投稿元:
レビューを見る
これは本当におすすめです!
いわゆる冒険小説。チャーチルを誘拐するため、ドイツ軍の落下傘部隊がイギリスの田舎町に降り立つ。無慈悲に描かれることが多いナチスのドイツ兵、そのひとりひとりがなんともいえない味を出す。さらにIRA闘士もそこに絡んで。このジャンルを代表する1冊であることは間違いない。ストーリーで読ませる。登場人物の魅力で引き込む。
タイトルを知りながら、今日まで読んでいなかったことを後悔。
海外小説は翻訳がいまいちだから、とかなんとか言ってる人は本当におもしろい小説がどんどん流れ落ちていくのでしょうね。
投稿元:
レビューを見る
非常に映画的な小説。どうかわからないけど、敵方にも味方にもそれぞれいい人間、悪い人間、色々いる、というところがガンダムっぽい。
投稿元:
レビューを見る
私は冒険小説は嫌いだと信じ込んでいた。
そんな思い込みを覆してくれたのが、同じくドイツ在住で私のミステリファン仲間のY子ちゃんなのであります。
今回、手術後、家で療養すると聞いたY子ちゃん。「いいから何も言わず読みなさい!」と送ってくれたのであります。(感謝してるよん、Y子ちゃん)
それにナチが出てくるし、著者はイギリス人でしょ~っていうことはどうせドイツ人が悪者で・・・と思いながら読み始めると~メチャ面白いのよ!
ナチかぶれの非人道的なドイツ人ばかりじゃないということを書いてくれて、私はとってもうれしかったのであります。
極秘で遂行されたチャーチル誘拐作戦。
念には念を入れて計画されたことだったんだけど、ホンの些細なことから計画に狂いが生じてきます。
登場するドイツ兵たちがいい人ばっかりで・・・泣けますよん。
言うまでもありませんが、ヒギンズ作品は初挑戦であります。
続編「鷲は飛び立った」を読まなきゃ~!
投稿元:
レビューを見る
冒険小説の金字塔と呼ばれる本書。
第二次大戦末期、敗戦色濃厚なドイツ軍にイギリスのチャーチル首相誘拐のチャンスが訪れる。その任務に従事する落下傘特殊部隊の話。
主人公は珍しく第二次大戦下のドイツ軍将校。
通常、こういった小説でのナチスドイツ軍人は頭のいかれた鬼畜として描かれるが、本書に出てくるドイツ軍人は必ずしもナチスドイツに賛同はしないが、国のために戦う高潔な軍人達として描かれている。
そのため、正義の云々の話ではなくて、純粋に高潔な男の生きざまが描かれている。
前半は中弛みしたが、佳境に入ってからは面白かった。
ちなみにこの話は史実にある程度基づいているらしい
投稿元:
レビューを見る
冒険小説。ナチスが完全なる悪者として描かれていない。個々の信条や正義のもと、未来に希望が無くとも任務を遂行する格好良さがある。戦闘描写や死に様が鮮やかだった。
投稿元:
レビューを見る
冒険小説を読みたくなって、とりあえず傑作といわれる本書を読んでみた。第二次世界大戦中にドイツ軍が英国のチャーチル首相を誘拐(または殺害)を企てて実行するまでの物語。登場人物が実在の人なのでとてもリアリティーに満ちた展開となっている。一方で、史実ではチャーチル首相が誘拐されたり殺害されたりしたことはないので、作戦が失敗することも分かっている状態で読み進めることになる。普通は結末が分かっていたら楽しく読めないものだが、本書は登場人物の内面を含めて丁寧に描写することで、その結末に至った過程をドキドキさせながら読ませてくれる。ドイツ軍と英国の人びとをどちらが敵かという観点で描いていないのがいい。純粋に冒険小説としてフェアに書かれている。戦争なんて悪も正義もないと訴えているようにも感じた。本作品に登場するドイツ軍は当時の論理的な正義で作品を実行したにすぎないのだから。とにかく読みやすくて面白い。傑作といわれる理由は分かる気がする。
投稿元:
レビューを見る
第二次世界大戦の最中、ドイツ軍は落下傘部隊を英国本土に降下させ、時の首相チャーチルを誘拐する作戦を立案します。
この荒唐無稽で無謀な作戦に参加することになったのが、シュタイナ中佐率いる部隊。
歴戦で活躍した英雄ながら、ある事件でユダヤ人少女を庇った格好になり、部隊ごと危険任務につかされ冷遇されていたシュタイナは、「自分は冒険家だ」の言葉とともに、この空前絶後の任務に挑みます。
作戦決行のその日まで、厳しい訓練を繰り返し結束を固めるシュタイナと部下、作戦に関わる他のメンバーの姿に、手に汗握り胸を熱くしながら「がんばれ、がんばれ」とエールを送っている自分がいました。
「鷲は舞い降りた」
