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ジェインジェイコブスの『アメリカ大都市の生と死』をベースとした都市論。高密化、高層化
、優秀な人材が集まることで、新しいアイデアが生まれイノベーションが促進される。それが都市の活力となる。
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都市の歴史の話がほとんどで、今起こっていることとこれから起こるであろう出来ごとは、ほぼ序論の部分で語られてしまっている。
内容の八割がデータや研究というよりも、世界の都市について網羅的に書いた歴史やニュース的な内容だった。
インターネットでのコミュニケ—ションは対面でのコミュニケーションを促進する。都市に集中して住む方が、郊外で車を乗り回して暮らすよりもずっとエコである。都市での自殺率のほうが少ない。等々、自然愛好家や”意識の高い市民”が目の敵にしてきた都市論の意外な側面を掘り起こしている内容はとても新鮮で面白い。
しかし、魅力的な都市を造るための提案が、いささかエリート主義的で、人口の二割の人間にしか価値はないですと、暗に言い切ってしまっているところが、よくも悪くも正直で、また望みがない。
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レビューはブログにて
http://ameblo.jp/w92-3/entry-11443502077.html
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「社会の梯子を上がる」
都市の見方が180度変わりました。
山形浩生さんが翻訳したくなったのも無理無いです。
題名の通り、都市の素晴らしさをつらつらと書いていて、自然回帰的なスローライフ思想にチクチクと針をさします。
都市には便利なインフラやアイデアの交流、質の高いサービスを実現できたりと、もたらす恩恵は色々あり、満員電車を我慢してまで行きたくなるのが都市という場所。労働力をシンプルに金銭に替えられる、体一つという気軽さが労働力という資本しか持たない貧困者を引き寄せてきます。
それらの有益な都市機能は、人が集まった結果として出来上がったもの。人が集まるから可能になった機能。つまり、そんな効用を生み出す一方で、貧困や格差も生み出すんだよということで、これは人が集まるということがもたらす両面なんでしょう。貧困問題は真摯に取り組むべき大切な問題だけれど、貧困問題をもって都市化を否定するのは視野が狭いのだと勉強になりました。
郊外に家を買えるような人も都市居住者になると、都市が排他的な場所になり梯子がはずされるのではと心配なんですが、マンションがいわゆるゲーテッドシティとなって貧困をロックアウトするんでしょう。
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都会にはスラムがあるっていうけど、結局スラムにいるのは田舎の貧困から逃げてきたひと。田舎の貧困はそれ以上に悲惨。というのは納得いく。都市がどういう役割を果たしてきたのかを考えるにはいい本。結局人が少ないともの凄く負荷が高くなるんだろうな。夢物語の田園都市構想じゃなくてちゃんと都市の役割を考えた方がいいと思う。
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ザッポス→石塚しのぶの最新刊から。
トニー・シェイは今ラスベガスに自社の街を作ろうとしているところだそうです。
・都市は、多くの小企業と高技能市民がたくさんいると栄える。デトロイトはかつて、小規模の相互に関連した発明家たちがひしめく蜂の巣のような都市だった。―ヘンリー・フォードは、数多い有能な起業家の一人でしかなかった。でもフォードの大名案のとんでもない成功で、そのかつてのもっとイノベーションに満ちた都市が破壊されてしまった。デトロイトの20世紀の成長は、何十万人もの低技能低教育労働者たちを巨大工場に連れてきて、その工場は都市や世界とは無縁の一大要塞となった。産業の多様性、起業家精神と教育はイノベーションをもたらすが、デトロイトモデルは都市衰退につながった。
・統計的な証拠を見ると、電子的な交流と対面交流は相補的だということもわかる。経済学の用語でいうと、それは代替物ではなく相補物なのだ。電話の通話は、圧倒的に地理的に近い人々の間で交わされている。おそらくは、対面の人間関係は電話でしゃべる需要をかえって増やすからだろう。そして国がもっと都市的になると、電子コミュニケーションもかえって増える。
・ほとんどの世界では、金持ちは飾り立てた壁のでかいオフィスにとじこもるのだが、トレーディングフロアでは、世界で最高の金持ちの一部は顔をつきあわせて仕事をしている。金持ちトレーダーは、他人との近接性からくる知識のためにプライバシーを捨てているのだ。
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「都市は人類最高の発明である」読んだ http://www.nttpub.co.jp/search/books/detail/100002219 … たいへん興味深い。高層ビル密集型都市のほうが低層広域型都市よりも省エネで経済効率もよく、人口高密度は産業や技術のイノベーションを起こす確立が高い、ひいては社会発展に寄与する、という主張(つづく
環境保護を唱えるなら高層ビル群と都市開発を支持すべき、と。燃料消費とCO2放出で車がどれほど反自然か、逆に高密都市がいかに環境保護に寄与しているかを述べる。都市郊外の自然を破壊するなと言う人は、環境ではなく自分個人の生活を保護したいだけの利己主義者だと一刀両断(つづく
「都市は建物ではなく人」「政策で救うべきは人々であり都市ではない」「復興のために箱を作っても潤うのは中央のゼネコンであり地域住民の生活は改善されない」「気候温暖な地域に高密都市をつくれ」などなど。わたしがロハス(苦笑)やエコ活動を無視する理由がここに。おもしろかったー(おわり
