紙の本
「日本を降りる若者たち」の続編とも言うべき本
2016/05/29 16:59
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ライサ - この投稿者のレビュー一覧を見る
東日本大震災後に改めてアジアに住む日本出身者を取り上げた本。
「日本を降りる若者たち」の頃はまだ日本は曲がりなりにも豊かであったが、大震災後に急激に落ち込んでしまい環境に変化があった
しかしそれでも彼らはアジアを捨てようとしない
というか日本もアジアなんだが「日本人はバナナと揶揄されるように外見は黄色人種でも中身は白人」というのもあり違和感はあるのだろう
ただ日本にも250円での弁当屋なども増えており一概にもう「日本を出たら現地人よりかは豊かな生活」とはいかなくなっている
私が最も注目したのは上海。ちょうど民主党が大勝利をした頃に私も上海の地を踏んだ。
中国のもつパワーの凄さに「日本は大丈夫なんだろうか」と一抹の不安を抱いたのもあった。成長している国とはこういう姿なのだ、と
なぜかくも日本は生きにくい国になってしまったのだろうか
と考えてしまうあたりは日本人だからだろうか、とこの本を読んで感じた
「日本を降りる若者たち」でもそうだが「こういう選択肢もある」と知ることは実はかなり勇気付けられる。これで逆に日本で可能な限りやってみる、という人もいる
アジア以外の日本出身者のことやその国に帰化している人のこともあったらなお良かった
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旅作家でお馴染みの下川さんの著書。
本書は、旅エッセイではない。
海外で生きる日本人を題材にしたヒューマンドキュメントだ。
沖縄、カンボジアのシェムリアップ、タイのチェンマイ、中国の上海、ラオスのビエンチャン、タイのバンコク、ベトナムのホーチミンで生きる日本人9人が物語になっている。
そこに書かれている主人公は、海外で成功している日本人とは必ずしもいえない。ただ、それぞれの事情で日本を捨て、海外で暮らす。そして、どこか幸せを読み取ることができる。
その経緯がドラマである。そして、日本の問題点というものを考えさせる。
タイトルにもなっている、生きづらい日本人。
海外にその答えを見つけ出そうとする主人公。
ヒューマンノンフィクションだから、
読み終えた後、なんともいえない気分になる。
本書は、現代版のアジアンジャパニーズ(小林 紀晴 著)ともいえる。
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なぜか購入から三年以上かかって読了。
沖縄から始まって最後はタイのホームレスまで。三年前より腑に落ちた。やるせない。
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そういえば、下川裕治さんの12万円で世界を歩く、というの読んだことあります。
どことなく、哀しげな雰囲気が漂う人だなぁと思っていたが、やはりそんな空気が人と共鳴するのか、他の人の人生を描きながら、下川さんの悲壮感もまた、ありありと伝わってくるかのようです。
私は以前から、日本を離れて暮らす人たちの思いを知りたくて、その人が直接書いたものとそういう人たちのインタビューを集めたものの両方を読んできた。
やはり、後者の本をもっと知りたいのですが、何かオススメありますか?
