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事故が結果的に起こってしまった以上それをとやかく言っても仕方のない事。それならば今この国は何を主導しなければならないのかそして国民の一人一人はどう対応しなければいけないのかがとても大切。
http://www.gakushuin.ac.jp/~881791/radbookbasic/
事故の原因とこれからの原発事業を計画するには反原発、推原発どちらの方に偏っても結果は出てこない。そのためにはいかに中立的な立場に立てる専門家が必要かこの3年間痛いほど身に染みているのではないだろうか。
これから大切なのは安全か危険かではなく何が分かっていて何が分からないか著者のご意見まったくもって正論だと感じる。
科学の発展と安全は紙一重の中にありどちらを取るにもリスクが大きすぎる。それなのになぜどちらも己の主動をおもんぱかるのか理解に苦しむ。
反対するにもそれなりの知識を身につけることが第一でありそれができずに感情的に反対するのなら否定する相手と根は似ていることに気が付いてもらいたい。
そして推進するのなら、本当に分かりやすく現状を解説する心を持ってもらいたい。
今現在にはそのどちら側にもこれといった人を納得させるだけの論は感じられない。そしてまた、原子力発電所がなくなればそれですべてが安全になるといった考えも節々に感じられる。
この件に関しては否定も肯定もするレベルはとうに超えてしまっている。今何をなすか何を努力しなければいけないか。この本でもっと勉強してみよう。
そして著者曰く気にする自由と、気にしない自由をお互いに尊重することが最も大切なことだろう。
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難しい話をやさしく噛み砕いて解説してくれている。とても分かりやす。このレベルの知識を身につけていることが大切だ。
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放射線について正しい基礎知識を得て自らで判断を下すためには、この本をまず読まなければならない。少なくとも物理的な数値に関しては正確に記載されており、さらにわかりやすい数量感覚として表現されている。
一方、著者の「理論物理学者」としての経歴からは、例えば内部被曝の現行の実効線量計算モデルがどの程度の確実性があるのか、といった生体系の知識については素人だろうな、と推測できる。
もっとも、著者は実績のある科学者であるから、一次文献を読みこんで信頼のできる情報だけをきちんとまとめているに違いない。また、科学を装う胡散臭いものを見分ける目は極めて鋭いであろう。したがって本書の信頼性は類書よりも高いといって良いと思う。
ひょっとしたら、中身をきちんと読まずに「内部被曝の影響を軽視しているのはけしからん」などと本書を批判する人がいるのかもしれないが、とんでもないことだ。今、必要なのは劣化情報や誤認情報を浴びて強化された「思い込み」ではなく、科学的な知識、分析、推論にもとづく合理的な判断だ。
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高校の数学で(100点満点中)2点とか取った、そんな私にも理解できる解り易さ。
『どういう考えを採用するのが妥当だろうか?』を、複数提示してくれている。
しかも根拠が理解しやすい。
間違いなく星5でお勧めしたい本。
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著者は「物理学者だけど放射線とは縁のない分野の方」という、絶妙なスタンスの方。安全とか危険とかって観点ではなく、もう少し冷静。現状で「分かっていること/いないこと」を比較的平易な言葉で説明している。「そもそも放射線とは何か」の化学的な説明から始まって、現実的なダメージ、汚染度合いの計算方法なんかが紹介されている。「中学生でもわかるように書いた」とあるけど、うーん、ちょっと難しいんじゃないかなあ。
タイトルに「放射線」とある通り、放射線による汚染や被曝に重点を置いている。
個人的には、原子力発電そのものの現状への方が関心あるかな。