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『ブルース・イン・ザ・カブール・ナイト』と『殺しをやってた』が好み。知らん作家を知るにはいい。
結構豪華なメンツやな。
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海外作家によるアンソロもの。メンバーは豪華。ついでに言えば訳者も豪華。
ショートショートから短編まで、さくっと読めるボリュームが並ぶ。邦題に“罪”とあるが、そういうテーマで編集してあるのかな。皮肉なオチからブラックまで、バッドエンディングな作品が多い。可もなく不可もなく、どちらかと言うと微妙な感じ。
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ローレンス・ブロック、ジェフリー・ディーヴァー、などの短編18作。
アンソロジーの魅力は、新しい作家の出会いなんだけど…。
ローレンス・ブロック&ジェフリー・ディーヴァーが圧巻すぎたかも。
いや、どれもすごく面白かったんだけど、それでもね。
思えば、ローレンス・ブロックを最初に読んだのは「おかしなことを聞くね」って、短編集だった。
そのせいかもしれない。
「純白の美少女」は、「おかしなことを聞くね」に通じるものがあった。なんで、無駄に評価がたかいかも。
にしても、アメリカミステリーは、ある意味混乱してるように思う。
たまたまなのかもしれないけど、アンソロジーの出版が増えてきたように感じる。でもって、その中身は自由なんだけど、その自由さが不自由なある束縛を感じる。いや、閉塞感というべきだろうか。
以前、ハヤカワから出ていたイギリスミステリーの年代別アンソロージには、そういうものはなかったように感じるし、なにより軸のぶれが見えなかった。
うむ。
これは、もしかしてアメリカ市民の善良性の表れなのかもしれない。
善良であろうとするからこそ、揺れ、守ろうとして頑なになり閉じてしまうのだろうか。
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作家も翻訳家も有名どころがそろった豪華なアンソロジー。
ディーヴァーにやられました。コナリーもさすがだった。地味だけどパトリシア・アボットの「救い」とかも。
ただ、いきなりパラノーマル風味のがあったりして、振れ幅は大きいかも。ジョイス・キャロル・オーツがえぐくてびっくり。
でも全体として見たらしっかり楽しめるので、ミステリファンはもちろん、海外ミステリになじみのうすい人にもおすすめ。いいショーケースであると思う。
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あとがきにもあるように、たしかに「すぐれもののショート・ストーリーばかり」
ショート・ストーリーがお好きなら、だ。
純白の美少女 ローレンス・ブロック
つぐない ジェフリー・ディーヴァー
マルホランド・ダイブ マイクル・コナリー
ポニーガール ローラ・リップマン
悪魔の犬 ディック・ロクティ
記憶の囚人 ロバート・S・レヴィンスン
救い パトリシア・アボット
死を捜す犬 ブライアン・クォーターマス
記念日 ヒラリー・デイヴィッドソン
ふつうでないこと ケリー・アシュウィン
犬ほどにも命をなくして ダグ・アリン
ブルース・イン・ザ・カブール・ナイト クラーク・ハワード
冒瀆の天使 ローレン・D・エスルマン
死が我らを分かつまで トム・ピクシリリー
殺しをやってた ナンシー・ピカード
代理人 クリスティン・キャスリン・ラッシュ
当たりくじ ビル・プロンジーニ
酷暑のバレンタイン ジョイス・キャロル・オーツ
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アンソロジー作品『現代ミステリ傑作選 18の罪(原題:A PRISONER OF MEMORY:THE YEAR'S FINEST CRIME&MYSTERY STORIES)』を読みました。
ここのところはまっているローレンス・ブロックの作品が含まれているので、本書を選択しました。
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人気作家陣による豪華アンソロジー
コートの上で熱戦を繰り広げる16歳のテニスプレーヤー、少女の可憐な勇姿に男は魅了された。彼女の幸せ……彼の望みはそれだけのはずだった─。
L・ブロックの「純白の美少女」をはじめ、冴えない人生の過ちをひとつずつ正さんとする男の情念(J・ディーヴァー「つぐない」)。