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アジアの各地に流れ着いた9人の日本人たちの物語。
日本の暮らしから離れて暮らすようになった各人各様のいきさつ、それぞれの土地での暮らしなど。
彼等・彼女達も決して日本の不景気から逃れて楽園のような癒しの暮らしをしている訳ではなく、それなりに努力や運、仕方のない事情などで現地での生活を営んでいます。現地の人々からは日本人は金持ちと思われている一方、実態は凋落していく日本経済というギャップ。しかし、その実態も徐々に現地で知られるところとなりつつあるのが現在の様であります。
日本が不景気ならどこか外国にでも、とぼんやりと思っていたこともありましたが、グローバル化した現在では、そういう逃げ場もなかなか無い様です。
どうせ同じ苦労をするなら、生きづらい日本よりはアジアの空気の中で暮らしたほうがマシ、と感じた人々の物語。どこか、共感できるところがありました。日本での豊かさや幸福とは少し違う尺度で生き直す事は、これはこれで良いことなんじゃないかな、と思います。
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那覇・上海を含んでいるが、バンコクやビエンチャン等、基本的に東南アジアの各都市に暮らす、日本で暮らしにくくなった日本人を取り上げた本。
この本に出てくる人達は、割と一般的な人達であるような気がするし、何よりも「日本人であることを捨てた」わけでもなく、どうしてこういう題名をつけたのか、理解に苦しむ。
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日本で生きていくことの閉塞感から逃れるためにアジアへ行く人たち。アジアに行けばすべて解決する訳ではない。日本と同じような問題に加え、外国特有の問題が起こる。アジアは決して生きやすいところではない。ただ日本に戻るよりまし。それはアジアという価値観の違う国に移ることで今までの人生をリセットしているように思えた。
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アジアで生きていくほうが大変なのではないかと個人的には感じるのだが、本書に登場する、日本を捨てた人たちは、少なくとも日本にいる頃に比べて、ストレスが緩和あれているようだ。水が合う、ということなのだろうか。
私自身も日本生きやすくて好きだ、という気持ちを持っているわけではないけれど、特にアジアへ逃げ出したいと感じたことはない。けれど、「ほんのちょっとしたきっかけ」で変わってしまうということはあるのかもしれない。そんな気にさせられる内容だった。
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日本に見切りをつけアジアの地に生を見出した日本人たちのルポルタージュ。中国、ベトナム、タイ、ラオス・・・・国々には独自の文化があり生活様式があり、その一つひとつに興を誘われる。100%の満足が得られているわけでもないが、日本にはなかった幸福と希望を胸に描ける新天地となっている。日本がアジアの中で突出して豊かだった時代とは大きく様変わりしているのが現実。日本人だからといった特別性は微塵もない。純粋に郷に入りては郷に従えを実践するのみ。日本人として新しいアジアの国々との向き合い方を考えさせられた。
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まず、タイトルが素晴らしい。本書は、日本を出て、アジア(沖縄を含む)諸国で暮らしている日本人の生の声を取材したノンフィクション。成功した人を取り上げていないという著者の視点も共感できる。生きづらい日本を出ても、決して楽になったわけではなく、現地で苦労しながらも自分らしく生活している人々の思いが詰まっている。
実際、日本は生きづらいと感じている人は少なくないと思う。私もその一人だ。周りの空気を読み、人と同調し、みんなと同じように考え、同じ行動を取ることが良しとされる風潮の日本。大学を出て、仕事に就いて、結婚して、子供をもうけ、定年まで働く。そのパターンにはまらない人にとっては「生きづらい」。それでも、私はここで頑張るつもりだけれど、生きづらい日本を出て、他国で頑張っている人も応援したい。
日本に生きづらさを感じている人にとっては、本書は心に響くものがあるのではと思う。
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日本を捨てて亜細亜にいきる日本人の話。全体的に非常に軽いので一瞬で読める。まあ、世の中生き辛いですなあ。
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アジアには月給5万円で働く日本人が存在する。
日本国内で就職できないので語学を学び、或いは現地で学びながら現地法人に就職しようとする日本人。
志をもって現地で充実した仕事をしている日本人。
夢や計画を描いていたわけではなくて、ふらっとアジアに赴いたら・・・結局現地で生活をつづけることにした日本人。。
・・・なるほど、それで本のタイトルがこれなのか。
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東南アジアで暮らす日本人の生き方を追いかけた内容です。確かに、日本人は時間やお金に追われていて、閉塞感はあります。本書で出てきた人物のように、日本を離れ、ほどほどに生きる、という生き方もありかなーと思いました。ただ、自分自身は、旅行者や仕事の一環としていくのはよいけど、家庭のことを考えると、彼らのような生き方は難しいかなと思ってしまいます・・・。東南アジアに一度行ってみたい!という思いには駆られました!