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【良かったところ】
・真田幸綱、昌幸、幸村の知略と武勇が強調されている。特に幸綱の活躍が比較的ページ数を割いて描かれている
・昌幸と信尹が「よちよち歩きの頃から仲が良かった」というエピソード
・三成と昌幸が姻戚関係だったことに言及されている点
・戦闘の描写は割と丁寧
・真田十勇士は虚構である、と断じてその手の話は一切出さないところ(その割に信繁は幸村表記だけど…)
【いまいちだったところ】
・武田勝頼の扱い(勝頼さまファンは読まない方がいいと思います…)
・豊臣秀頼、淀殿の扱い(同上)
・信玄公の死、真田幸綱の死、信綱・昌輝の戦死、昌幸の真田家相続という一連の重要なイベントが驚くほどあっさりとした描写で、物足りない。昌幸にとって大変な数年間だったはずなのに心の葛藤が感じられない。父親や兄たちが死んだのに悲しくないの?
・キャラクターの心情に寄り添うというより、一種突き放したような神の視点で書かれている作品だが、作者の表現したいテーマが何なのかよく分からない
・村松殿、清音院殿、幸村の最初の妻が存在しないことになっている。物語としてある程度キャラクターを整理するのは仕方ないが、リストラした割に、それで面白くなったのかというと、そうは思えない