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教員育成について、教育現場に長いこと携わった方が書いた本。教員のおかれる労働環境は年々悪化しており、日々の雑務に追われ、本来教師に求められる能力開発の時間が取れないという悲鳴は新聞等でもよく述べられていることであり、著者がどのような視点で捉えているかが興味の的だった。教員、教育のサイドではなく、全く別の視点でこの問題への解決提案ができそうであるが、そんな得体の知れないものを保護者は受け入れるはずもない。小さい範囲から少しずつ拡げていくしかないのかもしれないな。
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本書は、教師が学校・地域・保護者との関わりのなかで成長する過程を検証し、教師として問われるべき資質能力についての指針を示したものである。特に、「探究心」を持つことが、「教師の職務のすべての領域で発揮される実践の原動力になる」との指摘には共感する。
また、教師の評価をいかに行うか、という議論も興味深い。著者の述べるように、「教師の協同的な成長発達の『評価』を目指す」という見解は方向性として賛成する。だが、具体的にその方法をどのように進めていけるのか、もう一歩踏み込んだ見解がほしかった。
いずれにせよ、現場の声を基本に据え検証した本書は、今後の教育問題を考える上で大いに参照にすべきである。
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現役教師として、当たり前すぎて何の共感もできない本でした。正直「だから何が言いたの?」と…
プロ意識が少ない教師が増えすぎて、あまりにも公務員化し過ぎているのが現実です。
今一度、教育現場を見直して欲しいです。これでは、日本の将来に希望がもてません。
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様々な現場経験者の生の声から、様々な学校の問題点を見つけ、それを日本の教育制度や、日本の教育環境などの点から検討していくという本。
最近僕がビジネス本などをたくさん読んでいるからかわからないが、とにかく、固く読みにくかった。(たぶん僕の読書力不足^^;)
ただ、現代の教育の問題にどんなものがあるか、どうしてそういう問題が起きてきていて、どうやって解決していこうか、なんとなくわかった。自分が現場で経験していることや感じていることもあり、その点に関しては非常に共感した。
とりあえず思ったことは、様々な制度がありすぎて、よくわからないなぁと思った。もっと学校をわかりやすく、そして開かれた場所として、理解されやすい場にしてほしいなあと思った。
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「評価」と「査定」の違いがわかった。
教育機関は協業への移行を明確にすべきだということ。
教師は専門知識の質を問われるのではなく、人間として、教育者として育てられていくものである。
国の指針が現場に混乱をもたらすのは、今も昔も変わらない。
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本屋で気になったので購入。
現代の教育における問題点や、教師教育に対する問題点など、
関係者でなくてもわかりやすく書かれている。
個人的には教育センターの役割に興味があったので、ふむふむと思いながら読んだ。確かに、教育委員会と同じくらいの扱いを受けてもいい機関なのに目立たない。教員の指導は主にここなのに。
最近、いじめや体罰で学校がクローズアップされることが多い。
そこで出てくるのは、学校や教育委員会の生ぬるさ。「生徒の命・時間・成長を預かっている」という教員の意識が低いこと。
もっと生徒のほう向きなよ。って改めて思った。
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A:勤務校での問題解決と、課題達成の技能 B:教科指導・生徒指導の知識・技術 C:学級・学校マネジメントの知識・技術 D:子ども・保護者・同僚との対人関係力 E:授業感・子ども感・教育感の練磨 F:教職自己成長に向けた探究心 資質と脳力での評価 能力A→F 外からの観察・評価 A→F 個別的(A)・普遍的(F) 「個業」として教職を捉えると、今日の教職生活は難しい
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教職の条例や教師の実態がわかる本であった。
実際の教員による生の声や、著者が研究を行ってきたうえでの、教育に関する問題点が提示されていたが、自身の意見というものは乏しかったように思える。
後学のために、再読もありだが、優先度は低い。
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若い教員が増え、保護者の要求が高くなり、忙しくなった学校現場で、どのように教員を育てるかが課題である。初任者研修や10年経験者研修などの現職研修と、身近な事例をもとに行う校内研修の両方で育てることが大事である。特に、校内研修が充実するための教師が育つ環境を整備することが必要である。
