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途中から話しの筋は大体読める。これだけ多くの登場人物を描き、話の端々にいろいろと回収すべき(とあからさまにわかるような)ネタを撒いたのだから、おおと思わせるような緻密なオチとか、つい笑ってしまうような巧妙で喜劇的なやりとりとか、登場人物に思い入れがもてるような細かい人物描写とかが必要だと思うんだけど、後半、特にラストはちょっと雑な感じがしなくもなく、残念。
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多くの登場人物のそれぞれが抱える事情と複層する人間関係がスリリングでスピーディに展開する見事なストーリーでした。読むにつれグイグイと引き込まれ、また単に面白いだけでなく要所要所で人との関わりの大切さを説いてくれるハートウォーミングな物語で、読後感も爽やかなとても良い小説でした。
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老舗デパートのある夜。離婚した妻と娘に見限られ失業して、生きる宛のない中年男、失恋した男への恨みをはらそうと企む女、家出した高校生カップル、警察を追われヤクザに狙われて逃げる男、汚職事件を起こしたデパートの社長に警備員達。もう後がない人達がそれぞれの理由で立て籠った閉店後のデパートの一夜で、奇跡が起こる。
登場人物が遭遇し、語し、誰かの起こした行動が誰かを巻き込むことで、登場人物の抱える闇と、ほぼ全ての登場人物が当事者の事件が明るみに出、そして、後がないと思い詰めていた登場人物達に、暖かい夜明けが訪れる。
語り部が章ごとに目まぐるしく変わるが、うまく流れができていて、とくに中盤以後のいろいろな伏線が絡み合い全容がわかってきて、スリリングにテンポよく進む展開は秀逸。初めて会ったはずの登場人物達が、共にこの奇妙な一夜をすごしたことで、共犯めいた親しみを持って終わる爽やかなラストもいい。ちょっと有頂天ホテルみたいな印象かな。よいエンターテイメント小説でした。
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深夜のデパートの中でくりひろげられる群像劇。
関わりないはずの人たちが、ばったり出くわしたり、関わったり、関わりなかったり?
どんどん状況が変わっていくところが面白かった。
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【読了】登場人物の多さに読み続けられるか心配したけれど、心配なく読めました。深夜のデパートでくりひろげられるドタバタ劇。最後に思わぬ感涙まで。真保作品は初めてでしたが一気に読めました。読後がホッとできるのは気分がいいです。実際のデパートってドロドロしているけれど基本はやっぱり楽しいところじゃないとね(笑)
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織田裕二主演で映画になった『ホワイトアウト』の原作者さんだったんですね。
それとは、大分毛色の違う本作。
帯にあった『ホロっとする』に惹かれて、手に取りました。(泣きたかったんだな、自分)
語り手がクルクルと変わる群像劇は、面白かったです。
ロマンスにも硬派な内容にも振れそうで、どうなるんだろうと…
登場人物達が、少しずつ1つの場所に集まっていくに従って、関係図も見えてきて。。。ってネタバレしそうなので辞めておきますが、まんまとホロっとさせられました、私は(笑)。
ただ、最後のエピソードだけは、今時府に落ちなくて、残念でした。
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面白かったです。
『ホワイトアウト』『奪取』と同じくらい好きな作品。
たくさんのたくさんの登場人物がそれぞれの思惑で夜中のデパートに潜むものの、それなりにつながりが出てきて…みたいな。
都合よすぎる、という面もあるかもしれないけど、それこそ小説。
素直にクスリと笑える部分もあり、最後は一気に読み終えました。
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とあるデパートの閉店後。
様々な事情、過去をもった人々が偶然同じ日に忍びこみ、少しずつ関わりをもっていく。
強引に引き合わせた感じの部分もあったけど、心温まる仕上がりになってるとおもう。
人は人と何かしらつながりをもって生きていくんだなーと。
映像化されそう。
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この人の作品には「ホワイトアウト」のようなハードなサスペンスが多い印象があったので、こうした浅田次郎さんの「プリズンホテル」みたいなドタバタの中にも涙を誘うような本もあることが意外でした。
登場人物同士の関係がちょっとこじつけ気味に感じられないこともなかったですが、それでもページをめくる手が止まらないほどストーリーテリングが巧みで、楽しめました。
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久々に真保裕一らしい、躍動感のある本です。最近は大人ぶった小説ば書いていて消化不良だったので満足です。
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そこに夢はつまってますか?
深夜のデパートで展開される、悲喜劇。
ホロリとしてください。
読み終えてまず思ったのは、伊坂幸太郎の「ラッシュライフ」に似ているなということ。
所謂「群像劇」というやつでミステリ要素の多い伊坂さんの作品の方が好みなのだが、
本作はデパートを舞台に、主に八人の視点人物による描写で構成される。
生きる希望を失くした中年男・加治川、何かを企む女性店員・真穂、
訳あり家出カップル・ユカ、鈴膳デパート社長・矢野、警備員・赤羽、
元刑事・塚原、ゼネラル・マネージャー・佐々岡、
そして八人目の老女・古島。
前述の伊坂さんに比べて、人情味溢れる描写。
カットバックによって効果的に時系列をずらして読者を引き込む(こちらは伊坂さんの方が上手)。
落としどころも見事な作品でした。
ミステリ:☆☆☆
ストーリー:☆☆☆☆☆
人物:☆☆☆☆☆
読みやすさ:☆☆☆
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入れ替わり立ち代わり…物語の根幹にあるはずの『事件』については、結局よくわからなかった。「ドミノ」に似た雰囲気。でも登場人物がずーっと少ないはずなのに、なんだかごちゃごちゃ。こういうのは、名前が覚えられないから、人物一覧がないとな。
2012/10/24読了
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装丁とタイトルにまんまとハメられた(笑)。
もっとライトなドタバタ劇かと思ってたら逆の意味で肩すかしを喰らった。
あれだけバラバラに集まってきた人たちが
ちょっとずつちょっとずつの細い関係性ながらも何となく繋がっちゃう辺りは
けっこうな力技だと思わなくもなかった(爆)。
最初読み始めたときの印象は薬丸岳さんの『ハードラック』みたいで
負のスパイラルに絡め取られて身動き取れないという感じだったけど
読んでくうちに人間案外捨てたもんじゃないかもなーという気になってきた。
マイナスのピースをこれだけばら撒いておきながら
結果ハートウォーミングなラストに持ってくのはなかなかの力量だと思う。
個人的には今野敏さんの『アキハバラ』と似た印象を受けた。読後感以外は。
他の方のレビューに「伊坂幸太郎さんの『ラッシュライフ』みたい」とあったので
機会があれば読んでみたい。
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恩田陸のドミノを思わせる展開です。
色々な人の人生が、ある日、ある場所で、交わってしまう…。
面白かったのですが、最後が正直残念でした。
色んな人の色んなストーリーがすごい勢いで出てきていたので、とても面白かったです。
でも、これを最後にどう回収するのかなー?と疑問でした。
そして、最後はやっぱり少し、分かりづらかったし強引だったかなと思います。
それが残念だったかな。
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不法侵入した数人が繰り広げる深夜のデパートでの出来事。短編ではなく、いろんな登場人物の目線でストーリーが展開されるため、ちょっぴり読みにくさもあった。警備員の半田さんがとにかくカッコよくて、最後のお母さんとの再会のエピソードが、終わりよければすべてよしみたいな感じで、いい本だったと思わせてくれる。