紙の本
爽快なラスト
2022/03/03 12:21
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投稿者:kochimi - この投稿者のレビュー一覧を見る
「世界の中心は自分じゃない。
自分なんかいなくたって世界は平気な顔して回り続ける。
だったら置いていかれてもいい。」
そう言って闇の淵に立っていた2人が、
鮮やかな世界に戻っていく爽快なラストに救われた。
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デビュー作のピンクとグレーがものすごく良かったから期待しすぎたかなー。
ピンクとグレーはリアリティで、かつわかりやすいくらいのザ・青春小説だったのに対し、今作も芸能界が舞台ではあるのだが中身がリアリティに欠ける。少なくとも一般人の日常からはかけ離れているし、インパクトに欠ける。ピンクとグレーもありがちなストーリーではあったけど、光るものがあってとても良く感じたけれど、今作は光るものがなく、退屈はしないけど盛り上がりもしない、ずっと一定、どこかで読んだこと歩きがするし、どこかで観たことがある気がするストーリーからの脱却のないまま終わってしまった。
キザというかクサイというか、ピンクとグレーのときは等身大の人物をありありと描いていたのに対し、今作は背伸びしすぎた感丸出しだったかなー。
でもやっぱりジャニーズなのは惜しいな。
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とても読みやすかったので、一気に読み終えた。
デビュー作の『ピンクとグレー』よりも、情景や人物像も丁寧に描かれているので、分かりやすかったし、個人的にはこちらの方が好き。
比べるものではないかもしれないけれど。
芸能界にありがちな題材で、しかもアイドルグループのゴシップ記事絡みなだけに、名前や異性を替えたノンフィクションじゃないのか?と思わせるくらいリアル。そこがまた興味を引く要因なのかも知れない。
NEWSのメンバーとしての顔と切り離しても、面白い作品だと思う。
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NEWS加藤シゲアキの2作目の小説。前作と比較するつもりはありませんが、こちらの方がよりスピーディーに読めました。
文章は前作に劣ることなく非常に繊細でかつ丁寧、彼自身が映画好きということもあってか、頭の中にその情景がパッと出てくるような丁寧な描写は相変わらず、また前作より、登場人物の特徴や趣味嗜好がとらえやすく感じました。
著者の趣味であるカメラと、著者自身が存在するエンターテイメントの世界という設定は彼だからこそかけた内容の小説だと思います。
前作と今作に共通する点は舞台が渋谷だということ。渋谷サーガと銘打って第3作目も…とおっしゃっているようですが、是非自分の得意分野以外の小説を書いてほしい!今作において、カメラ、芸能と自身の経験や趣味からなる設定でしたが、まだ彼の経験したことのない世界を、彼がどのような作品をわたしたちに魅せてくれるのかがとても楽しみです!次回の作品も期待しています!
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アイドルとパパラッチのはなし
現役アイドルが書いてる生々しさがすごい。
実写化できそう。
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前作とはうって変わって、最後の1行までスピードのある展開。
文章も上手くなってるし、表現も内容にあってときおり耽美。
書きすぎ感があるのは本人が映像を文字に起こしているからだろうが、渋谷、芸能界の「サイクルの早さ」という特殊性を切り取るには必要不可欠なのかも。
若いシゲファンより、渋谷系を感じていた親世代の方が浸れる。巧にも亜希子にも寄り添えるのはover30ではないか。
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NEWSシゲさんの小説二作目。
書くうちに段々筆力をあげていった前作と違って、今回は最初から安定してますね。
てゆーか、語彙が増えましたね!びっくりした!
ゆったりと写真を現像する主人公の冗長なくらいの描写から始まって、格闘シーンや主人公二人の逃避行、クライマックスのスクランブル交差点でのゲリラ撮影、復帰した亜希子のライブシーンとドラマチックに、エンタメ要素たっぷりにお話が進みます。
ラストは冒頭の自分の部屋に戻って、お部屋に飾られた写真、背中のタトゥーの描写があって静かにお話が閉じる。
やっぱりシゲさんは小説と言うよりは映画寄りで作品を作っているのかなあ、という印象を受けたお話でした。
こんなに静かに始まるエンタメ作品なかなかないもの。
シゲの場合はそれが全くマイナスにならないんだけど。
というわけで、今作も面白かったけど、エンタメ要素を重視してちょっと軽くなったかねえ…。
格闘シーンとか、別に入れなくても良かったのに。
若いファンの子が読むにはちょうど良いのかもしれんが、私はもっと重苦しくて良いかなあ。
とはいえ二作目でここまで仕上げてくるとは想像以上期待以上。
NEWSの活動もこなしながらこれだけの作品書けるって、本当すごいですよ、シゲアキ。
渋谷サーガ第三弾にも期待してます。
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びっくりした。NEWS的な贔屓目なしに凄くおもしろい。
更にデビュー作が苦手だった人にも受け入れられる作品だと思う。
写真、アイドル、渋谷系、タトゥー、星座。
なにかを失ったふたりが前に進み出す物語。
ちょっと衝撃的すぎて何から書けば良いかわからないけど
閃光スクランブルのシーンやラストのアッキーに思わず泣けた。
アッキーが実在したらファンになっちゃうかも知れない。
兼業作家に興味のない人にも一度読んでみてほしい傑作。
2作目でここまで仕上げてくるなんて、末恐ろしい!
