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意欲的だが、無理のあるつくりの作品もある。色々と目を瞑れば高評価、一つ一つの作品として考えると平凡、というところか。6.5
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時空を超えた密室謎解きミステリー集。
・柳の園 一九三七年
・少年と少女の密室 一九五三年
・死者はなぜ落ちる 一九六五年
・理由ありの密室 一九八五年
・佳也子の屋根に雪ふりつむ 二〇〇一年
の五編収録。
探偵小説のパロディともとらえられるし、頭の体操の小説バージョンとも思えます。
提示された事実からどこまで妄想できるかの面白さですね。
ラストはファンタジックにまとめられていたように思えます。
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女学生の目の前で、閉ざされた音楽室の中で射殺された教師。警官が見張っていた家の隣家で心中したらしい少年と少女。目の前を落ちていった女は上の階に住む女だった。非常に簡単な密室トリックで殺されたフリーライター。自殺未遂を救ってくれた女医が死んだ朝。様々な密室事件を、時代を超えて謎の密室蒐集家が解いていく。彼の前に開かない扉はない。
密室トリックの短編を集めた短編集。最初の話はきれいにまとまっていてよかった。二作目以降は早いうちにひっかけどころはわかるけど、オチは意外。とんでもトリックが多いけど、ほどよい分量でなかなか楽しめた。
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偶然に偶然が重なる点に目をつむれば、密室を成立させる手法とその謎を解く力技は鮮やかとも言えて、楽しめた。
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密室蒐集家なる人物が時代も様々に登場し、さらっと事件を解決していく話を5つ集めた短編集です。
『柳の園』はたった一つの違和から、あれよあれよと推理が展開され、ここしかないという所に落としてくれる佳作。
『少年と少女の密室』は序盤の時点でなにがしたいかバレバレ。とはいえ、そのアイデアの使い方は秀逸だと思います。
『死者はなぜ落ちる』はタイトルから何となく死体の使われ方が想像がついてしまうのがアレですが、概ねよく纏まってると思います。
『理由あり密室』が本書のベスト。安っぽいトリックの裏にある企みを見破れる読者はいないでしょう。新たな密室の扉を開けた傑作。
『佳也子の屋根に雪は降りつむ』はトリック自体は面白いものの、ご都合主義な感じがしないでもありません。
全編に渡って、偶然が都合よく使われていますが、そこに目を瞑れば短編集としては良いできでしょう。
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難解な密室殺人事件になるとあらわれてたちどころに謎を解いていく「密室蒐集家」のお話。。。
短編集で、一つ一つが時系列順になってはいるんですが話のつながりはほとんどありません。時代を経て歳をとらない密室蒐集家についても別にその謎が解かれるとかもないですし・・・密室を舞台にしたハウダニットのクイズって感じでした。良くも悪くも。
ストーリーを重視する人にはウケは悪いんでしょうねえ。きっと。
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最初、なんだこれは、事件解決するのが早すぎやしないかと思った。しかし、しばらく読んでるとなーんかハマってしまいそうになる魅力がある。テンポがいいからかな。
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ミステリ短編集。
密室殺人事件を論理的に解決する、ということにこだわった作品。
短編ながら、どの話も読み応えがある。
切ない結末の「少年と少女の密室」と、密室を作った動機が秀逸な「理由ありの密室」が好き。
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密室で起こった事件の解決に警察が困っていると突然に表れて,明快な推理を披露する謎の男 密室蒐集家.5つの短篇だが,どれも素晴らしい.特に面白かったのは「少年と少女の密室」で鬼頭真澄と篠山薫が登場するが,意外な結末には驚いた.密室だと錯覚する人間の心理をついた面白い構成のミステリーだ.
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忙しい時の細切れ時間で読んだのですが、短編でとても読み易く、楽しむことができました。一つ一つはあっさりはしているのですがどれもしっかり本格の密室でよくできているのではないかと思います。密室がどうやって作られたか、どうして密室にしなければならなかったか、本当に密室に特化して展開されているので状況が理解しやすく、一緒になって考えるのがとても楽しかったです。密室蒐集家が不思議な人で警察でも伝説的な人物という設定が、逆に彼の印象を薄くしてしまったようでそれが少し残念でした。
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密室殺人の短編集5編。色々な密室殺人をどこからともなく現れる密室蒐集家が謎を解き明かします。事件の関係者から話を聞くだけで、安楽椅子探偵の密室蒐集家がものすごい速さで謎を解きます。密室のトリックも物理的なものから、叙述トリック、心理トリック、アリバイトリック等多岐にわたり、密室トリックの教科書のようです。短編5編は深い関係はないがつながっている部分もあり、その関係を考えるのも楽しい。物語は戦前の1937年から現代の2001年まで時系列で並んでおり、密室蒐集家は時空を飛び越えます。なかなか感情移入が出来なかったが最後の密室の物語が良かった、最後もきれいな終わり方だと思います。
★★✩✩✩ 2.0
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密室殺人が起きると時代を関係なく現れる密室蒐集家。全5編の短編集ですべて密室を取り扱っているが、密室のバリエーションが豊富だった。どれも真相に気づくことができなかったが、解答を見せられて納得。