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ハルチカシリーズが気になりつつも、こちらから初野さんにチャレンジ。
閉鎖された遊園地には、一人の青年が守る、ペット霊園がある。
短編仕立てで、それぞれに小さな謎と切ないストーリーがある。が、悲しいかな、印象に残らないのだ。再読するならヒヒの話くらいだろうか。
ペットと人間の命の扱われ方など、若干狙いすぎ感もあり、素直に受け入れられるかどうかが鍵。
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不思議な世界だった。
動物に対する人間の傲慢さを感じずにはいられない。でも説教くさいわけではなく。
森野さんが魅力的。
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閉園した遊園地につくられた動物霊園を訪れる人々と
墓守りする青年の話。
動物と人間の接点が、ただただ悲しくて重い。
霊園の成り立ちや青年の境遇はまったくの謎。
現実世界からぽっかり浮いたファンタジー。
表題のカマラとアマラは狼に育てられた姉妹の名前。
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廃墟となった遊園地にある動物霊園と墓守をする青年な話。こうきたかーというようなトリックもある。タイトルのカマラとアマラの話(ゴールデンレトリバー)は面白かったけど、他は好みではない。
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廃墟となった遊園地の中にある、秘密の霊園の話。ミステリー的手法は分かりやすくてあまり効果がなかったが、それを差し引いても十分面白かった。表題作の「カマラとアマラの丘」が一番好き。
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「ヴァルキューリの丘」が一番好きだな。
ただ、この舞台設定ならよりえぐいリアルを連れてきた方が、浮動感(現実感のないファンタスティックな青年と場)と飛び立てない我々(そこを訪れる人々)の対比が強くなっていい気がする。割とどの人物も現実感ないんだよね。
あと、「一番大切な物を引き換え」も、あまり生きなかったかなー。
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廃墟となった遊園地に存在する動物霊園の噂。
自分の最も大切な物と引き換えに弔いをしてくれるという墓守の青年。
現代を舞台にしたミステリ仕立てのダークファンタジー。
連作短編が5編。
『退出ゲーム』で見せてくれた冒頭からラストへかけての予想外の着地はここでも健在。ただし甘さや笑いは全くないビターな味わい。
基本的に、不幸な動物たちが埋葬されるところから話が始まるので気分は重い。
夢の中に居るかのような幻想的な世界観でありながら、登場人物の職種や人となり、事件の概要は現実的で妙に生々しい。しかしその匙加減が絶妙で不思議な読み心地。
『カマラとアマラの丘』
狼に育てられた少女の有名な逸話がモチーフ。
ゴールデンレトリバー、そして心理療法士。
『ブクウスとツォノクワの丘』
雪男伝説と研究者。
『シレネッタの丘』
天才インコと殺人事件、そして密室。
事件を捜査する刑事。予想だにしない結末。
このあたりから物語がさらに凄みを増してくる。
『ヴァルキューリの丘』
ハーメルンの笛吹き男を追う弁護士。
驚愕の着地点。
この話が一番面白かった。
『星々の審判』
エピローグ的な位置付け。
ミステリを読み慣れた方ならピンとくる仕掛けも中にはあるが、それにしても語り(騙り)の巧さよ。
非現実的だと思える展開をぎりぎりのラインで「ありえるかも」と思わせる説得力。リアルとファンタジーの振り分けのバランス感覚。やっぱりこの作者は凄い。
面白かったけど「是非読んで」とお薦めはしづらい。
カワイイ表紙に釣られると、かなりどんよりした気持ちになる。
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最初『カマラ〜』みたいな作品が続くと思っていたら、それ以上に暗くて重い話ばかり。
特に『ブクウス〜』と『ヴァルキューリ〜』は読み進めるのが、辛くて怖かった。
人間のエゴと残酷さが胸に突き刺さる。
“伴侶動物”って言葉が出てきたってことは「ノーマジーン」と同じ世界?
『カマラとアマラの丘-ゴールデンレトリバー-』
読んでから序文に納得。
人間と動物の垣根を超えたパートナーっていうのが「ノーマジーン」に似てる。
リサとハナの立場が逆だったら…?
