電子書籍
鈴木先生や小川たちの10年後も気になる
2018/02/05 01:30
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投稿者:伝奇羊 - この投稿者のレビュー一覧を見る
収録された各短編は、それぞれ本編のサイドストーリーとして本編の後に読むと作品世界が厚みを増して楽しめる。
最初のバタフライナイフ事件の話は本編では回想シーンにも何回かに分かれて登場したが、基本的には本編よりも前に描かれた短編のリメーク版である。単にオリジナル版より長くなっているだけではなく、人間関係のもつれと猫との関連が新たに示唆されている。また「バターナイフ」の裏事情が描かれており、それによりオリジナル版や本編に見られた小川の変人ぶりが緩和されているところが新しい。
次の体育祭の話は主人公の来るべき夏祭りへの期待をもって幕を閉じるのだが、その夏祭りが本編では「鈴木裁判」へとつながる事件の舞台となる。生徒たちが事件の発生を知ったのが楽しい夏祭りの最中あるいは直後であるだけに、生徒たちが受けた衝撃も倍加したであろうと想像され感慨深い。
三番目の演劇特訓と学校襲撃事件当日の話は、紺野の体験した美談という体裁でキレイにまとまっている。しかしここでの描写を前提にするかぎり、作中の紺野や中村の言質に反して、どう考えても紺野は修羅場のクライマックスでたまたま見えてしまった小川のアレにも大いに感動とときめきを覚えた、という風にしか読めない。前半で紺野の煩悩を周到に描いていることからも、そういうことなのだろうと思わされる。その意味では人間がいかに都合よく体験を美化するものであるか、実はその有様を描いたブラックユーモアであると読むこともできよう。
最終話は鈴木先生と2-Aがアウトサイダーからどう見えていたかが一つのテーマで、本編の約10年後の大人になった元生徒たちが描かれるが、登場するのは主人公戸塚とその3年時のクラスメートたちである。主題があくまでもアウトサイダー戸塚の心象風景であるため、鈴木先生ほか教師たちはもちろんのこと、2-Aの生徒たちの消息も、3年時も引き続き戸塚のクラスメートだった者たちを除けば、一部を除き必ずしも詳(つまび)らかではない。こうなると鈴木先生自身や小川、途中で壊れてしまった先生たちなどの10年後も気になる。可能性があるかどうか分からないが、いつか描かれることがあれば面白いと思う。
紙の本
脇役だった生徒たち
2016/05/12 22:19
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投稿者:ぽんぽん - この投稿者のレビュー一覧を見る
けっこう脇役だった生徒たちにスポットをあてたお話たち。
外典でもおもしろかったです。
ま、やっぱり基本本編を読み終わってからのほうがいいかと。
最後の話はちょっと未来で大人になったみんなのことがちょこちょこ分かって良かったです。
電子書籍
もうひとつの物語
2018/05/31 18:34
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投稿者:絶望詩人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
鈴木先生外典は、本編を別の視点で描いている。
特に、小川蘇美を巡る話が印象に残ると思う。
あと、最終話も印象に残るかも。
ありふれたことでも、何かを感じずにはいられないだろう。
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[漫画] 鈴木先生 外典:さよなら鈴木先生
http://orecen.com/manga/suzukisensei-apocrypha/
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短編集『掃除当番』に収録される「ポケットにナイフ」のロングバージョン、舞台は緋桜山中学(おお!)1年A組。小川蘇美が重要な役回りで登場しててニヤッ!
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あの「鈴木先生」が帰って来た!
アクション誌に不定期掲載されていた「鈴木先生 外典」が1月に公開となる実写映画に合わせて単行本化。
収録されているのは「@真説!ポケットにナイフ」「@体育祭、五月晴れ」「@紺野…演劇特訓!秋の邪念」「@戸塚24才、3-Cクラス会へ行く」の4編です。
「@真説!ポケットにナイフ」
かつてからあった独立した短編「ポケットにナイフ」を「鈴木先生」の中の作品として再構築させた作品。
地続きの物語として、各キャラクター達のBeforeがいたるところに挿入されていて面白いです。
さらに「普通」の代表のような関先生の「心の声」により、作品がよりポップなものになっています。
以前の短編とは全くの別物として読むことが出来る一方で、ポケットにナイフのメインテーマは損なうことなく、同じかそれ以上のわかりやすさで読者を導いてくれているのが素晴らしい!!
そして、小川蘇美が、なぜあのとき制服のポケットにバターナイフを忍ばせていたか、その理由も明かされます!