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カリフォルニアとテキサスを足した面積だけで、全人類に160平米の土地を分け与えることができるそうです。その半分で、しかもマンション暮らしでいいので、すぐに実行して欲しいです。
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まずまずの力作と言えよう。世界中においてますますの都市化は不可避だと思うが、適切なインセンティブの利用による、適切な都市政策がなされる限りにおいては、それは環境にとって悪いことではない。逆に低密状態のほうがエネルギー消費は高くなりうると。
すべてに賛成とはいえないが、「都市と貧困層」についての考察や、「公共政策は貧しい人を助けるべきであって、貧しい場所を助けるものではいけない」という主張は特に日本人にとっては東日本の復興とも絡むものであり、一読の価値があるかと。「感情で」ではなく、「冷静に」考えるべきなのだと個人的には思う。
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「都市は人類最高の発明である」読んだ http://www.nttpub.co.jp/search/books/detail/100002219 … たいへん興味深い。高層ビル密集型都市のほうが低層広域型都市よりも省エネで経済効率もよく、人口高密度は産業や技術のイノベーションを起こす確立が高い、ひいては社会発展に寄与する、という主張(つづく
環境保護を唱えるなら高層ビル群と都市開発を支持すべき、と。燃料消費とCO2放出で車がどれほど反自然か、逆に高密都市がいかに環境保護に寄与しているかを述べる。都市郊外の自然を破壊するなと言う人は、環境ではなく自分個人の生活を保護したいだけの利己主義者だと一刀両断(つづく
「都市は建物ではなく人」「政策で救うべきは人々であり都市ではない」「復興のために箱を作っても潤うのは中央のゼネコンであり地域住民の生活は改善されない」「気候温暖な地域に高密都市をつくれ」などなど。わたしがロハス(苦笑)やエコ活動を無視する理由がここに。おもしろかったー(おわり
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都市がもたらす人的多様性は人類の歴史においてかけがえのないものだった。都市の成長を阻害する様々な規制は郊外へのスプロールを加速させ、非効率で非環境的な効果をもたらす。衛生・治安・公共交通・教育などの福祉は都市の成長に必要である。
わりとシンプルな主張が繰り返される本書ですが、圧倒的に刺激的なのは例に出される様々な都市の知られざる歴史ですよね。しばしば例に出てくる日本の都市の考察を見ると、わりとダイナミックな物の見方をしているなあとわかるのですが、高校世界史で勉強が終わってしまった私には十分すぎるほど楽しかったです。
ニューヨークが公共投資をもって貧困と戦った第4章と、高層ビルが次々と建つまでの歴史と批判をまとめた第6章が特に良かったですねえ。
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人口密集型都市は、昨今のスローライフ志向の高まりのなかで分が悪くも映るが、世界的には不可避的潮流である。
であるながら、都市の課題を克服しつつ、都市の持つポテンシャルを最大化することを意図しよう、という発想に立って描かれた本。エネルギー効率など、都市の相対的強みが強調されるが、都市志向か郊外志向か、という二者択一として読み解くのではなく、都市にも課題があり、これを解決するために我々は何ができるのか、という視点で読み解けば、都市生活を「なんとなく」選択している我々にも示唆が多い。
ザッポスは自社の拠点を選ぶ際、著者の「都市は創造的衝突の集積地である」との主張に学び、ラスベガスの荒廃した地域を選んだという。彼らは都市としての魅力を企業の活力に活かしつつ、荒廃したエリアを再生するために、経済的、社会的貢献を行ったという事例は、興味深い。とくに、アップルやインフォシスなど、世界的IT企業が外界から隔離された巨大「キャンバス」を志向するなかで、地域への思いやりをもった選択を促したストーリーは共感できる。
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・賢い都市を作り出す唯一最高の方法は、有能な人を引きつけて訓練する学校をつくること
・インターネットは便利なツールだが、対面で学んだ知識と組み合わせときに最大の効果を発揮する
・最も重要なコミュニケーションは対面であり、電子アクセスは知的運動の地理的中心にいることの代替にはならない
・都市は協力を可能にする
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最近の都市経済学の話題書。原題の通り、「都市こそ、私たちを最も豊かに、賢く、エコで、健康で、幸せにしてくれるのだ」という著者の主張がこれでもかというくらいの反例とともに示される。渋滞も公害も犯罪も、都市がもたらすメリットに比べれば微々たるものだというまっすぐな論調は刺激的。訳者は本学の先輩でもある山形氏。最後の、読者の気持ちを代弁するかのような率直な訳者あとがきまでしっかり読んでほしい。(都市工学専攻)
配架場所:工14号館図書室
請求記号:AE:G
◆東京大学附属図書館の所蔵情報はこちら
https://opac.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/opac/opac_details/?reqCode=fromlist&lang=0&amode=11&bibid=2003079200&opkey=B147995572631742&start=1&totalnum=1&listnum=0&place=&list_disp=20&list_sort=6&cmode=0&chk_st=0&check=0
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テーマは好きなんだが議論が四角い。単線系評価な感じがアメリカのポジティビズムという感じで読んでいて苦しくなる。