『ブクウスとツォノクワの丘-ビッグフット-』
人間は生きる為ならどこまで残酷になれるのか。
夕鶴の言い分には吐き気がするけど、実際にそうやって医学は進歩してきたんだろうな。
『シレネッタの丘-天才インコ-』
これも、読み終わってから序文に納得。
リエルが天才じゃなければ…。哀しい。
収録されている中で一番幻想的で、一番好き。
『ヴァルキューリの丘-黒い未亡人とクマネズミ-』
遊びにスリルを求めるのはわかるけど、限度を越えてる。これは最早遊びじゃない。
鷺村のその後が気になる。
『星々の審判』
唯一、希望の持てる終わり方。
ペットを飼うということは、そのペットが死ぬまで面倒をみて責任を持つということ。
当たり前の事だけど、とても大切な事なんだよな。
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ハルチカシリーズとはかなり違和感が有り。
が、そういえばハルチカも、
日常の中に放り込むには重い内容をテーマにしていたのでありました。
それを思えば本書も納得。
これがこの作者さんの本来の姿なんだろうか。
むしろハルチカの明るさが異質だと考えれば、
そちらのシリーズで感じる軋みのようなものも無理はないのか。
描いているのは非現実的な世界だけど、
作者の深い感情が感じられ、地に足のついた作品だと思う。
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廃墟の遊園地に大切なものとひきかえに動物を埋葬してくれる丘がある…。丘の名前があまりしっくりこなかったのであえて横文字じゃなくて漢字で名付けてもよかったんじゃないかな。動物にとってひどい話も多かったけれど、胸が潰される程の痛みは無かったのは、大切に埋葬してくれる相手がいてくれるということが、せめてもの救いと感じたからか。墓守の森野という動物サイドの存在がいたからか。
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ハルチカシリーズ以外の初野晴さんの作品を初めて読みました。
すごく重いけど、最後にぐっとひっくり返される感じはハルチカとも共通するところがありました。
動物は機械なのか。それとも人間も動物なのか。
そのようなところに帰結されるようなお話ではないかと思います。
自分を医者だと思い込んだリサ。
仁紀を愛してしまったリエル。
動物を機械とするならば、まるでロボットに恋をしてしまった報われない人間の悲劇のような印象を受けます。でも、人間も動物だとするならば、ただその関係性をわたし達が理解できないだけなのでしょう。
最後に救いがあってよかったな。
クマネズミの話がすごく怖い。
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何を口にしても、ネタバレになってしまいそう。
人と動物の絆を描くミステリー。
私はとても好きでした。これを読んだ人が、何を感じるかが知りたい。
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廃墟の遊園地に現れる謎の青年が、亡くなったペットに纏わる謎を解いて埋葬する話。切ない。遊園地の描写が幻想的でええなぁ。
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大好きな初野晴さんの新作、ワクワクしながら読みました。号泣しました。切なく、そして感動する連作短編でした。ミステリとしての出来も素晴らしい。大好きな作品です。次回作も楽しみ!
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物凄く久しぶりな初野さん。
これこれ!「水の時計」にあっるようなハルチカシリーズじゃ見られないこの雰囲気。これが大好きなんですよ。
閉園し打ち捨てられた遊園地にある動物霊園とその墓守の青年。そしてそこを訪れる“さまざま”な人びと。
短編集ですが、どれもすごーく重い。雰囲気は本当に「水の時計」や「漆黒の王子」を彷彿とさせる、ファンタジーのようなミステリのような不思議な世界。一番最初に表題作をもってきたのはうまい。
ただ、墓守の青年に日本人としての名前はいらなかったのでは?名前をつけるのであればそれこそ神話の神様の名前とかのがよかった。
逆にそういった名前を出すのであれば、彼のエピソードもほしかったな。なぜそこで墓守をしているか。墓守以外(以前のが妥当?)の生活もあったはずだから。なんだかもやもやしてちょっと消化不良。
でも最後のエピソード、良かったなぁ。