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小説にはストーリーの展開を主に書かれるものと情景、人物の姿形、音楽まても細かに描くもの(宮部作品などのように)があると思っていますが、この作品は後者。
読みながら細かな情景がまるで映画のように見えてきます。それがちょっと過剰に感じる場面があるかなぁというのは正直な感想ですが、これが加藤くんの手法だと。今後、書き続けるうちに彼らしさとして馴染んでいくことに期待しています。
ストーリーはエンターテインメントの世界で生きている彼だからこそ書ける。情景も思いもすべて。
思わぬバイオレンス場面など想像を超える展開になって最後までスピーディーに進みます。
ラストは生きることに希望がみえて気持ち良い。
ただ、女性アイドルが、タトゥーを入れるのはいただけない。若い読者が多いし筆者がアイドルという影響力がある事を考えるとあの場面は必要ないと思います。
わたしは前作の方が好きです。次の作品が楽しみです。
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加藤シゲアキの第2作。
有名俳優と不倫状態にある人気女性アイドルと、彼女を追うパパラッチが、いろいろあって思いがけず逃避行する、という話。
私が加藤好きなのでだいぶ贔屓目はあると思いますが、かなり面白かったです。
1作目もそうでしたが、ラストシーンへ向かう後半の疾走感がすごい。カタルシス。
若干冗長かな、と感じることもあったけれど、ハッとさせられる言葉遣いも要所要所にあって、この緩急をあえてやってるんだったら大したもんだと思う。
パパラッチに追いつめられたり己の限界を見てしまったりしながら、それでも「アイドル」をやめられないヒロインの心境が妙にリアルだな、なんて加藤ファンとしては穿った見方もできて、一粒で二度おいしい気もしたりしなかったり。
でも純粋に、三作目が楽しみです。
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面白かった。
読み終わってすぐの感想はその一言につきる。
くらもちふさこさんの初期の頃の作品に似た雰囲気を感じたが、現役アイドルという強みはいかんなく発揮されていると思う。
月並みな言い方になるが、「心の傷は誰にもわからない」ものなのだなあと改めて思う。
ジャックオランタンは私にもいる。なにかしようとすると必ず私の耳元で「おまえにそんな価値があるのか?」とささやく。
だからラストで亜希子がジャックの言葉を振り切ったとき、ぞくっとした。
「覚悟」。なんて重い強い言葉だろう。そしてなんて美しい姿勢なのだろう。
自分を貶めることで苦しみから目をそらしていた巧も、やがて新しい一歩を踏み出す。どんなときも、胸を張って新しい一歩を踏み出す人の姿は輝いている。
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全体のスピード感と萌え要素(これは私の好みの問題かも)が加わってエンタメを意識した、という言葉に納得。 前半の湿度やサブカルへの憧憬といった「らしい」感じもあってパワーアップが感じられます。
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いい意味で裏切られた感じ。
アイドルが描くアイドルの陰の部分。
大げさな嘘はないだろうというある種の安心感と、裏側を見ているという好奇心で思いのほか楽しみながら読めた。
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2作目でこけるんじゃないぞ・・・と思いつつ読み始めた本ですが、あいかわらず、この子の心理描写はすごくアタシの読書力に合うというか、わかりやすいです。
最初の40ページほどはすごく悲しい気持ちで読まされました。なので、暗いのが苦手な方はこの序盤をまず乗り切ってもらわないといけないなぁw
途中、アクティブなシーンもありますが、ここは逆に表現力が少々足らないのかなと。ちょっとわかりづらいなぁという印象です。
全体としては、メイン二人の心理的な変化は私はよくわかりましたし、話全体もしっかりと作り上げられたんじゃないかなと思います。ファンの欲目じゃないことを願いますw
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〈うっすらネタバレ〉
ぐっと目をひく装丁と、読みはじめの章で、すでに仕掛けが回りはじめているのだと。無声映画のような、静かな世界。止まった空気。たまらない空虚感に引き込まれながら読み進めると、だんだん空気が動いていく。登場人物たちの言葉や、描写されている音楽で。
しかしそれでもなにかが足りない。それは何なのか。クライマックスで明らかになったときには、そうか!と思わず大きく頷いた。確かに、作品としてよく考えられている。終章は音も色も豊かに描写されている。表現力のある著者だなあと。
今作も前作も、光や色を象徴的なアイテムとして用いる著者だからなのか、読んでいて映像として鮮明なイメージが浮かび上がる。かといって題材上映画にはできないでしょう。そんな点で小説の可能性の広がりも感じさせる。