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全日本女子卓球監督の著書。「選手を育てる事は学ぶ人間を作ること」本質を突いているなと思いました。あと「大事なのは敗北から学び考える事。そして勇気を持って対策に絞り込む事。あれもこれもでは強くなれない」響きました。
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2時間もあればさらっと読み終わるが中身は非常に濃い。卓球全日本監督として、オリンピックでメダル取るというミッション達成に向け、あらゆる戦略、戦術を駆使する様はまさに知将。リーダーシップ論のビジネス書としても十分に通用する。折に触れ読み返したい本。
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チェック項目21箇所。僕に与えられたのは「4年」、ミッションから大戦略を、大戦略から中戦略、小戦略、さらに戦術へとブレイクダウンして、「いまからやるべきこと」を明確にしていった。勝つためには「仕組み」が必要なのだ、その「仕組み」をマネジメントするのが、監督なのだ。「敗北」こそ「勝利」の始まり――。北京オリンピック終了後、はじめて東京にある味の素ナショナルトレーニングセンターの卓球場に集まったとき、福原はこう言った、「ここに、銅メダルを決めて喜ぶ韓国選手の写真を引き伸ばして飾っていただけませんか?」悔しさを闘志に変えようというのだ。重要なのは「敗北」に学び、「考える」ことである、そして、勇気をもって「対策」を絞り込む、「あれもこれも」ではチームを率いることはできないのだ。勝つためには強くなればいい――、そう単純に考える人がいるが、これは戦略でも何でもない、戦い方は状況によって異なる、そして、スポーツにおいて状況を大きく左右するものに、「ルール」がある。卓球のルールもしょっちゅう変わっている、戦略をガラリと変えるようなものから、サービスの出し方やラケット・ラバーに関するマイナーチェンジまでさまざまだ、そのため、4年前には有効だった戦略が、現在では通用しないこともある。観客のためのルール変更は、いくら自分が不利になっても受け入れるべきだと僕は思う、むしろ、新しいルールのなかで、「いかに勝つか」を考えるのがリーダーの仕事なのだ。卓球人にとって重要なのは、あくまで「卓球の発展のため」というミッションであって、自分のチームの目先の勝利ではない、そして、「ルール変更」を主導できるのは、常に大義のある者なのだ。ルール変更に敏感であることだ、勝負は先手必勝、ルール変更にも敵に先駆けて手を打つことが重要だ、そして、新しいルールにおける戦いのシミュレーションをする能力を磨くことである。強くなるには、ライバルをつくれ――、これはスポーツの世界では常識だろう、相手が必死に練習していれば、自分も必死に練習する、相手が新しい戦術を編み出せば、自分も新たな戦術で対抗しなければならない。卓球は個人戦のイメージが強い協議である、それだけに、チームづくりが難しい競技であるともいえる、というのはそれぞれの選手は個人戦では強烈なライバル関係にあるからだ、帆9売っておけばチームは常に崩壊に向かう可能性をはらんでいる。僕は、パソコンの文字入力が得意ではない、映像編集もできない、英語は話せないし、中国語、韓国語もできない、できないことだらけの人間である、しかし、そばにそれぞれの専門家がいれば、自分ができなくても何の問題もないと思っている。参謀は「部下」とは違う、僕と参謀との関係は対等である、専門分野に関して、リーダーシップをもっているのは参謀を務めるその人だ。金銭でつながる人間関係は脆い、重要なのは、やはり金銭以外の動機でつながる関係性の有無である、だから、一緒に飲み食いして、いろんな話をする、「夢」を共有する。試合を控えた時期には、データは「勝つためのヒント」として活用する、「答え」ではなく、「ヒント」である。人を育てるには時間がかかる、だからこそ、��の時間を見据えながら先手を打っていくことが、リーダーの重要な仕事なのだ。指導すべきことは「リーダーの頭」のなかにあるわけではない、リーダーの考えを押し付けても、選手は困惑するだけだ、まず何よりも、相手を「知る」ことが大切だ、それが、指導の原点にあるのだ。「耳」と「目」の両方から入ってくる情報をもとに、選手の全体像をつかむことが、選手を「知る」ということなのだ、この基本を忘れ、自分の考えを押し付けてしまったとき、リーダーは選手を潰してしまうことすらある。し合い直後に話したところで、選手は聞く耳をもっていない、こっちも冷静さを欠いているかもしれない、落ち着いて、心を開いて話せるときまで待たなければ、伝わるものも伝わらないのだ。命令に従うことを繰り返すうち、やがてその選手は思考停止に陥る、自身の感覚で状況を察知したり、判断したりする能力が損なわれていくのだ、そして、監督の指示がないと動けない受動的な人間になってしまう。任せた人間が責任をまっとうできるようにフォローするところまで含めて「任せる」なのだ。
