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「集団のマネジメント」という視点から見たサッカーの監督
2012/12/24 09:09
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投稿者:木の葉燃朗 - この投稿者のレビュー一覧を見る
佐々木則夫・山本昌邦という、サッカー日本代表の監督・コーチを務めた(佐々木監督は務めている)二人による対談。とはいえ、サッカーの技術的な話は少な目で、主題はリーダーとしてどのように組織を率いるか、という点。どちらかといえばビジネスマン、中でも中堅社員から管理職を念頭に置いた内容になっているという印象を受けた。
おふたりのこれまでの著作を読んだ経験のある自分としては、新鮮な話が多数登場する、というわけではない。しかし、サッカーのチームのマネジメントの方法は、たしかに企業などの集団のマネジメントに応用できることが分かる。それも、監督は部下とも言える選手やコーチ・スタッフがいて、上司にあたるチームオーナーやサッカー協会がいる。まさに中間管理職のような存在。そのように、企業をサッカーのチームに例えて見てみるのは面白い。逆に、サッカーのチームを企業に例えてみるのも、また面白い。
「相手に考えさせるように問いかける」(p.77)とか、「ワクワクするような精神状態」(p.98)を作り出すといった大きなテーマから、部下と同じ目の高さで話をするとか、会話をするために握手をするとか、具体的な行動まで、取り入れるかどうかは別としても、興味深い話題が色々と登場している。
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W杯を制した日本代表の舞台裏を知る良書
2021/07/27 19:36
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投稿者:empath - この投稿者のレビュー一覧を見る
組織を率いる総ての人に向けた本。なでしこジャパンを2011女子W杯優勝、2012ロンドン五輪銀メダルに導いた佐々木則夫前監督が行ったチームマネジメントの秘訣を、同じく代表監督経験を持つ山本昌邦氏が引き出す出色の内容。
男子代表がザックジャパン、ハリルジャパンと監督名で呼ばれるのに対し、何故佐々木ジャパンと言わせないのか、そこには佐々木氏ならではの細やかな気遣いがあったことや、澤選手から宮間選手へのキャプテン交代劇、澤選手が「PKを蹴れない」と言った時の監督が発した一言など、大胆にして繊細なマネジメントの裏側が書かれ、気づきの多い一冊です。
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佐々木監督の著書は何冊か読んでいるので目新しいことは特に有りませんでした。選手に自主性・主体性を持たせるのは指導者にとって永遠のテーマだと思います。
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annex ~『僕自身まだまだ小僧』 ~:スミスの本棚:ワールドビジネスサテライト:テレビ東京
http://www.tv-tokyo.co.jp/wbs/blog/smith/2012/12/post139987.html
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【内容】個性豊かな女子選手たちをまとめあげ、チームをFIFA女子ワールドカップ世界一に導いた佐々木則夫氏と、アテネ五輪監督として“谷間の世代”を鍛え、現在はサッカー解説のほかビジネスマン向けの講演活動を行っている山本昌邦氏による、「本当に勝てる組織を作るリーダー論」が登場!「部下の自主性を養うには」「リーダーが口にすべき言葉」「組織の結束が乱れたら何から手を付けるべきか」など、ビジネスの現場ですぐに使える貴重なヒントが満載。ビジネスマン必須の一冊。 (「BOOK」データベースより)
【感想】なでしこジャパンの佐々木監督とアテネ五輪代表の山本監督の対談形式の一冊。組織マネジメントについて語っている。どちらも好きな監督なので、好感をもって読んだ。
前半のリーダー・組織のあり方や人材の育て方についての内容は、「重要なのは目標設定」「自主性を養う、責任を与える」「絆を深めるコミュニケーション」等割と一般的だが、サッカーの例を交えて紹介しており、読みやすい。