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退職校長のインタビューに基づいて構成されているようだ。
教員養成段階に注目されがちだが,教師教育は教職全体を通して行われるものであることを強調する。養成者研究者が教師教育に携わること,日本型教室を反映した教師集団としての研修機能,などを専門職業人としての教師を育つ条件の1つとしている。
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ゼミの新入生発表で教育について取り扱うことになったので、その参考として。
今まで教育についてぼんやり興味は持っていたものの、親書を読んだり調べたりしたことはなかったので、本書から得た教師についての情報はどれも新鮮だった。
教師教育の充実も、教育の充実には不可欠なものだと感じた。
メンタルヘルスの改善も課題である。
やはり、多忙すぎることに問題があるとするならば、本書のようにサポートする団体に任せる、という体制を確立することも求められてくるのではないか。
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「信頼」とは、対人関係で相手の考えや感じ方、行動のすべてを知っているわけではないのに、知り得た一部の情報から相手が今後に示すはずの行動を肯定的に見通す可能性のことである。なるほど、信頼を得るべく日々精進しなければならない。さて、本書は新聞広告で見て「はじめに」を立ち読みして即購入した。学級崩壊にあったクラスが、新しい担任のもと立ち直っていく様子が描かれていた。私の子どものクラスでも似たようなことがあった。先生の取り組み一つで大きく変わることがある。一方で、先生の力以上に生徒たちの潜在能力で大きく成長していくこともある。何らかのきっかけがあればよい。本書に紹介されているのは私立女子高でのケータイに関する取り組み。生徒たちが教科の勉強と関係ないところで、ハンドブックを作成していく。頼りない親のもとで子どもが自立するということもあるが、教室でもそういうことがあり得るかもしれない。指導力不足の教員をどう育てていくのか。そんなことに税金を使わずに辞めてもらったらいいのでは、という思いも確かにある。しかし、教育の場で育つのは子どもだけではない。教師自身も保護者も育っていく。そうならば、本人が続けて行きたいという強い意志を持っているのであれば、まわりの協力があっても良いようにも思う。評価と報酬の話の中で、「外的報酬」と「内的報酬」という区別があった。私にとっては圧倒的に「内的報酬」の方に強いインセンティブがはたらく。そう「喜んでもらえる」ということが一番なのだ。なのに、会社というところは、「外的報酬」を与えておけばよいと思っているふしがある。それはなければないでつらいけれど、そのためにだけ働いているわけではない。
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資質の足りない教員にいかに対処するかが鍵のようだ.本書ではごく一部の資質の足りない教員が問題になっているように書いているが,近年「その一部」が増大していたりしないかが気にかかる.
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【請求記号】
374.3||643
【蔵書検索リンク】
http://nieropac.nier.go.jp/webopac/catdbl.do?pkey=BB16228155&initFlg=_RESULT_SET_NOTBIB
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〇目次
第1章:いま、教師は
第2章:教師の質とは何か
第3章:教師をどう育てるか
第4章:教師が育つ環境
第5章:「評価の時代」にどう向き合うか
筆者は教員のコンピテンシーは「資質」と「能力」に分け、二つをいかに育てていくかが大事だと考えている。しかし、政府や世論は教員の資質向上に関する問題が挙がる時は必ず「能力」重視の制度改革にばかり走ってしまう。
教員養成の仕組みを「教師が育つ道筋」と「教師を育てる制度」の二つに分け、「挙酔が育つ道筋」をいかに作っていけるかが大事なのである。
本当に教員を育てるにはいかにして「資質」を育てて、「能力」を挙げていくかが大事である。筆者は学校現場という職場での「協業」をキーワードに掲げ、学校内で取り組まれてきた研修(初任研、十年経験者研、指導改善研、研究授業)などの「教師が育つ道筋」をもっと充実し活用することを提言する。
また、学校現場での同僚教員との「協業」、児童生徒との「出会い」の中から「資質」・「能力」というコンピテンシーを伸ばすことができるのであり、教職大学院などでもこうした生きた経験が積めるようにカリキュラムを組めば、実のあるものとなるだろうとしている。
自分自身、学校現場は研修に関しては充実しており、正直大学の教職課程よりも現場で学ぶことの方が大変多い。協業も近年では「組織として」「チームとして」「連携」という形でかなり全国の教育現場にも浸透している。
今後筆者が言っている「教師が育つ道筋」の充実でバーンアウトする若い教員が出ないようにしていかなければならないだろう。