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法輪寺の三重塔建立にまつわる話がおもしろい。
建ってしまったあとには、逆に「業」が増す。
朽ちないか、倒れないか・・・と心配の種が増すだけだという。
浄財であったのかどうか・・・・。
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幸田露伴の娘で作家である幸田文と各界の著名人との対話を集めたものです。
対話のお相手としては、志賀直哉、江戸川乱歩、木村伊兵衛、黒柳徹子、娘の青木玉、徳川夢声に美輪明宏など、興味深い面々が揃っていますが、しかし何よりも幸田文自身の話し言葉の良さを味わう一冊かもしれません。
相手が誰だか、内容がなんだか分からなくても、話の調子に乗ってしまうのが、対話・対談の楽しみかたといったところでしょうか。
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帯表
話し言葉が次々に繰り出す日本語の凜としたした美しさ
青木玉「あの朝のこと」収録
本書は、一九九七年三月、『幸田文 対話』として、岩波書店より刊行された。文庫化に際し、新たに十一篇の対談を追加して、『増補 幸田文 対話』(上・下)とした。
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幸田文の言葉選びがとても好きだ。
美しい、品格が高い、と思う。
その想いをたっぷりと味わえる対談集。
内容も、対談相手によって
思いがけない幸田文の一面も見られて
ドキッとすることもあった。
とりわけ、沢村貞子との対談は、
気心知れた粋な女性のやりとりを
聞かせてもらえたような愉しみがあった。
幸田文の
感情的なもののけじめに名残りがあって、
けじめがつけにくいとき。
たとえば、それを色に喩えて
いやな色といやな色(つきの悪い色)を
はぎあわせるときは、
中に白を一つ、細い線で入れると、うまいけじめがつく。
つまり、変な未練のあいだに空白をおく。
という話。
ぐじぐじと、いやな色をならべて
あれこれ悩むよりも、さっと白色を
置いてしまう。
その潔さ。知恵の深さに、感銘した。
そんな美しく、キリッとした話が
折々に語られる対談集。
日本語の、生き方の、たくさんの学びを得た。