後半には感銘を受ける言葉が溢れている。「何度も繰り返すうちにできるようになる瞬間がある。その瞬間の喜びを、みんなが分かち合える組織でありたい。その時に、生まれながらに備えている才能ではなく、努力した姿勢を評価する。」(P148)「リーダーは心豊かなカーナビゲーション」(P162)「21世紀型のリーダーとは、1人1人の個性を尊重して輝かせ、それによって組織全体を輝かせる調整型のリーダー。自分の持っている知識、情報、経験等を円滑油として、部下を引っ張っていくタイプ」(P178)などなど。
最後に、山本監督の「あなたの大切な人が、あなたを誇りに思えるような人生を過ごそう。」この言葉はすごく心に響く。2人のサッカー監督としての日々の組織マネジメントの試行錯誤。そこから「いま」があるのだと感じられる。
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責任は自分にあるという腹をくくっているけれど仕事がおおざっぱな人がいる一方、仕事には細かだが腹をくくれていない人もいる。世界一のリーダには腹をくくるという覚悟と細部にこだわる繊細さが必要。
選手に対して
「あなたの大切な人が、あなたを誇りに思えるような人生をすごそう」
リーダからそんな言葉をかけられたら部下は心をうごかされるでしょう。
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リーダー論
女性の中で男性が上に立って活躍するなかでの処世術、男女問わず相手を導く中での心がけ、伝え方、導き方の指針。
リーダーになる予定はないが、社会で人と接していく上でも家庭でも言われているような考え方で行動出来るという事は必要なので参考になると思えた。
常に全体と自分を交互に見れるようにしていけたら考え方やものの見え方が変わるので、そういう事を年齢を重ねる上で身に着けていきたいと思う。年を取るごとに視野を広げていけるようになるのが目標なので参考にしたいと感じた1冊。
もっとサッカー通であったなら別の角度からもっと楽しめたのかもしれない。
ただサッカーに関する情報としては、すごくサッカー通であったなら知っていた事なのかもしれないというくらいの情報量なのかも。
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高いレベルのモチベーションや技術をもった組織の話がベースなので物足りないところもあるが、本質は一緒なのかなと思えた。一つ一ついいこといってる、それが良いリーダーの要素でもあるんだね。
•オーバーコーチングを控える
•絶えず自分の言葉を磨く
•自分の持っている知識、情報、経験などを潤滑油として部下を引っ張っていく
○自分の哲学を持つ、真似じゃない
○部下分析、輝かせる具体的イメージ
○部下に感謝の気持ちを持つ
耳を傾ける、能力を認める、最高の環境を提供する
あーー耳が痛い…
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カテゴリは『サッカー』だけれども『哲学』であったり『学び』であったり『自己啓発』であったりどこに属するか少し悩んだ一冊
アテネ五輪代表やジュビロ磐田で指揮をとった山本監督との対談であったがこの本のおかげで主役である佐々木監督はある意味で世界一の監督であることも納得できた
佐々木監督の最も素晴らしい能力はマネジメントである
スタッフを信じ選手を信じ自発的に組織が向上するように促す・・・。
これは短期的に結果を求められるプロフェッショナルな世界では難しいことなのに目標(W杯世界一)を逆算してステップアップさせていく手腕は感動的ですらある
こういうタイプのサッカー監督はなかなかいないが強いてあげるならばジーコの理想を現実化させたのが佐々木監督に近いかもしれない
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佐々木監督、山本氏による組織のありかた、理想的なリーダーシップについて、対談形式で述べられた本。
内容は学問をサッカーという実践の場に活用し、その結果について書かれているため、日常に活用しやすいように思う。
佐々木監督と山本氏の考えるプロセスは異なっているように感じたが、目指すべきところが共通であり、だからこそ説得力に長けていた。
佐々木監督は非常にポシティブであり、論理的であり、興味深い人物である。今後も佐々木監督が本を出すならば読みたい。
当著で説かれたリーダー像は、フォロワーと協働で築いていくものであった。
再読を自身にススめる。
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佐々木監督がどうやってなでしこを勝つ組織にしたのか、佐々木流の女性選手との付き合いかたがおもしろかった。