往年の映画女優に届いた40年来のストーカーからの殺人予告(L・S・レヴィンスン「記憶の囚人」)、5週間ぶりに自宅に戻った妻を出迎える夫のはかりしれない愛情と狂気(J・C・オーツ「酷暑のバレンタイン」)他、M・コナリー、L・リップマンら名だたる作家の作品を収録した豪華18篇のミステリ・アンソロジー。
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2008年(平成20年)5月にアメリカ・ペガサスブック社から刊行された、エド・ゴーマンとマーティン・H・グリーンバーグの編集によるアンソロジー作品… 原著は24作品が収録されていたようですが、翻訳にあたり以下の18作品に絞りこまれたようです。
■純白の美少女 / ローレンス・ブロック 著 / 田口俊樹 訳
■つぐない / ジェフリー・ディーヴァー 著 / 土屋晃 訳
■マルホランド・ダイブ / マイクル・コナリー 著 / 古沢嘉通 訳
■ポニーガール / ローラ・リップマン 著 / 吉澤康子 訳
■悪魔の犬 / ディック・ロクティ 著 / 加賀山卓朗 訳
■記憶の囚人 / ロバート・S・レヴィンスン 著 / 加賀山卓朗 訳
■救い / パトリシア・アボット 著 / 濱野大道 訳
■死を捜す犬 / ブライアン・クォーターマス 著 / 濱野大道 訳
■記念日 / ヒラリー・デイヴィッドソン 著 / 加賀山卓朗 訳
■ふつうでないこと / ケリー・アシュウィン 著 / 加賀山卓朗 訳
■犬ほどにも命をなくして / ダグ・アリン 著 / 田口俊樹 訳
■ブルース・イン・ザ・カブール・ナイト / クラーク・ハワード 著 / 加賀山卓朗 訳
■冒涜の天使 / ローレン・D・エスルマン 著 / 森嶋マリ 訳
■死が我らを分かつまで / トム・ピクシリリー 著 / 濱野大道 訳
■殺しをやってた / ナンシー・ピカード 著 / 森嶋マリ 訳
■代理人 / クリスティン・キャスリン・ラッシュ 著 / 森嶋マリ 訳
■当たりくじ / ビル・プロンジーニ 著 / 加賀山卓朗 訳
■酷暑のバレンタイン / ジョイス・キャロル・オーツ 著 / 高山真由美 訳
■解説 三橋曉
オーソドックスなミステリから、冒険小説っぽい作品、ホラーやサイコっぽい作品まで多種多様な作品が収録されており幅広いバリエーションを愉しめた反面、好みではない作品もあったので、面白いものと、面白くなかったものが半々くらいだったかな。
イチバン面白かったのは、50ページ以上のボリュームがあり読み応えもあった、ダグ・アリンの『犬ほどにも命をなくして』かな、、、
重病の妻の死が目前に迫っている大学教授の夫が、自宅近くで愛犬を狩猟用のクロスボウで撃ち殺され心に手痛いダメージを受け、やがて犯人が町と警察を牛耳る富豪一家の男らしいと判明したことから報復を計画するが… 中盤以降、追い詰められた主人公が取った行動、そして終盤の意外な展開と真相、短篇とは思えない満足感が味わえる一品でした。
巧いなー と感じたのは、ローレンス・ブロックの『純白の美少女』とジェフリー・ディーヴァーの『つぐない』かな、、、
15歳の少女テニスプレイヤーの試合を熱心に見守って来た男の真の目的が最後に明かされ慄然する、三人称を使いながら一人称の臨場感を醸し出す『純白の美少女』、
クルマを駐車中に酔漢に絡まれた記憶に怯え銃で武装する男とテレビ番組を観てつぐないの大切さを実感した男の運命を交錯… 正反対の境遇の男の人生が皮肉な形で交錯し、エンディングで別な物語にパスされたような感覚が愉しめる『つぐない』、
いずれもベテラン作家の巧緻さを感じましたね。
それ以外では、
元警察官の男が偶然人妻と知り合い通勤のクルマで送る間柄になるうちに暴力夫の存在を疑うことになる… ヤバイ、怖いと思わせておいて救われるエンディングが用意されたパトリシア・アボットの『救い』、
無邪気に思える男女の愛がやがて歪みを見せ… まさかの『コレクター』的なエンディングを迎える『記念日』、
普通と言われ続けて来た男が犯した大胆な罪と最後に得たささやかな満足感… ブラック・ジョークが冴えわたり、怖いけど笑えるケリー・アシュウィンの『ふつうでないこと』、
凶悪犯罪の死刑囚でも実の兄を救おうとカブールに不法入国した弟が友の手引きで刑務所襲撃に挑む… 非情な最期を迎える恋物語や男同士の友情に意外な結末等々、短篇とは思えない充実感のある冒険アクションに仕上がっており、しみじみとした結末の余韻が印象的なクラーク・ハワードの『ブルース・イン・ザ・カブール・ナイト』、
あたりが印象に残りましたね。
たまにはアンソロジー作品も良いですね。