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題名にもなっている「はぶらし」のエピソードが、居候を決め込む「友人」の人物像を象徴している。これは・・・・きつい。あらすじから想像はついたけれども、なかなか応える本だった。
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脚本家の鈴音の元に、高校時代の友人の水絵が転がり込んできて・・・
こんなの絶対会っちゃダメだよぅ、ありえへん。
最初は水絵に、次第に鈴音にイライラさせられた。
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脚本家の鈴音のもとに、離婚しリストラにあった子連れの友達が1週間だけ泊めて欲しいと泣きついてくる。1週間のはずが・・・
被害者意識が強く控えめに見せながら我をとおす友達、困っているのだから援助してもらうのは当たり前という感覚が耐えられない。
成功している人間・鈴音のことを「ラッキー」というのはすごく腹立たしい。
断りきれない鈴音にもいらいらするが、断るのは勇気がいる、意地悪な人と思われたくない、無意識に良い人と思われたいという人間の性質を描いた作品なのだろう。
(図書館)
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もう最初っから最後まで嫌な空気でしびれそう。さすが、としか良いようのない嫌な女の描写。個人的には近藤文恵さんはこういう「イヤミス」的な部分が真骨頂だと思う。タイトルにもなってる歯ブラシの部分とかぞっとする。面白かった。
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10年も会っていなかった友だちから夜中に電話。
うーん、よくない予感。
案の定、頼られることに。
住む所がない。職探し中。子連れで悪いけど1週間住まわせてくれって頼むほうも頼む方だけど、それを受け入れるほうも受け入れる方よね。
会ってしまったら断れないわなぁ。それでも、できないことはできないと言える勇気が欲しい。
強いて言うなら、図々しく頼るほうの立場になれるほどの度胸が欲しい。
『はぶらし』ってタイトルが雰囲気出してるね〜。急な泊まり客=はぶらしのイメージ。
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何とも言えない読後感。
人間関係の微妙に嫌な部分が、上手く描かれていてる。
私は、近藤さんの物語はもちろん、文章が凄く好きなので一気に読んでしまいました。
ソワッとする嫌な感じと、たまに見え隠れする淡い希望は、誰もが感じた事のあるものだと思います。
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深夜12時を過ぎて、「今すぐちょっと話を聞いてもらえないかな」とかかって来た電話。10年間連絡が途絶えていた、高校時代の友人。主人公の鈴音は、友人の頼みを断りきれず彼女の息子ともども1週間家に泊めることになる。
たった1週間だと自分に言い聞かせるが、心の奥で妙なざわめきを感じる。
1晩泊めた後に彼女に感じる不快さ、まるで背中を小さな虫が這っているような、そんなむずがゆい感覚だった。
主人公が感じる女同士の嫌な感情の描写がうまくて、どんどん読み進めてしまった。
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十年ぶりに再会した友達は離婚して子連れのうえ、仕事もリストラされて行き場がないという。鈴音は困惑しながらも一週間だけという約束で親子を居候させることにしたのだが…
助ける方と助けられる方の、どちらが正しいとも言えない意識の違いが二人の間に溝を作っていく。
人が人を助けるということの難しさを痛感させられた話。学生時代は同じ価値観を共有していても、その後に辿った人生によって立ち位置が違ってしまう。選ばなかった人生を羨みつつ自分の道を生きてゆくしかない。
近藤史恵の描く女のイヤな部分は、自分の中にも間違いなくあるとわかるのでいつも胸をえぐられる。
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とても読み進めるのが大変でした。物語の内容にもまして緊迫感が満載で。でも、なぜか引き込まれてしまう、複雑な感覚。最後だけ少し安心できてよかったなと。