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正直、驚きでした。我々が研究して結論づけてきたチームマネジメント論そのものを現場で実践していること。そして、それが銀メダルという成果に結びついていること。自分の研究にも自信が持てました。
こんな指導者が増えれば、もっともっと日本は強くなるだろうし、昨今スポーツ界を騒がせているような悲しい出来事も一切なくなると思います。
村上監督に脱帽です。
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日本女子卓球監督の村上氏の本。ロンドン五輪銀メダル獲得後に出版された。ロンドン五輪までの道筋というよりはそれを題材に、監督業、マネジメント業について自分の考え方を紹介している本である。専任コーチ制や選考基準の明確化など、ともすれば監督としての権限を縮めるような方針も、卓球界のため、五輪で勝つために取り入れている。一貫して流れているのは、自分のためではなく、ミッションの為に一番いいのは何かということである。とはいえ、この権限移譲も含め、「一番いいこと」を実行するためには、自分に自信がないとできない。村上監督の自信は、本書でも触れられているような過去の苦しい経験や、目に見えない研究、努力をさえているのだと思う。
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世界で結果を残しているスポーツ競技は、目標設定を決めて、そこから逆算して今何を準備するかが明確になっているように感じた。
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まあ、こんなものだろうと言う本。わざわざ買ってまで読むことはないと思う。そもそもこういう本にありがちな、たまたま勝ったから言えることであり、同じことをして負けた例もいくらでもあるのだろう。結局は監督の人間性、運、タイミングに依拠しており、真似したからと言ってうまくはいかない。「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」は真理だとは思う。
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”日本女子卓球ナショナルチーム監督 村上恭和さんが、ロンドンオリンピックでの団体銀メダル獲得に向けてとった戦略を語った一冊。リーダーとしてのあり方や考え方についても。
<読書メモ>
<きっかけ>
ちょうど、新聞記事で、シンガポール戦のダブルスメンバ変更について石川佳純さんが語っていたのを読んだ直後だったので。
それにしても、最近「いいな」と思って買った本は、発行元がWAVE出版であることが多い。何かご縁を感じる。”
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職場のミッション考案の参考にと購入。
ちょっと自分の求めていたものとは路線が違ったが、組織論としては参考になる点が多々あった。組織が、目指すべき点をどのように据え、それに対してどのように向かっていくか、向かう道の途上でリーダーはどのように考え、行動すべきかが書かれている。もちろん卓球のことを書いてあるが、自身が所属する組織に読み替えて、メソッド・マインドを参考にすることができる。戦略の立て方や浸透のさせ方、選手との信頼関係の構築や、自発的に学び動く選手の育成、ミッションに奉仕する存在としてのリーダーの在り方等々。
「世界」に届くような仕事を成し遂げた人が語る組織論は、真実味と熱量がある。素人がスポーツを観る上では勝った負けたばかりに目が行くが、その勝った負けたも世界の頂点まで行くと、背景にここまでのドラマがあるのだということも単純に感動的だった。
リーダーにとっての組織論として参考になる一冊。
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面白かった!
水谷選手の本も面白かったが、
卓球本は意外と(失礼!)狙い目かもしれない。
書かれていること、すべて納得できました。
でも、この人は根っからの
「勝負師」気質なんだろうな、
と思って読み進めていました。
タイトルからしてそうだし。
でも「あとがき」を読んで感動。
ニクイ構成です笑
構成といえば、写真も、
松本大洋の漫画「ピンポン」みたいな写真。
カッコ良かった!