部隊が予定どおり、本土への上陸を成功させたという暗号が打電された場面では、思わずガッツポーズを取ったほどです。
ただ、フレデリック・フォーサイスの「ジャッカルの日」で描かれた、フランスのドゴール大統領の暗殺計画同様、チャーチルがドイツ軍に誘拐も暗殺もされなかったのは歴史的事実です。
つまるところ、身も蓋もない言い方をするなら、ここからは「いかに計画が失敗していくのか」という物語なのです。
それでも、彼らの作戦を最後まで読み終えて、どこか清々しい気分で拍手を送りたい気持ちになること請け合いです。
スリルあり、ロマンスあり、人間ドラマありの彼らの冒険を、ぜひとも、多くの方々共有してほしいと思います。
投稿元:
レビューを見る
Excel読みたいリスト2014/8/19からの転記。きっかけ=本は10冊同時に読め!(成毛眞)書評。2016/9/29
投稿元:
レビューを見る
旧時代のエンタテインメントであることは否めないけど、この小説が現代の冒険物の雛型のひとつとなっていることを思えば、基軸として押さえておくべき一冊。
投稿元:
レビューを見る
ハードボイルドの古典的名作。
多分、だいぶ昔に読んだような気がしたんですが、現在は家の本棚になく、改めて読みたくなって購入。
さすが「古典的名作」、めちゃめちゃおもしろいです。
また何年か後に再読します。
投稿元:
レビューを見る
文句なしに面白い!とはこの小説のことだろう。
第二次世界大戦中のドイツ軍落下傘部隊による英国本土でのチャーチル誘拐、という暴挙とも言える作戦に、
作戦を指揮するドイツ軍将校も落下傘部隊の歴戦の勇士も諦観の域で死に場所を求めるかのように、士気高く遂行していく。
抗いきれない立場であろうとも、自分の意思に信念を持って行動することこそが人間の最も優れた価値であることを極上に面白い娯楽小説の形で明朗に伝える。
なんといっても魅力あふれる登場人物の面々。男も女も皆とにかくヒロイックで、自分の思っていることを闊達にシニカルに語る。そして例え獄中であっても決して信念を曲げない。
また航空機、船艇、小火器などの武装から服装や酒、タバコの銘柄までディテールにこだわることでリアリティを演出することに一役買っているが、描写がくどくどしくないのでスピード感に影響させない(もはや馴染みのない機種名や銘柄が登場しても、Google画像検索が楽しみを後押ししてくれる)。
なかでもカバーアートにも描かれているダグラスDC-3がなんといっても印象的。
夢中で読んで「あ!面白かった!」と声に出るほど感嘆した。
投稿元:
レビューを見る
う~ん、これが「戦後冒険小説の最高傑作」???
特殊作戦を行うにはみんなアタマ悪すぎなのだ。作戦が失敗するのも当たり前なのだ。
訳文、特に会話文がひどいのだ。「~なのだ」と話すヤツなんて、バカボンのパパ以外で聞いたことがないのだ。
投稿元:
レビューを見る
第二次世界大戦中、ナチスドイツのチャーチル誘拐作戦を描いた冒険小説の名作。
過去に映画を観てストーリーを知っていたが、魅力的な登場人物満載のストーリーであったと発見があり、読んで良かったと思う。
実直的なドイツの職業軍人と官僚的なナチスとの違い、閉塞感のあるイギリスの田舎町などを描いており、中途半端なフィクション戦記物とは一線を画している。
また、主人公のヒーロー的なラストもいいが、補完された切ないエピローグも素晴らしい。
愛弟子とも言える佐々木譲の作品よりは、実際の作戦開始までは、テンポが悪い気がしましたが、読む価値は、衰えいないです。
投稿元:
レビューを見る
3
ヒトラーの密命で、劣勢のドイツ軍の落下傘部隊がイギリスに降り立ち、休暇予定のチャーチルを誘拐しようとする話。落下傘部隊シュタイナ中佐やIRAのデヴリンなどを通して使命達成に賭ける人間を描いている。著者曰く50%は証拠書類がある史実らしいが、どこまでかは不明。話の詳細までついて行けない部分も。スパイ活動も交えて着々と準備を進めていくあたりや著者のルポの様子が冒頭と最後にあるあたり、モリィのデヴリンへの想いによる言動などなかなか面白い。続編も気になるところ。シュタイナのチャーチルまでたどり着くも打てなかったあたりと、実は影武者だったりあたりもなかなか面白い。アメリカに亡命したデヴリンの子を産んだモリィは別の人と結婚してるのは現実感。
投稿元:
レビューを見る
計画が失敗に終わることが冒頭で明らかにされる。物語が進むにつれ、万全と思われた計画に幾つもの綻びが現れ、感傷的な気持ちに浸る。
全体を通してさらりとした描写がなされており個人的に好みなのと、詩的な表現が心地よい。