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おもしろすぎる。
スパイ小説とか、銃の名前が出てくるようなハードボイルドの匂い漂う小説は苦手なんだけど、
ジャッカルの日は面白すぎた。
何よりもジャッカルという悪のヒーローがかっこよすぎて。
ジャッカルの行動理由は完全に”己の欲”だけで、
どこまでも自分勝手で傲慢なのにそれがたまらなくかっこいい。
また必要経費には惜しむことなくお金を使うにもかかわらず、
『思い切って奢った』や、豪華で優美な生活に馳せる思いから、
少しだけ見える彼の人物像が艶めかしくすらある。
どこまでも、ひたすら、悪のヒーロー。
結末は冒頭から明かされているように実在の人物シャルル・ドゴール大統領が、
「暖かいベッドで死んだ」となっている。
それにも関わらず「どうなる?どうなるんだ?」と思わせる展開ぶり。
秘密軍事組織OASと国家権力がお互い全力で探り騙し合い、
時には血を流して攻防を広げる様にぞくぞくくる。
予想していた結末とは少し違ったけれど、
それでも最後に残った”それ”は、
最後まで悪のヒーロー、ジャッカルにふさわしい終わりだと思う。
やーもうおもしろい!御託はいいから読んでみて!
と言いたくなる本は久しぶり。
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極上の読書タイムを提供してくれた本です。
スリラーはどうしても暴力描写がきつくって
毛嫌いしていたのではありますが、
この本はさほどきつい文章では書かれていないので
実に好感が持てました、
追うものと追われるもの…
そして冷酷に依頼を引き受ける「ジャッカル」
冷徹ながらも時折、「女の影」がちらつくのは
やはりその世界のものらしいかと…
最後の展開は精読必須。
とにかく興奮すること間違いなしです。
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フランスのテロリストグループOASが雇った孤高の暗殺者ジャッカルと、大統領シャルル・ド・ゴールを守るためなら手段を選ばない治安組織の息詰まる攻防戦。
8月25日のパリ解放記念日をXデーに、名前と顔を次々変え、特注ライフルを忍ばせながら、パリの鉄壁のドゴール守備陣を、スリリングに突破していく。暗殺者ジャッカルの冷徹でストイックなまさにプロフェッショナルと言える仕事ぶりについ感情移入してしまう。
著者フォーサイスの徹底した取材に基づく小説で、実際シャルル・ド・ゴールには31件の暗殺未遂事件があり、どこまでが事実なのかは未だ解明できないらしい。そこも読みどころのひとつ。映画も必見。
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マスター・ストーリーテラー、F・フォーサイスのデビュー作。フィクションとノンフィクションが渾然一体となった独特でリアルな文体が特徴的。最後場面で、優秀な刑事が優秀な殺し屋に寄せた複雑な思いにこの物語のすべてが凝縮されているような気がしました。
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アルジェリアの分離独立に反対するフランスの極右グループが、ド・ゴール暗殺を狙って超一流の殺し屋「ジャッカル」を雇う。ちょっと海外小説に詳しければ誰だって知っている筋書き。
ド・ゴールの番記者だった経歴を持つフレデリック・フォーサイスが、現実とフィクションの狭間を縫うように展開させる、傑作犯罪小説なのですが……しかし、私は映画のほうが好きだったりする。
面白いのは一匹狼で手段を選ばないジャッカルと、組織でもって手段を選ばないフランス警察の息詰まる攻防。わずかな手掛かりから、敵を割り出し暗殺を阻止しようとするのは、今流行のミサイル防衛よりも難しい。実際、フランス警察の必死の努力にも関わらず、暗殺は後一歩のところで「運」によって失敗するが、あれがなければどうなっていただろうと(小説でのことなのに)思ってしまう。
とにかく必読。映画も必見です。
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冒頭は難しかったけれど、加速度を増して面白くなります。
大統領暗殺のため入念な準備をするジャッカルと、失敗を重ねながらも彼をじりじりと追い詰めるルベル。
結末は決まっているのにどんどん減っていく残りページ…これでどうやって纏めるの!?