関先生版「鈴木のバッカヤロォォ」(笑)、「明日も我々は教え続ける!」は、関先生が言うとなんだか笑えます。桃井先生の体調不良につながるオチまで含めて、徹頭徹尾抜け目無い作品です。
「@体育祭、五月晴れ」
主人公は優等生揃いの2-Aの中でも、さらに手のかからない部類にに入ると思われる、陸上部・梨本(ナッシー)。
作者の武富先生の自伝的要素が強い作品であるとのことです。
悩みの対象が多く、その複雑さから始めはこの作品が何を意図しているのかわかりませんでした。
ただナッシーの場合のマイナス思考からの脱出の鍵は、小さな支えや幸福にまずは気づくこと。
(鈴木先生の魔法の言葉や、お母さんの愛情のこもったお弁当、浜口や山口の気遣いなど)
そしてそれを根気よく拾い集め、明日はまた悩むかもしれないが「でも今は幸せ それでいい」「苦しいのは今だけ だったらこれでいい」と、瞬間瞬間を受け入れる考え方へと変化させることにあったようです。
なお作中の鈴木先生の魔法の言葉は、胸に留めておきたい素晴らしい言葉です。
また、この世界では「古代戦士ハニワット」がテレビ放送されているようですよ!(特撮かアニメかは不明w)
「@紺野…演劇特訓!秋の邪念」
映画につながる、立てこもり事件の前後のエピソード。
主人公は紺野です。
演技に関しては1年のときすでに鈴木式の指導を受けていた「スペシャル」な紺野ですが、女子への興味に関してはどこにでもいる「普通」の男の子。中学生男子らしい、妄想やそれに続く自己嫌悪が初々しくもあります。
人が何か物事にあたるとき、そこにひとつの感情(この場合はエロ)があったからといって、それしか感じていないと他者が断じて語ることは本当に愚かな行為ですね。
それに気づいて、紺野の迷路に迷い込んだ心を解きほぐしてあげた中村もまた、カミサマ!!美しい!!
ちなみに自分は竹地タイプで、むやみにプライドが高くて、発する言葉にヒネたところがあるようです。
「���戸塚24才、3-Cクラス会へ行く」
まさかの戸塚が主人公。3-Cの同窓会編!!
鈴木裁判欠席のくだりも本人の口から語られます。
生徒たちの10年分の変わらない部分、成長した部分も見れて、おまけ的エピローグとしても楽しめました!
スキャンダルネタ大好きな青木と野方も、10年でほんのちょっとだけ成長!?
ですが3年で鈴木学級にあたり、かつての中村や神田のように「キレイになっていく青木、野方」というのも見たかった気がします。
このときの戸塚の口からも「@体育祭、五月晴れ」の梨本同様の「それでいい!」というワードが飛び出します。
西の「ロボットだの宗教だの」のくだりは、そのままネット掲示板の、うわべだけをすくったような「鈴木先生批判」に対する返信ですね。
今まで鈴木先生からは一方的に教えられることばかりだったのですが、「カラオケ論」に関して、初めて完全に自分があらかじめ持っていた意見と同じだったので、それが嬉しかったです。
鈴木先生や小川のその後など、ここでは描かれなかったキャラクターのその後も気になります!!
以上、本編では聞けなかった様々な「心の声」を聞かせてくれた4人。
でもまたいつか、心の汗をかきまくりながら教え続ける、そんな鈴木先生の「心の声」が聞ける日が訪れることを祈っています。
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見たような話が・・・映画化の間に合わせのような感じで
濃密な描写とは言い難し。
鈴木先生ファンなら見て損は無い。
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外伝とは思えない程濃厚な内容。
あの事件の裏側や、そしてその後の同窓会など、
鈴木先生にハマった方なら絶対楽しめる1冊。
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本編と違いサラッとスピンオフな感じの話ばっかかなと読んでたら戸塚の話でグラっと来てしまった。ほんの少しの表情や行動で相手との距離がズレてしまうのが難しい
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本編ではスポットの当てられなかったキャラクター達をとりあげた外伝的連作短編。
「真説!ポケットにナイフ」のエピソードが個人的にお気に入り。小川さん大好き。
最後の同窓会でのエピソードがなんとまあ見事に本編の総まとめになっていて感激。
続編作ってください、武富先生!!!
そして映画版も見なきゃ……忙し忙し(幸せ!)。
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本エピソードの伏線として描かれているもの。短編集。
ポケットにナイフ
体育祭
紺野
同窓会(これは伏線ではないな)
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「真説!ポケットにナイフ」等素晴らしい短編が収録。一つの問題でも視点を変えるとまた新しい発見があったりする。鈴木節は今回は控えめだが、ヒロイン、小川さんのあれこれも描かれており相変わらず高値安定。
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本編の鈴木先生の別冊。本編で起きた事件の背景や過去、未来の話など短編が収録されている。これを読むことで本編でちょっと気になっていた過去の事件などの詳細が分かって何だかスッキリ。そして作中の子供たちが大人になっているのを見てホッとした。