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私は山の中の田舎町出身なので、今までの人生で実演販売を見たのは1回だけです。
小学低学年の頃、母親に連れられて電車を2本乗り継いで県庁所在地の百貨店に行った時、地下の食品売り場で何かのお菓子を売っていました。その時、同級生のN君にばったり会って、そちらの方が印象に残っています。
それ以来、実演販売を見たことがありません。
TVの通販番組の実演はよくあるのですが、現実の社会でどれくらい行われているのでしょうか。関東地方の大都会では行われているのでしょうか。
私は日本古来の大道芸やら啖呵売りやらに興味を持っているのですが、その発展形が実演販売ではないかと思って本書を読んでみました。
大道芸や啖呵売は廃れてしまったようですが、実演販売士というのはまだまだ沢山おられるようです。
著者の吉村師匠は実演販売士として高名な方で、実演販売の会社も経営されています。
本書の表紙に
「ガマの油売りもドラッガーも思わずうなる!?」
と書かれています。
理論にも人の心理にも通じておられるようで、理論的にも心理的にも目配りのある記述です。それも机上の空論ではなく、実際に実演販売をした経験に基づいた記述です。
NLPの理論が応用できそうだと思えばNLPを習って取り入れる貪欲な姿勢も持たれています。
NLPでは視覚・聴覚・身体感覚タイプを見分ける際、目の動きで判断すると言われています。
こんな細かいこと、本当にする人いるのかなあと思っていたのですが、著者の吉村師匠は実演販売で実際に行っているそうです。
実践と経験に理論が加わってフィードバックしていけば好循環が生まれますね。
野球では「名選手が名監督になるとは限らない」と言われているようですが、吉村師匠は実演販売士としてもそれを育てる講師としても有能のようです。
http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20180415/p1