決着は一瞬です。ぜひ邪魔の入らない環境でどうぞ。
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まるで本当に起こったかのようなリアリティ溢れる描写に、社会的、そして人物的背景。
これが「隠ぺいされた事実なんだ」と言われても信じてしまいそうです。
全体の半分以上を割いたジャッカルの暗殺準備についつい彼側にたって進行を眺めてしまいました。
登場人物の多さに少し苦労しましたが(フランス警視に部下にイギリス警視に部下に…と)、それを気にしては居られないほどの面白さです。
ルベル警視がどんな人物がジャッカルなのか、彼はどんな計画を立てていると推測されるのか、
辺りのシーンまでくるとカーチェイスのような手に汗を握ってしまいます。
時間がある時にどっぷり浸って読めた事がとても幸せだと思える本でした。
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いやー、おもしろかったー!
地味ながらも確実に追いかけていくルベルと、
危機一髪のところで、いや計算尽くで、
かわしていくプロフェッショナルのジャッカル。
失敗することだけは、歴史的にみてわかっていることだけど、
最後はいったいどういう結末になるのかわくわくした。
サンクレアのアチャーっぷりがまた、なんとも笑えた。
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スパイ小説の傑作。あのJ・ディーヴァーが絶賛するのもよくわかる。
標的のドゴール大統領は実在の人物で、無論暗殺などされていない。よって、作中での結末はわかっているものの、圧倒的な緊迫感とスピードでぐいぐい引っ張られる。こんなぴりぴりした緊張感で一気に読んだのは何年ぶりだろう。しかも、この大作をわずか35日で書き上げたとは。まったくもってフォーサイスは変態。
ストーリーは至極シンプル。追う側と追われる側の攻防戦、ただこれだけ。だが、この判りやすい鬼ごっこを取り巻くディテールの精巧さは芸術品。ノンフィクションかと見紛うほどの背景にがっちりと固められ、中断は不可能。首謀者、暗殺者、刑事──彼らの徹底した仕事ぶりは、一流を超える鬼レベル。このプロフェッショナルたちにシビれます、ルール違反です。
陰謀、探偵、アクションと、みっつのテーマで展開するストーリーは圧巻。特に、暗殺までの下準備にほぼ半分以上が費やされてるのが印象的。終了間際のちょっとしたサプライズや余韻に浸れるラストシーンなど、隅々まで旨みが詰まっており、骨までしゃぶり尽くせます。「読まずに死ねない」「徹夜本」の王道をいく作品。フォーサイス、リピートするぞ!
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図書館で。
面白かった!それにしても領地争いや紛争って今も昔も変わらないんだなあとしみじみ思いました。それによって個人に直接利害も損益も被ることが無いのに愛国心とはある意味恐ろしいものだなあと思ったりもするのです。別に愛国心を持つことが悪いことではないと思うんですけどね。難しいですね。
それにしてもネットや携帯電話が手近に無い時代でのジャッカルの情報収集力と反対に追い詰める刑事の執拗な捜査に手に汗握る思いで読みました。プロフェッショナルの仕事と言うものは気持ちの良いものだなあといつの間にかジャッカルに肩入れするような思いで読みました。また違う作品も読んでみようと思います。
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3.29読了。噂に違わぬ力作…なんだろうけれど、もうひとつ乗れない。運ちゃん、とか、すっ飛んだ、みたいな、しょぼい訳語のせいだ!
後半、ジャッカルが次々に変装を繰り返して刑事の追及をかわすあたり、とてもスリリングだった。星は3.5。
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ジャッカルという名の殺し屋。用意周到に確実にターゲットに迫る。それを阻止しようとするルベル警視。両者を緻密に書いており、クライマックスは最高潮。
ただ犯行の手口がかなりアナログで、古き良き時代という感じ。
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古典。
当時のフランスの政情・雰囲気がわからないので、最初は読むのも遅かったが、ジャッカルが登場し、暗殺までの準備を開始したあたりから、急激に面白くなる。
現代だったら不可能な抜け口が色々あるが、それでも見事。
この事件はは果たして、本当にあったことなんだろうか?
迫真の物語。
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最後がちょっとあっさりしてたかな、と思うものの面白かった。変装やオリジナルの銃を用意したり、人を殺すことに躊躇いのないところが暗殺者という感じがしました。
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緻密な調査をもとにして作り込まれたストーリー。古典だが、次の展開を匂わせるような、現代の映画の脚本を読んでいるみたいだった。