのではなかなっと思う場面も・・・
最後の王獣と人間の親子がすれ違った場面はぐっとくるものがありました。
※リランが着地してから、音無し笛を吹くのじゃダメだったの?って疑問はおいておきます。
死してなお、ジョウンおじさんに育てられていたころのエリンが頭に浮かぶので、時が経ったことを実感させられます。
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凄まじいまでの
臨場感、切迫感、焦燥感、現実味。
感情移入なんてもんじゃない。
拝読中はもちろん読了後数日間に至るまで
エリンとその家族のことばかり考えていた。
渦巻く陰謀、食い違う思惑、迫り来る運命。
それらに対するエリンとその夫の決断。
劇中の一場面をこうもたやすく回想でき、思い出したその一場面から連鎖的に主人公の歩みが胸に去来して場所も問わずに涙が目に浮かんでしまうほどの威力を持った小説など、本作以外にはまだ知らない。
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いつの時代も避けられない争い。闘い。
人の縄張りを荒らして、闘いを繰り返すのは悲しい人間だけだ。。
他の生き物がどの様に共生しているかを、もっと勉強して
人間も考えるべきだ。
強大な力を持つと人知を越え最終的には、制御出来なくなる。
本当の過ちを犯す前に、立ち止まる必要がある気がする。。。
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ハードカバーで読んだ時、余りにも容赦ない展開にラスト「読むんじゃなかった…」と正直思いました、辛くて。でも文庫のあとがきで上橋先生すらもっと違う道はないかと思いながら執筆されていたと知り、少し救われたような気がします。(でも娘にはまだ青い鳥文庫4までしか与えてないです…。)
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超ぉ、泣けました。もう何も言葉はいらないくらです、ぜひ色々な人に読んで欲しい作品でした。物語はファンタジーなのですが、今のこの世界を見回してみても考えさせられる部分が多々ありました。大切な言葉が沢山ちりばめられた、優しくて、悲しい物語でした。
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全ての謎が解き明かされます。
壮大なリョザ神王国という歴史文学を読んでいるようでありながら、
1人のエリンという運命に翻弄された女性の一生を描いた最高傑作だと思います。
読んでよかった。
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意外な結末。エリンなら、謎を解いてしまえたのでは?身に余る、力の怖さ。自然の脅威には、人は太刀打ちできないということか。
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全体を通して面白い作品だった。
しかし、最後の解明のくだりが若干急ぎ足だったのが惜しい感じ。また一部論理的な解明がなされていなかった気もする(勘違いの可能性あり)
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堂々の完結編!であります。
いや~、こんな結末になったのだなぁ。
ハッピーエンドとすべきなのか否か。
あと、3・4巻読んで印象に残ったのは、架空世界の話にもかかわらず生活風景の描写が非常に細かく、とてもリアルに表現されているというあたりです。
架空料理(しかもウマそう)とか架空衣服とか架空商店街とか、はたまたイアルさんの架空「男やもめ」生活(?)とか。
私の読了後、引き続き娘(小5)がガシガシと読み進めております。
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久しぶりに文字にしたいと思いました。
この中に生きる人達が、本当にステキでした。上橋さんの作品は、女性が強く儚い。そして男性が凛としている(男性に使う言葉ではないかもしれませんが)
結局、最後の最後まで、彼女たちは自分の力ではどうにもできない世界を見つめ、苦しみます。ただ、その中の小さな幸せ。誰もが描く「普通の幸せ」を、本当に、本当に少しの間、過ごすことができてよかったと思いました。
きっとその間、怯えたこともあったはずです。お互いの気持ちをすべて伝えきれず別れたこともあります。後悔の連続です。でも、後悔できることが幸せなんだと…新しい道を開くきっかけなんだと、教えていただきました。
ファンタジー最高。新しい作品をお待ちしております。
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良かった。それにつきる。
人物の心理はもちろん世界が音を色を温度をもって迫ってくる。
大きな歴史の流れ、途切れてもまた続いていく人の思い。
子供にも読ませたい。
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神々の山脈の向こう側へ向かうことを諦め、当初の考えを捨て
真王の意に沿って王獣部隊を編成することに決めたエリン。
そして、そんなエリンを別の角度から救おうとする夫イアル。
息子ジェシをほったらかしにしてしまう現状を悔いながらも
ふたりはそれぞれの方法で奮闘するのだが、いよいよ騎馬民族ラーザが
闘蛇部隊を編成してリョザ神王国配下の隊商都市に進軍してきて…
多数の闘蛇と王獣が相まみえる時、一体何が起きるのか。
何が起きても大丈夫なように準備をすることにしたエリンの
努力は実を結ぶのか!?
闘蛇編、王獣編に比べると、それぞれの生態に関わる部分の
物語は少なく、どちらかと言うと、国と国との争いに巻き込まれて
しまったエリンの苦悩を描く物語になっている。
ただ、もう1作くらい話を拡げられたんじゃないのかなと思う。
ロランやオムリなどの脇役にもう少しスポットが当てられたのでは
ないかと思ってしまった。
まぁ、ただそうなるとそれは『獣の奏者』ではなくなるのかもね。
その世界観で人の争いを描くファンタジーに変わってしまうのかも。
(それも読んでみたい気がするんだけど)
ラストはまぁそうなるよなというところに落ち着いた感じ。
突拍子もない方向に持っていかれるよりはよかったのかも。
個人的に、このシリーズは王獣編の途中、エリンがリランと
心を通わせるようになるところあたりまでが一番面白かった。
一番『獣の奏者』らしい部分だったしね。