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映画の原作小説というものではなく、映画を作る取材の部分から、福島等での取材とそこで感じたこと、実際の映画のシナリオ、その映画の主人公の一家の側にいる園子温さんの視点が傍らにある、それらが混ざり合う半ドキュメンタリーな小説。
十月末に公開される映画とこの小説は相互補完されフィクションとノンフィクションを出入りする、圏内と圏外の間にあるものを行動を伴う意識の中で軽々と行き来する。園子温監督の想像力と身体性を伴って。
そして、最後の詩が園さんが詩人であることを再認識させる。
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小説家にしても映画監督にしても、何かを創作する人間、創作せざるをえない人間というのはいわゆる「普通」の人間ではないのかもしれない。本画作でいえば、ひとりで「さみし犬」に会いに行ったり、日の出を見に福島まで車を走らせるといった、「映画監督」という肩書きがなければ奇天烈とも言えるような行動がそれを示しているように思う。
希望を描くには、果たして絶望がなければいけないのだろうか。
絶望がなければ、希望を見いだすことができないのだろうか。
そろそろ公開される映画も、見に行ってみようと思う。
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冷たい熱帯魚や、ヒミズの園子温監督の最新作の手記というのか、脚本というのか、そんな感じ。
園子温の本だったら、めちゃめちゃエログロバイオレンスなのじゃないかと、まったく前評判を知らずに本を手にとってしまったのだが、
福島の原爆についての話でした。
原爆後の変わってしまった部分と変わったことに慣れてしまう日本人
その怖さ 気づいてますか?というのが、何度も現地へ足を運んだ監督の総論なのでは?
同名の映画が放映されるようですが、最近の原発やっぱ大事なんちゃう?て流れになっている日本で拡大上映厳しいんじゃないのかと心配になる内容。
ただ、本を読んでいると監督の考えはしごく健全に思える。
初見で恐怖を感じても、それが日常になればなんともなくなる。
津波で全て流された街のコンビニで、稲川淳二の怖い話を読んでいる少年達。
ホラー怖いよなと友達ときゃっきゃしているガラスの外では、戦場のように何もない景色が広がっている。
監督だからこその描写かもしれないが、非日常が日常になってしまった時に、過去の日常には戻れないと諦めるのか、何か解決策を見つけるのか、逃げるのか。
逃げることの勇気というのも、必要なスキルだというのも納得できる。
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「ETV特集」見て、映画観て、この本、の順がいいと思う。
ここまでの覚悟なのか、誠実さなのかと。園子温は信頼できる。信じたい。
『数』はきっと何度も読み継ぐべき。
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図書館の本
同名の映画のできるまでを書かれた本。
福島の被災と、その他の地区の被災は、全然違うと言う一文がありますが、まったくそのとおりで、一緒のように世間では思われている事の方が多いのだと、始めて知りました。
被爆するのが怖い、怖いと言いつつも、いつまでもそうは言っていられないのが現実。
目に見えないし、今すぐどうこうなるわけでもない。将来的に、必ずどうなると決まったわけでもない。と、なると、だんだんと順応していくのが自然なんです。
「逃げればいい」なんて、無責任な他人に軽々しく言われたくない。
その人や、家族の生活の面倒を見てくれるわけじゃないなら、軽々しく批判しないでほしい。
本の内容からかけ離れてしまった。
ほとんど、愚痴です。
この話を多くの人に知ってもらって、本当に現地の人の気持ちを少しでも分かってほしいと願っています。
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メイキングオブ『希望の国』と言ったところでしょうか
ひょんなことから映画を知り、
図書館でこの本が目に付きました
映画を見る前に、これはみておかなくちゃ!と。
映画の内容は、まだわかりませんが。。。
見る前に読んでよかった。
監督のこの作品への想いを すこしでも感じることが出来る気がするから。
涙が流れる、というよりは 胸が締め付けられて息切れがします。それでも、なんだか晴れやかなのは、同調を感じるからかもしれません。
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※映画をみました。
園子温の新作、被災した福島をモチーフにした物語。
描写的な表現が多く、監督が震災や原発という問題を
どのように感じ何を伝えたかったのか、
いまいちよくわからなかったりしました。うーん。
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園子温は隠している自分みたいだ。独り立ち寄った見知らぬ酒場で俺はこんなふうに振舞うのだろう。全然違う意味でこれからも目を離せない。心の底から嫌悪することは多分出来ないだろう。交じり合うこともないが。
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映画は観ていないけれど、その雰囲気は十分伝わってきました。撮り溜めしている中の彼のNHKのドキュメンタリーも観なければ。
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図書館にて。
園監督の映画はまだ見たことはないけれど、書籍を出していることは知らなかったので、図書館の本棚に見つけた時手に取ってみた。
あの震災からそれほど時間は経っていないのに、原発の問題だって何一つ解決していないのに、確かに現実に慣れていて忘れてきていることを突き付けられた。
変わっていく環境や世論や自分自身の気持ちさえも記録して伝えていくということの大切さ。
慣れて、流されていってはいけない。忘れてはいけないのだと思う。
もうすぐ国政選挙がある。いい時にこの本を読んだと思う。じっくりきちんと考えていきたい。
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まだ映画を観たことはないけど、監督が気になっていて読んだ本。
自分のなかの葛藤や疑問、気持ちの流れなど飾ることなく書かれていた印象を持った。描き方はどうあれ、福島にちゃんと向き合ってきたんだなと感じた。
助監督はじめ他の人の言葉や行動も、とても人間的だった。そういうことを経験をしたことはないけれど、もしもそういう状況におかれたら、そう思うかもしれないと感じさせられる言葉が多かった。
描かれていた日常、人の気持ち、上手だなと思わされた。
人は慣れていく ということがちいさなひとつのテーマとしてあるのかもしれない。
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映画は見ていない。
ドキュメンタリーのようにリアルにあふれて、もう大半原発のことを忘れて日常を送っている自分に、また深く突き刺さった。
野坂昭如のされど麗しの日々「入江で生まれ入江の幸で育ったものは、そのさだめに従うのが一番なのだ」
読んでみようと思う。