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重要なのは「目標設定」、次は「現状認識」。自主性と主体性が組織を能動的にする。ミーティングは「参加型」、コミュニケーションは「問いかけ」、短所より長所を多く指摘する。
「成功」の反対は「失敗」ではなく「チャレンジしないこと」。勝った後に怒り、負けた後に褒める。
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ゴールのイメージ作りは大切ですね。そしてその目標は、達成できるかどうかを前提に決めてはいけない
女性相手のコミュニケーション 聞き役に徹してみる
「しっかり見ている」というサインを送る
人間関係のバランスは343さしみ
自分の周囲にいる3割は、どんあ自分も受け入れてくれる。次の4割は自分を受け入れるときもあれば、拒絶するときもある人。のこりの3割はなかなか自分を認めてくれない人。最後の3割をどうにかしたいと願うのは避けるべき。最後の3割は部下の助けを借りて協力関係を深めていけばいいのでは
相手に考えさせるように問いかける
成功の反対は失敗でなく、チャレンジしないこと
失敗の量の多い人が、成功の量が多くなる
2つは長所をほめて、1つは改善点を上げる
中田英寿が優れていたのは、努力する才能
なにかうまくいかない時に責任を探すのは簡単だ。そういう傾向に陥りがになのも分かる。けれど大事なのは、責任をだれかに押し付けるのではなく、どうやって解決していくかにあるはずだ
佐々木さんのように世界一のリーダーになるには、腹を括るという覚悟と、細部に拘る繊細さを併せ持たなくてはならない
自分の仕事に対する一般的な評価は意図的に遮断する
リーダーというのは心豊かなナビゲーションのような存在でなければならない。機械的な言葉ではなく、優しさや配慮をもって部下の道標となる
リーダー像 責任をもつ
負けた時にどうあるべきかを大切にすべき
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人生のうちに一度経験するかどうかという、世界一を賭けたペナルティキックでプレッシャーを感じるのは当然なので、監督の私が厳しい表情をしてはいけない、という気持ちでいたら、「お前たち、すごいな」と感心して自然と笑顔になっていた。
我々スタッフ側が選手同士の関係を観察しているように、選手は我々スタッフがうまくいっているかどうかを見ているものなので、選手の面前では決してコーチを叱らないようにした。
特定の個人を褒めたり叱ったりすることで組織全体を引き締めるのではなく、周囲から上司の声を届ける間接評価を使いながら、個々への繊細なアプローチが必要である。
勇気を振り絞って監督である私のところへきたという小さな努力を、まずは大きく評価し、「キミのいいところはここだ」と、その選手のどこを評価をしているか話すことで安心感を与える。
人間関係は、どんな自分でも受け入れてくれる3割、受け入れる時もあればそうでないときもある4割、なかなか自分を認めてくれない3割、というように、「3・4・3(さしみ)」に分類される。
シュートが少なかった前半の戦いぶりには、他ならぬ選手自身が切歯扼腕しているとき、いきなり「シュートが少ないだろ」と言うよりは、「宝くじは買わなきゃ当たんねえだろう。シュートも打たなきゃ入らないよ」と最初に比喩を使い次に本質を突くような話し方のほうが有効である。
“失敗を恐れているような素振りを見せた部下に、私は『ワクワクしているか?』と聞きます。”
「ここでミスをしたらすぐに失点につながるぞ」とマイナスイメージを刷り込むのではなく、「ここが勝負どころだぞ」とポジティブな指標を与えるようにしている。
選手個人に「今何が行われているのか?何が求められているのか?」を考えさせながらやっていくと、ひたむきな姿勢が強まり、出した答は応用の利くものになるので、迷っている選手には「まずはやってみよう」と提案調に言ったり、「いちいち細かく説明しないとわからないのか?」と厳しい口調で迫ることもある。
目標を達成した時には主語を「キミたち」にすることで、彼らの功績を讃え、逆に目標に届かなかった時は「我々は」にすることで、上司も責任を共有していることを伝える。
“私自身、ワールドカップを優勝したことがある監督から、部下の10倍は勉強しなければならないと言われました。”
“組織を率いるうえで大切なのは、自分の部下を最大限輝かせて成功を収めることです。”
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佐々木さんは会社員の経験があり、山本さんは最近会社での講演に呼ばれることが多いらしく、
「このへんはビジネスですと」みたいなもって行き方が多いきがして、
あまり響きませんでした。