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表紙の冊子絵が綺麗だし、歯ブラシなんて題だから同棲ものかと。
違いましたね。
この世の中、子供を抱えてリストラされたシングルマザーが生きていくのは大変なんだね。ちょっと、世の中を見る目が優しくなったような気がします。
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ハブラシ、の一件だけで微妙な違和感を表して、それから次々と掛け違っていく感情の有り様が、サスペンスのようなじわじわ迫ってくる怖さで、一気に読んでしまった。耕太君が健気でかわいそうだった。
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「ポンツーン」誌に連載したものの単行本化。
36才独身のフリーの映画脚本家鈴音のマンションに、高校時代の友人で10年以上付き合いのなかった水絵が、6、7才の男の子を連れて、離婚しリストラされ行き場所がないと助けを求めて同居し始める。
歯ブラシがないので親子分を借り、買ってきたからと言って使った後のものを返してよこす水絵の感覚に、お人好しの鈴音も強い違和感を感じ、しだいに同居生活にストレスをためてぶつかりあう。
恵まれている鈴音が支援して当然とばかり水絵は「職が見つかるまでと」居続けるが、鈴音が紹介した勤め口を断って口論となり、子供を置いて出て行ってしまう。
やむなく鈴音は、子供を離婚した父親に引き渡すが、鈴音は罪悪感を引きずる。
現代社会の女性の地位や、社会的弱者の問題を切り口にして、地域社会が崩壊した都市の現代人の、他者との関わり方、接し方、距離の取り方という難しい課題が提示されている、というだけではちょっと読み方が浅いと感じさせられる何かがある。
と書いてみて、痛みだなと思う。助けを必要とする者に寄り添いきれない痛み。
寄り添うことを突き詰めたらマザーテレサのように自分を捨てて神に奉仕するように人々に寄り添うことになるだろう。それができない一般人は、目を背けるか、寄り添いきれない己に痛みを感じながら生きるしかないのだろう。
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36歳、恋人と別れたばかりで、売れっ子ではないけれど食べていけるだけの稼ぎはある脚本家の鈴音。
仕事も住むところもないという高校時代の友人水絵が息子を連れて鈴音のマンションに転がり込んでくる。
微妙な年代である鈴音自身の、結婚や子供を持つことへの漠然とした願望や不安、特別に見える仕事を持つゆえの周囲との距離感などリアルに描かれていて、共感を覚えるところも多い。
水絵親子に飲み込まれそうになるサスペンス的部分と、
30半ばの女性の葛藤という二軸で進行し、ざくざく読みやすい文章に続きが気になる筆力はさすが。
ただ、人間ホラーにしてはちょっと物足りない。
物語の趣旨が違うのだろうが、水絵が決定的に悪人でないから想像していたような崩壊や悲劇は訪れず、なんか肩透かしだった。
物語としての質は高く、確かに面白かったものの、期待とはズレていたかなあというのが正直な感想である。
今一歩のカタルシスが不足。
http://www.horizon-t.net/2013/09/18/%E8%BF%91%E8%97%A4%E5%8F%B2%E6%81%B5%E3%80%8E%E3%81%AF%E3%81%B6%E3%82%89%E3%81%97%E3%80%8F/
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表紙に惹かれて手にとりました。
ああ、女ってなんて面倒なんだ!と、何度感じたことか…
どこからが「友達」?どこまでしてあげなくちゃいけないの?
自分自身も抱いたことのある表に出せない感情がすごく生々しかった。
読んでいてイライラします。笑
でも、そこまで不快でないのがなかなか面白いところ。
タイトルの「はぶらし」、本文ではすごい破壊力をもって現れます。
私はあのシーンで鳥肌立つほどゾッとしました。
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脚本家の鈴音を頼り、耕太を連れた水絵が鈴音の家に住む。
胸がわさわさして、読むのをやめられなかった。
読後感も嫌。
「シフォン・リボン・シフォン」を先に読むべきだった。
近藤さん恐るべし。
こんな気持ちにさせられて、☆は何個付ければいいんだろう。
こんな嫌な気持ちににさせられるなんて天才って所は☆5個、でも幸せな読後感じゃないっていう所は☆1個っていう。
間を取って3?